中脇初枝のレビュー一覧

  • 伝言

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    山も海もない地平線が広がる平地の続く旧満州帝国(中国東北部)で育ったひろみは、「ふるさと」を聞いて歌ったとしても、「ふるさと」の情景がぴんと来ない。五族協和と唱えながらも、そこで暮らす中国人を満人と呼ぶことに違和感を持たない。肉体労働や雑役をする人たちは日本人ではなく満人であるのが当たり前。
    女学校で、将校さんから指示されて大きな紙で何かを作らされていても、それが何かわからなくても、「軍事機密」と言われれば疑問を持つことも封じてしまう。
    うっすらと何かの兵器なのだと思っていても。

    終戦、というか敗戦で、関東軍はさっさと引き揚げてしまい、満州に残された人は、「満人」と呼ばれていた中国人からどれ

    #深い #泣ける

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    2025年10月29日
  • 伝言

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    残り半分を今日読んだぞい。何故にはかどるかというと古殿流鏑馬を初めて見たから たまるかぁ〜。731部隊の証言 風船爆弾と知らずに作った目が痛くてたとえ見えなくなっても お弁当におかずを埋めて音を立てずに食べる 青酸カリを持たされる の全てが今も受け継がれる勤勉な日本人の精神、同調圧力と同じこと。嫌悪感しかないけど自分もその時代に生まれていたらお国の為に全て捧げた筈。最後のあのとき無知だったわたしがしたこともしなかったことも、亡くなりはしないの言葉が1番グッときました

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    2025年10月12日
  • きみはいい子

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    ネタバレ

    きみはいい子

    どこにでもあるような郊外のある町の弱き者を巡る連作短編集。
    親からネグレクトされ暴行され、「親に抱きしめてもらう」という宿題ができない男の子。ママ友の前では笑顔なのに、家に帰ると娘に手を上げてしまう母親。一人住まいの老女と発達障害の男の子と母親との交流。虐待されてきた娘が認知症の母親を預かる話。
    弱き者の負った傷は、虐待の連鎖や孤独という形で続いていくのだということがわかります。
    どの話も心に染みる物語ですが、弱き者に寄り添う人たちがいることが救いです。

    竹蔵

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    2025年08月06日
  • きみはいい子

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    最初の一編から引き込まれた。
    学級崩壊を起こしてしまう新米教師。
    親から虐待され、我が子にも虐待を加えてしまう母親。
    どのシーンにも、覚えのある気持ちが重なった。

    なんだ、大丈夫じゃないか。
    そう思った僕が甘かった。(サンタさんの来ない家)

    ママは、子どもの時間に自分の時間を重ねて過ごすしかないんだから。(べっぴんさん)

    そして、私自身も「きみはいい子」と言われたかった時期があったかもしれない。
    それについてはっきりとは覚えていないけど、このタイトルがなぜか刺さる。

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    2025年05月16日
  • きみはいい子

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    ネタバレ

    映画から入って、原作を読みたくて買った本
    今取ろうとしてる資格を目指すきっかけのひとつになった作品
    特に印象に残ってるのは虐待の疑いがある男の子と先生の話だった
    映画でも原作でも最後先生が男の子のために行動したのかが分からず、読んだ後自分の中で考える余地がある話だった
    でも、私はあの先生は男の子のために介入したと信じてる
    全て読んだあとに「きみはいい子」というタイトルに涙が出てきた
    世の中の虐待を受けている子どもや受けてきた大人、障害のある子どもや大人はみんなちゃんと「いい子」
    この作品を読んだことで、虐待は悪で、虐待をする親が全て悪い、なぜこんなことをするのかという以前までの自分の考えが大き

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    2025年05月11日
  • 天までのぼれ

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    喜多さんのような女性が頑張ってくれたので今がある。日本にとても素晴らしい人が居た事を知れてよかった。

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    2025年04月30日
  • はじめての世界名作えほん 42 オズのまほうつかい

