作品一覧

  • 伝言
    5.0
    1巻1,001円 (税込)
    わたしは、やっと、自分がなにを作っていたのか知った。 満洲国・新京。 そこで彼女たちに何があったのか。 戦後80年 『きみはいい子』『世界の果てのこどもたち』『天までのぼれ』の著者がおくる、語り継ぐべき物語。 『世界の果てのこどもたち』には書かれなかった、もう一つの真実。 わたしは気づけなかった。 気づけなかったことはたくさんあった。 この物語の中で繰り返されるこの言葉が、いまを生きる、私に迫る。(略) 私はこの作品が『伝言』と題されたことの重大さを、ずっと考え続けている。                         ――小林エリカ(解説より) 満洲国・新京で暮らす、ひろみ。 聖戦とよばれた戦に勝つため、工場に集められた彼女たちは、鉄の機械とのり、刷毛を使って畳ほどの大きさの「紙」を作り続ける。 それが何なのか、考えもせずに。 五族協和、尽忠報国――信じていた国でひろみたちはどう生きたのか。 これはわたしたちが忘れてはならない物語。
  • 天までのぼれ
    4.4
    1巻2,420円 (税込)
    100年後のわたしたちが持っているもの。それを求めて声をあげた女性がいた。男も女も民衆には多くの権利がなかった頃、高知で女性参政権を求めて申し立てをした楠瀬喜多。江戸から大正にかけて生き、世界でも早い時期に声を上げた彼女は、板垣退助ら男性の民権家が活躍し、大きく動き出す時代のなかで、何を見て、何を感じていたのか――今のわたしたちの手のなかにある大切なものに気づかされる、著者初の評伝小説。
  • 小学館世界J文学館 日本の昔話
    -
    1巻880円 (税込)
    ※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 「ここをほりたい、ちんころりん」 日本の各地に伝わる昔話から50話を選んで収録。すべて日本各地で口伝で語られてきた原話から取って再話した、昔話集の決定版! 著名な昔話も、意外な展開に驚かされることも。収録作品=「十二支のはじまり」「さるとかにのもちあらそい」「鳥の王さま」「三枚のお札」「へっぴりよめご」「節分のはじまり」「一寸法師」「ねずみのむこえらび」「花をぬすんだ神さま」「お月お星」「つる女房」「ねずみのすもう」「ちんころりん」「うらしま太郎」「花のすきな殿さま」「したきりすずめ」「ホーラのマーヤ」「わらしべ長者」「へびむこいり」「娘とえがま」「とらとなめくじのかけっこ」「たなばたさんとおぎおんさん」「王女をとりかえした七人ののろ」「からすの神々の話をきいたオタスツ人」「ハンガイ森の兄妹」「日本一目にどっこいしょ」「へひりの番人」「おかねのはなし」「おまえが言うなよ」「うばすて山」「鬼のおたま」「ならなしとり」「ゆきおんな」「花さかじいさん」「ぴんぱらりん姫」「泰作さんのはなし」「村のはしの寝太郎」「竜宮の銭ひり犬」「食わず女房」「かさじぞう」「ぽったりもち」「おおみそかの火」「天からふんどし」ほか。(新編) ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • ちゃあちゃんのむかしばなし
    -
    「ちゃあちゃん」こと中脇初枝さんが、子ども時代を過ごした高知県四万十川流域に伝わる昔話を、どの地域に暮らす子にも楽しんでほしいとの願いを込めて再話。「かちかち山」「さるかに合戦」などおなじみのお話や、この地方ならではのお話など、時代を越えて愛されてきた昔話のなかから50話を選びました。いつの時代も小さく弱い者を見守り、励ましてきた昔話は、現代の子どもも、また大人をも魅了することでしょう。

