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100年後のわたしたちが持っているもの。それを求めて声をあげた女性がいた。男も女も民衆には多くの権利がなかった頃、高知で女性参政権を求めて申し立てをした楠瀬喜多。江戸から大正にかけて生き、世界でも早い時期に声を上げた彼女は、板垣退助ら男性の民権家が活躍し、大きく動き出す時代のなかで、何を見て、何を感じていたのか――今のわたしたちの手のなかにある大切なものに気づかされる、著者初の評伝小説。
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Posted by ブクログ
喜多さんのような女性が頑張ってくれたので今がある。日本にとても素晴らしい人が居た事を知れてよかった。
現代(いま)を生きる者、全員必読。現代を生きる私達が、当たり前に享受しているものは全て、これまで生きてきた人達が作り上げてきてくれたものなのだという、それこそ当たり前のことをようやく理解しました。選挙権があることを『義務』だと思っていました。その選挙権を得る為に、必死に闘ってくれた人達がいる。『義務...続きを読む』ではなく『権利』だった。後世のために何かをしたいなど思ったこともなかった。そんな大それたことをできると思っていなかった。そんな私でも、身近な人からでもいい、今を生きる人の役に立つことで後世を生きる人達にとってより良い国に、世界になってほしいと心から思いました。そのひとつが選挙ですね。自分たちの国の方針に、自分たちの意見を反映させていく。次に投票に行くときは、自分が日本をどういう国にしたいのか真剣に考えて投票したい。この小説を通じて、こんな格好良い女性がいたことを知れて良かった。素晴らしい小説です。ありがとうございます。老若男女問わず、沢山の方に読んでもらえますように。
女であることを マイナスにしない 幕末の時代から いたんです。 いやもっと昔から きっといた そして今も
女性だからだめだということを 当たり前のように受け入れていた時代があった。 そんな中で、そうではないことに気づき、 世の中に働きかける人たちがいた。 その人たちのおかげで今の自分たちがいる。 選挙とは何か、 なぜ人々が、女性が、強く参政権を求めたのか、 すごく考えさせられた。
〈婦女は脳漿乏しく、嫁して夫に従うもの〉という暴論が罷り通る時代に、女性参政権を勝ち取ろうと声を上げ続けた楠瀬喜多の生涯を描いた大変な労作。いま当たり前のように誰もが享受している政治に参加する権利が、どれだけの声(封殺されたものも含めて)と血の闘いの上に成り立っているものであるか、読んでいて改めて思...続きを読むい知らされる。と同時に、令和になってもジェンダーギャップ指数の低い日本にとって、これは全く過去の話という訳でもなく、地続きの現在の闘いの姿でもあるのだ。自由と万民平等という同じ志の許に、互いをひとりの人間として捉え共に進む板垣退助との関係性は、誰一人として零れることの無い社会を目指す上で必要な形だろう。吹き荒れる逆風に総身を晒しながら、それさえも力にしてより高く舞い上がる勇敢な鳶たちの啼き声が胸に響く物語だ。
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