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    オズの魔法使いをむすこと読みたくて。何件も本屋さんで探し回ってやっと見つけたー!
    私が小さい頃に持ってたのとは違うシリーズみたい。ドロシーがこきつかわれるシーンをやたら覚えてたんだけども絵が違った。これはこれで、ドロシーが現代的な可愛い子でありです○
    私はウィキッドが好きすぎるので、魔女たちは本当は…とか、オズは…など思うところあるものの、こちらが原作だもんな!と自分に言い聞かせながら読んでいます笑

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    2025年04月22日
  • 世界の果てのこどもたち

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     これを読むと大人の始めた戦争で罪のない子供たちが苦しい思いをしなくてはならないって、すごく感じます。中国残留孤児については、一時よくテレビのニュースで言葉を耳にしたので、知っている言葉だと思っていましたが、これを読んで私は全然わかってなかったんだって思いました。在日朝鮮人についても同じです。早く戦争のない世界になってほしいと思います。

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    2025年03月01日
  • 天までのぼれ

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    現代(いま)を生きる者、全員必読。現代を生きる私達が、当たり前に享受しているものは全て、これまで生きてきた人達が作り上げてきてくれたものなのだという、それこそ当たり前のことをようやく理解しました。選挙権があることを『義務』だと思っていました。その選挙権を得る為に、必死に闘ってくれた人達がいる。『義務』ではなく『権利』だった。後世のために何かをしたいなど思ったこともなかった。そんな大それたことをできると思っていなかった。そんな私でも、身近な人からでもいい、今を生きる人の役に立つことで後世を生きる人達にとってより良い国に、世界になってほしいと心から思いました。そのひとつが選挙ですね。自分たちの国の

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    2025年02月25日
  • きみはいい子

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    うぅ…胸が苦しい…
    児童虐待をテーマとした五つのお話。
    どのお話にも心温まる部分はあるものの、リアルな虐待の様子が描かれていて呼吸困難になりそう。でもきっと、身の回りで起きていることで、しかももっとひどいこともあったりするんでしょうね…。
    虐待や貧困の連鎖はとても難しい問題だと思う。
    幸せと温かさが相続されていくような社会になっていくには、どうすればいいんだろう…。

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    2025年01月26日
  • きみはいい子

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    親からの虐待やネグレクト被害にあっている子どもがいて、その状況やそれが起きる背景について描かれている。苦しい内容。赤の他人が出来ることって何だろうか。児童相談所に通報してあとはお任せするとか短絡的なことでもなくて、ここに登場する大人たちのそっと見守る目が絶望の中のひとすじの希望に感じる。それがいいとか悪いとかって事でもなくて。

    名も無きどこかの誰かによって見守られている。ひとりぼっちにしない。今苦しんでいる子の周りにもそんな優しい世界があるといいなと祈らずにはいられない。一方で、現実はもっと残酷なはずとも思う。これは祈りの物語なのかもしれない。

    静かに深い良い文章だった。

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    2024年12月06日
  • 世界の果てのこどもたち

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    戦時中に満州で出会った三人の娘達の激動の人生

    以下、公式のあらすじ
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    戦時中、高知県から親に連れられて満洲にやってきた珠子。言葉も通じない場所での新しい生活に馴染んでいく中、彼女は朝鮮人の美子(ミジャ)と、恵まれた家庭で育った茉莉と出会う。お互いが何人なのかも知らなかった幼い三人は、あることをきっかけに友情で結ばれる。しかし終戦が訪れ、珠子は中国戦争孤児になってしまう。美子は日本で差別を受け、茉莉は横浜の空襲で家族を失い、三人は別々の人生を歩むことになった。
    あの戦争は、誰のためのものだったのだろうか。
    『きみはいい子』『わたしをみつけて』で多くの読

