中脇初枝のレビュー一覧

  • わたしをみつけて

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    こんなにも人の心の傷をやさしく描けるのは、中脇さんならでは。

    いわゆる”一般的”な子供時代を経ていない子供は、自己を確立し自分を保つためだけでも、極限に伸ばされた太く平べったいゴムを常に腰に巻きつけられ後ろから引っ張られているような状態のまま前に進んでいくという日常生活を送らなければならない。
    そのつらさは他人には見せないし、見られたくないものである。大人になったって、一番ありのままの自分を受け入れてほしい、受け入れられなきゃならない時代に受け入れてもらえなかった寂しい思いを隠して生きている。大人になってから人にありのままの自分を受け入れてほしいと求めるのはエゴだということもわかっているからこそ、そんな子供時代に思いを馳せる。

    「あなたは、自分で自分を育てたのね」
    「あなたは、上手に自分を育てたわね」

    という藤堂師長の言葉。
    病院が舞台であるため人の死が随所に描かれており、都度感情移入しがちになってはいたが、この言葉を読んだとき、公共の場で読んでいたにも関わらずドッと涙があふれ出た。

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    2018年04月26日
  • わたしをみつけて

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    見えなくていいものもある

    気付かなければ見えないものもある

    何を選ぶかは人それぞれなのだろうけど

    よいものを受け取る感度の高い人は幸せだろうなーと思った。
    その感度が高い人は、
    真っ直ぐな愛情をたっぷり受けてきた人
    もしくは
    後天的に気づくことができた人

    どちらにしても自分で自分をきちんと認めることが大切なのかなあと。
    そのためには、他者の優しさの積み重ねと手放しで存在自体を認めてくれる人が必要不可欠なのかな。

    小さな善意に気づけるようにありたいなあと。
    気付かなければ見えない優しさを持てるようになりたいなあと思う。

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    2024年11月13日
  • きみはいい子

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    ネタバレ

     多元焦点の物語で、主に虐待をしたりされたりする人たちの目線に立って書かれた本。
    結構ショッキングな内容が多々あったため、正直読み進めるのが難しい時もあった。
     やっぱり一貫しているなと思ったのは、虐待をしてしまう人々は何らかの暗い過去を持ってる人が大半だということ。例えば、親から虐待をされてた人、無視されてた、怒られまくったなど。それを繰り返してしまうのは、その環境しか知らないから、無意識のうちに親からの教育方法を受け継いじゃってるのかな。あと自分の子供が幼い頃の自分と重なることで、腹立たしくなることがあるのかもね。私は小さい頃、親に叩かれながらちゃんとしたのにお前はその程度もできない人間なのかと比較するような。
     そして虐待をやめるのはやっぱり、してる人の辛い気持ちに寄り添うことだと思う。はなちゃんママのようにピアサポートであやねちゃんママは肩の緊張がほぐれたような感じがした。あやねちゃんママのように虐待することへの抵抗と反射的に手が出てしまう葛藤に悩んでる人も一定数いる。
    そんな人たちの苦しさや虐待され続けてる人たちへの支援に携わる様々な専門職の人の支援方法について詳しく知りたいと思った。

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    2026年10月15日
  • 愛子さん

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    ネタバレ

    軍人には(戦犯とされた軍人にも)恩給が出るのに、一般の戦争被害者には何の保障もない。ドイツでは広く一般の人たちまで保障されているのに。
    これは知っていた。日本酷いなと思っていた。でも「愛子さん」を読むまで、その、一般の戦争被害者の方達の、辛さも悲しさも悔しさも想像できていなかった。
    愛子さんがかけられた言葉「戦争やからしょうがない」これを言ってしまったらあかん。
    そして「しょうがないね。戦争になっちゃったけど」ということがありませんように。

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    2026年09月19日
  • 世界の果てのこどもたち

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    私が子供の頃、同じ区内に朝鮮学校があって
    みんな意味も分からずそこに通う子供達のことを馬鹿にしていた。
    どんな人かも分からず、ただ周りの雰囲気でだと思う。

    自分がよその国で暮らさなくてはならなくなって、その地で同じ目にあったら?

