中脇初枝のレビュー一覧
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ネタバレ生まれてすぐに捨てられ、高卒まで乳児院や児童養護施設、児童相談所ですごし、准看護師として11年勤務している主人公。
その主人公が、新しく入った師長(救急看護認定看護師と手術看護認定看護師を取得している)によって考え方がかわり、成長していく物語だった。
主人公が働く病院には、色々なスタッフや患者がいた。(診察時間より30分おくれて出勤する医者、道具のわたしかたが気に入らないと、すぐ道具をなげつける医者、手術中 しれっと看護師の臀部をさわるなどのセクハラをし、誤診で患者を死なせる院長、毎日見舞いにくる娘を自分が死ぬ直前まで罵倒し、娘をうつ病にさせる高齢者の患者など)実際の医療現場は、メディアに報 -
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ネタバレこういった原作がワンクールのアニメ化になってもいいと思うのだがなぁ。。(映画だと端折られるから難しい)
戦争の話やイメージはあるけれど 戦後どうだったかというのは割と知らない
昔
江戸川乱歩の「芋虫」を読んだときは設定に驚いたが当時はそういった人は勿論いただろうし
ちばてつや氏や赤塚不二夫氏による満州引き上げについて既読であったが 7割が亡くなったというのは凄まじい
また 関東学院 大岡川 黄金町など身近な地名での空襲
修学旅行が広島 沖縄とそれぞれ歴史を調べたけれど 自分の住む場所が戦時中どうだったかこそ知りたかったかも
また在日韓国人の歴史についても無知であった
中国や日本にいる間 -
Posted by ブクログ
珠子、茉莉、美子、
戦時中の満州で出逢った3人の少女。
一時の出逢いの後、それぞれの地で戦争に翻弄され、それぞれの道を歩む。
***ネタばれ***
満州で中国残留孤児となり、それまでの記憶をほとんどなくしてしまった珠子。
横浜に戻り、空襲で両親を亡くして戦争孤児となった茉莉。
朝鮮で生まれ満州を経て日本に渡り、在日朝鮮人となった美子。
3人の歩む道に、胸を張って前を向く姿に、
一時も目が離せない。
ただの戦争小説じゃない。
あの先の大戦をあらゆる角度から描き、戦争に翻弄された3人の少女が、戦後、どのような人生を辿ったのかまで描かれていて、彼女たちの人生を通して、生きるとはどういうことかを考え -
Posted by ブクログ
表題の「わたし」とは、一番はもちろん主人公を指すのでしょうが、作品内では、人知れず辛い思いを抱えている人が多く登場します。
院内の同僚から、患者さんまで。
主人公は本当の自分を認められたことがきっかけで、周りの評価を顧みずに行動できるようになります。
他社にどこまで踏み込んでいいのか、踏み込むべきか…
難しいテーマではありますが、それを今まさに迷っている人への後押しになる作品だと思いました。
孤児でなくとも、「いい子にならなきゃ」という強迫観念に押しつぶされることは往々にしてあります。誰しもあるのではないでしょうか。
そんな時、「わたしはわたし」という揺るぎない自分を持てることはとても幸せ -
購入済み
せつない
満洲国での生活から日本に帰って来てその後までの話。自分が生まれる数十年前にこんな経験をした人が本当にいる。マイナス30℃にもなる極寒の地。沢山の夢を抱いて渡った家族達は敗戦後生きて帰って来れたのは運が良かっただけ。日本に帰るためにどれだけ辛い思いをしたのだろう。持ち物を全部奪われ食べるものも無く殺されたり女の子は売られないように髪を全部切ってしまったり。救われたのは優しい中国人もいたということ。伯母から聞かされた話そのものの本でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ両親がいない弥生は施設で育ち、人から嫌われないよう捨てられないよう常にいい子で生きている。
施設を出ると住居を確保し手に職をつける為、准看護師になった。勤め始めた病院では医者から見下され疑問を持っても口には出せない。
上司が変わり藤堂師長の元で、病院の問題や看護師の仕事について考えるようになる。
弥生は近所で出会った菊地さんに心を開いた事で長年の苦しみから解放されていく。
そして、院長の誤診を許さない師長と共に行動に出る。
一歩一歩、強くなるために。そして患者さんを心で見て看護師にしか出来ない看護をするために。
生きていくために働く、そして信じる人に出会い苦しみの中から抜け出していく、読