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    2024年11月25日
  • きみはいい子

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    ただ「泣ける」、それだけの本なら山ほどある。だが魂の内側に入り込んでそこの奥深くにある傷にそっと寄り添うような作品がいくつあるだろうか。
    「子供」と「大人」に焦点を当てたこの連作短編集は大人だって子供だし、子供だって実は大人の目線を持っている、という事を我々に突きつけてくる。
    虐待に教師の悩み、幼少期とは死ぬまで永遠に続く檻のようなものだ。本書を読んでもしかしたら自分自身もそうだという事に気付かされる方もいるかもしれない。
    この本はそれほどよく出来ている。
    収められた短編は粒揃いだが、その一つ一つがわずかな繋がりを見せてくる時、読者は初めて「全ては繋がっている」という世界に辿り着く。いい本だ。

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    2024年09月18日
  • はじめての世界名作えほん 32 たなばたのおはなし

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    ツッコミどころ満載の七夕のお話。

    牛何物?
    彦星下心丸見えじゃないか?
    娘、さすがに柄杓だけで川の水なくすのはむりだろ…

    私が知っている七夕のお話をもっと軽かった気がする。ある意味でリアルっぽいけど。

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    2024年06月13日
  • はじめての世界名作えほん 38 せつぶんのおはなし

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    好きな説で、納得いく(笑)
    ふく=福との考え方は真っ直ぐすぎる
    生き方をレクチャーされたような一冊で馬鹿にはできない

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    2024年01月26日
  • 世界の果てのこどもたち

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    2016年本屋大賞三位。
    過酷なエピソードばかりだったが、ラスト、また3人で穏やかにお茶を飲める、奇跡の様なひとときが眩しかった。

    入念に取材し、丁寧に紡がれた素晴らしい作品でした。

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    2023年11月01日
  • 神の島のこどもたち

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    方言を難しく感じてなかなか読めずにいたのですが、通勤時間を使って読み始めたら止まらなくなりました。

    沖永良部島に暮らす、こどもたちの物語。
    戦時中から始まり、終戦、戦後まで。

    「ヤマトゥ」と「沖縄」の間で、「日本」と「アメリカ」の間で、生きのびるためにそれぞれが選んだ道があって、何が良いとか悪いとかではなく、それぞれが精一杯であることをただ見守っている眼差しが感じられて。

    奄美大島とも、沖縄とも違う、沖永良部だからこその物語。
    いつか、沖永良部を訪れてみたいと思いました。

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    2023年08月04日
  • 世界の果てのこどもたち

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    これは良かった。
    初めて行きの電車で読み耽って降りそびれたくらい。(暑い中走って疲れたけど…)
    珠ちゃんとお母さんの感動の再会シーンだったから仕方ないよね。
    言葉も名前も顔も忘れてしまっても、やっぱり分かるものなんだね、そりゃそうだよね。

    日本で差別されていたよっちゃんと、中国で差別されたたまちゃんと、お嬢様だったのに家族を失い、施設暮らしだった茉莉ちゃんと。
    もしかして戦争がなかったら出会っていなかった3人。でも、戦争のせいで大変すぎる目にあった3人。
    八重ちゃんや武や、周りのいい人もいっぱい。でも名もない心無い人たちもやっぱりいっぱい。

    たまちゃん、日本に帰って来ないほうが良かったのか

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    2023年07月07日
  • はじめての世界名作えほん 24 うさぎとかめ イソップものがたり

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    上野動物園にある、うさぎとカメが飾られているいそっぷばしに興味を持ったので、購入。
    短いお話なので読むのが楽。
    物語の真意を知るのはいつ頃かなぁ?

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    2023年07月01日
  • きみはいい子

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    面白かったよ、自分の親がいかにまともだったかを思い知らされたし単にそれってラッキーなだけだったのかも。愛されて育った子はいい子に育つんだよなあ多分、愛されずに育った子供は絶望だろうなあ、かわいそうだよなあ。本当にクソな親に当たると性格や人生変わっちゃうよなあ。あるただ愛されたいだけなんよなあ。

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    2023年06月27日