白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『すぐそばの彼方』(白石一文、2005年、角川文庫)
政治と女をめぐるフィクション。
次期首相最有力候補を父に持ち、父親の私設秘書をつとめる龍彦。
龍彦が過去に犯した過ちから徐々に立ち直っていくが、同時に父親から再度信頼を得、政界(政局)の権力争いへと巻き込まれていく。その過程にはある真実があったのだが…
政治の権力闘争の影にある闇の部分が随所にあり、政治に身を投じ権力を手にした者の裏の姿を描き出している点がおもしろい。
この小説では女性関係が物語と平行して明らかになっていく。政治に身を投じつつも、愛する女性を追い求める「政治家」の姿があった。
(2009年10月25日) -
Posted by ブクログ
短編のすべてに「不倫」という題材が組み込まれているが、嫌悪よりも人間らしい愛情が描かれていることを感じ、深く響いた。
例えばもう二度と繋がることの出来ない相手でも(今現在傍らにいる人であれば尚いいが)、心の中に優しい傷となって生き続ける。
自分の中で記憶が形を変えながら死を迎えるその日まで共に歩み続ける。そんな愛情の素晴らしさに触れた作品だった。
この作品を読んでいると己にあった既存の常識が少し砕け破壊されたように思う。
個体で生まれて個体で死んでいくのには変わりがないが、胸の中を覗けば無数の物語があり、それらに時に苦しめられ時に励まされている。
そんなふうにして今日もやっと呼吸して、酸素を二 -
Posted by ブクログ
短編集です。この人も初読でしたが…。
男性の書く文章だな、とものすごく思いました。いい意味でも悪い意味でも夢があって…ご都合主義(笑)
何年も不倫をした挙句に、振り返ってみた女がみんなそんないい女だったら誰も苦労しないってば、と言いたくなります。
予定調和のように理解ある愛人・恋人に対して、妻はみんなどうも反応が鈍くて…まるで浮気されてもしょうがない、といっているようでなんだかなー…とちょっと思ってしまいました。
あ、小説としては書き方もうまいし面白いですけどね。なんかうーん?と読みながら頭ひねっちゃう感じが…いいんだか悪いんだか。
登場する男性は皆、それほど強引でもなく押しが強すぎるでもな