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  • はじめての世界名作えほん 1 ももたろう
    3.0
    1~80巻660円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 どんぶらこ、どんぶらこと川かみから流れてきた大きな桃から生まれたももたろう。犬、さる、きじをつれて、鬼退治へとむかい……。 文章の文字は「教科書体」を採用し、漢字とカタカナには全てルビを配置。 「読み聞かせ」を卒業した「ひとり読み」にも最適。 児童文学者・西本鶏介氏による、親子ともにおはなしへの理解が深まる解説も収録。
  • 神の島のこどもたち
    4.3
    1巻924円 (税込)
    奇跡のように美しい南の島 そこには、もうひとつの戦争があった―― 空をゆく特攻機の下、激しい空襲にさらされ、 戦争の最前線となった沖永良部島。 それでもわたしたちは生きる、この小さな島で。 青い空を沖縄に向かって飛ぶ特攻機、天国のように美しい海には死んだ兵隊さんが浮かぶ。第二次大戦末期、小さな島沖永良部に暮らすマチジョーとカミは、大切な家族を失い、食料にも不自由する日々を過ごしていた。それでも唄い、恋をし、ひたむきに働き、生き抜く。南の島に刻まれた知られざる戦争の物語。
  • 小説現代 緊急特集 この災厄に思うこと
    5.0
    1巻165円 (税込)
    未曾有、といわれる災厄がひたひたとやってきた。 新型コロナウイルスによる感染症。 気がついたら世界中を覆っていたこの疾病を広めないためには、 今のところ人と人を遠ざけるしか手立てがない。 このような災禍の前で、言葉は、物語はどんな力を持つのか。 私たちはどう向き合って、どう乗り越えていくのか。 緊急特集として、十四人の表現者たちに それぞれの想いを書き下ろしていただいた。
  • 世界の果てのこどもたち
    4.4
    1巻924円 (税込)
    珠子、茉莉、美子――3人の少女は、戦時中の満州で出会った。何もかも違う3人は、とあることから確かな友情を築き上げる。やがて終戦が訪れ、3人はそれぞれの道を歩み始める。日本、中国で彼女たちはどう生きたのか。そして再び出会うことはあるのだろか――。2016年本屋大賞第3位に選ばれた、感涙の傑作、ついに文庫化。
  • 神の島のうた
    4.5
    1巻1,925円 (税込)
    沖永良部島で代々唄い継がれている島唄。段々と唄い継ぐ人がいなくなり、いまや消滅の危機に瀕している。同時発売の中脇初枝著の小説『神に守られた島』でも多くとりあげられているその唄の中から、特別に後世に残したい唄を、中脇初枝自身がチョイス。それに気鋭写真家・葛西亜理沙が沖永良部で撮り下ろした写真を載せる。"島"の原風景が見える、唯一無二の一冊。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • こんこんさま
    3.1
    1巻638円 (税込)
    「あたしの家、幸せにしてくれる?」お稲荷さんがあるために「こんこんさま」と呼ばれる屋敷に、末娘が連れてきた占い師。あやしい闖入者により、ばらばらだった家族が一転して――家族再生のものがたり。
  • 魚のように
    3.3
    1巻473円 (税込)
    ある日、高校生の姉が家を出た。僕は出来の悪い弟でいつも姉に魅かれていた。バラバラになった家族を捨てて僕も、水際を歩きながら考える。姉と君子さんの危うい友情と、彼女が選んだ人生について……。危うさと痛みに満ちた青春を17歳ならではの感性でまぶしく描く坊っちゃん文学賞受賞作(「魚のように」)。ほか、家庭に居場所のないふたりの少女の孤独に迫る短編「花盗人」を収録。
  • わたしをみつけて
    4.2
    1巻1,540円 (税込)
    誰かの仕打ちで、ひとは傷つく。 でも、ほかの誰かのひとことで、 生きていけるようになる。 施設で育ち、今は准看護師として働く弥生は、問題がある医師にも異議は唱えない。 なぜならやっと得た居場所を失いたくないから――。
  • きみはいい子
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    夕方五時までは家に帰らせてもらえないこども。 娘に手を上げてしまう母親。 求めていた、たったひとつのもの――。 怖かったのも、触れたかったのも、おかあさんの手だった。

ユーザーレビュー

  • 伝言

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    山も海もない地平線が広がる平地の続く旧満州帝国(中国東北部)で育ったひろみは、「ふるさと」を聞いて歌ったとしても、「ふるさと」の情景がぴんと来ない。五族協和と唱えながらも、そこで暮らす中国人を満人と呼ぶことに違和感を持たない。肉体労働や雑役をする人たちは日本人ではなく満人であるのが当たり前。
    女学校で、将校さんから指示されて大きな紙で何かを作らされていても、それが何かわからなくても、「軍事機密」と言われれば疑問を持つことも封じてしまう。
    うっすらと何かの兵器なのだと思っていても。

    終戦、というか敗戦で、関東軍はさっさと引き揚げてしまい、満州に残された人は、「満人」と呼ばれていた中国人からどれ

    #泣ける #深い

    0
    2025年10月29日
  • 伝言

    Posted by ブクログ

    残り半分を今日読んだぞい。何故にはかどるかというと古殿流鏑馬を初めて見たから たまるかぁ〜。731部隊の証言 風船爆弾と知らずに作った目が痛くてたとえ見えなくなっても お弁当におかずを埋めて音を立てずに食べる 青酸カリを持たされる の全てが今も受け継がれる勤勉な日本人の精神、同調圧力と同じこと。嫌悪感しかないけど自分もその時代に生まれていたらお国の為に全て捧げた筈。最後のあのとき無知だったわたしがしたこともしなかったことも、亡くなりはしないの言葉が1番グッときました

    0
    2025年10月12日
  • きみはいい子

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    きみはいい子

    どこにでもあるような郊外のある町の弱き者を巡る連作短編集。
    親からネグレクトされ暴行され、「親に抱きしめてもらう」という宿題ができない男の子。ママ友の前では笑顔なのに、家に帰ると娘に手を上げてしまう母親。一人住まいの老女と発達障害の男の子と母親との交流。虐待されてきた娘が認知症の母親を預かる話。
    弱き者の負った傷は、虐待の連鎖や孤独という形で続いていくのだということがわかります。
    どの話も心に染みる物語ですが、弱き者に寄り添う人たちがいることが救いです。

    竹蔵

    0
    2025年08月06日
  • きみはいい子

    Posted by ブクログ

    最初の一編から引き込まれた。
    学級崩壊を起こしてしまう新米教師。
    親から虐待され、我が子にも虐待を加えてしまう母親。
    どのシーンにも、覚えのある気持ちが重なった。

    なんだ、大丈夫じゃないか。
    そう思った僕が甘かった。(サンタさんの来ない家)

    ママは、子どもの時間に自分の時間を重ねて過ごすしかないんだから。(べっぴんさん)

    そして、私自身も「きみはいい子」と言われたかった時期があったかもしれない。
    それについてはっきりとは覚えていないけど、このタイトルがなぜか刺さる。

    0
    2025年05月16日
  • きみはいい子

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    映画から入って、原作を読みたくて買った本
    今取ろうとしてる資格を目指すきっかけのひとつになった作品
    特に印象に残ってるのは虐待の疑いがある男の子と先生の話だった
    映画でも原作でも最後先生が男の子のために行動したのかが分からず、読んだ後自分の中で考える余地がある話だった
    でも、私はあの先生は男の子のために介入したと信じてる
    全て読んだあとに「きみはいい子」というタイトルに涙が出てきた
    世の中の虐待を受けている子どもや受けてきた大人、障害のある子どもや大人はみんなちゃんと「いい子」
    この作品を読んだことで、虐待は悪で、虐待をする親が全て悪い、なぜこんなことをするのかという以前までの自分の考えが大き

    0
    2025年05月11日

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