    そんな想像力もなく。

    歴史の勉強をすることも大切だけど、
    この小説を読むことで深く考えることができる人に一歩近づけるのではないだろうか。

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    2026年09月17日
  • 愛子さん

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    せっかく戦争を生き延びても、全然幸せになれないまま80才になった愛子さんの話。こういう方も、沢山居られたのだと思う。

    戦後補償のこと、あまり知らなかったので調べたところ、日本では民間人に対する補償が全くなかったのに対し、同じ敗戦国のドイツやイタリアでは、軍人だけでなく民間人にも、国が医療や年金などの補償をしたそう。

    侵略や植民地支配により、アジアの国々に多大な損害と苦痛を与えたことも忘れてはならない。

    より戦争しやすい国になっていかないよう、出来ることはしなければ!

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    2026年09月14日
  • 世界の果てのこどもたち

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    戦時中の満洲でほんの一瞬すれ違った日本に縁のある3人の少女たち。それぞれの戦中戦後を生き抜く姿は、あまりにも苦しいが力強さも。
    少しだけ、パール・バック『大地』に通じる雰囲気を感じました。
    最終盤、それまでの丁寧な描写から、物語の展開が急ぎ足に感じてしまう点のみ残念に思いました。

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    2026年09月13日
  • わたしをみつけて

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    面白かった!!夢中で読んだ!
    似た経験はしたことが無いから心から理解するのは難しいと思うけど、世の中には良い人も居れば、どうしようも無いクズみたいな人間も居るなと、改めて思った。なんでなんだろう。
    自分を誇れる自分で居たい。

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    2026年09月03日
  • 天までのぼれ

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    2026.8 明治維新後の明治政府は板垣退助も伊藤博文も両名ともお札に描かれたように有名人は多いがみな評判の悪い人たちばかりで、女性参政権の問題含めて政治面では苦労の多い時代だったんだなぁと改めて思いました。経済となると解放されて生き生きとした時代として描かれるのと対照的です。

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    2026年08月27日
  • 伝言

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    読みづらい漢字が多かったり、高知弁が読みづらかったりで止まり止まりだったけど
    今、この時代に読んでおいて良かった。

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    2026年08月24日
  • きみはいい子

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    確かSNSで見て気になり読みました!
    読んで良かったです!
    かなり久しぶりに本を手に取ったので、最後まで読めるかなと少し不安でしたが、凄く分かりやすい内容でするすると読めました。
    人の感情が、作品の風景が、映画のように見える小説で、とても良かったです。
    苦しい中にも幸せがあり、真っ暗の中にも一筋の光が見える、そんな作品でした。
    出会えて良かったです。
    中脇初枝さんの作品は他の本も読みたいなと思います。

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    2026年08月17日
  • 天までのぼれ

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    幕末から大正にかけて、女性、おなごの権利獲得のために尽力した喜多の一生。教科書で名前を知っている人が多数出てくる。板垣退助は「板垣死すとも自由は死なず」しか知らなかった。その時代、「自由」という言葉は民衆の希望だった。今の感覚と違う。伊藤博文を始め、女性を無能と決めつけているその時代の男たちに驚き、反吐が出そう。またその頃芽生えた人はみな平等という思想がまだ実現しきれていないことにめまいを覚えた。

    説明的な描写や登場人物が多く、読みやすい本では無かった。でも現在の男女同権の礎を築いた重要な出来事を、私はきちんと知るべきなのだと思った。

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    2026年07月02日
  • 愛子さん

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    戦争もの。

    <穴の中の戦争>
    戦争が集団を狂気に至らしめる。犬の拠出。金物の拠出。国債の買い入れ。無謀な勇気。主に防空壕をめぐる話。最後、セミの姿にいのちの強靭さを象徴させている。

    <愛子さん>
    こちらは前作に比べると段違いにすごい作品。恨みや絶望がこれでもかと胸に迫る。結末も納得がいく。戦争もあるけど、国家もあるけど、なにこの理不尽さ。人生とはそういうものだけど、ガチャとか可愛い言葉では片付けられない現実。

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    2026年06月28日
  • 愛子さん

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    空襲で破壊された家々や鉄路も、怯えながら篭った防空壕も戦争が終わればやがて修復と埋め戻しによって以前の姿へと戻されてゆく。それは人々がそこで生活を続けていく以上必要なことではあります。けれど同時に、ほんの少し前まで生傷であったものが、ある日を境にただの痕跡として淡々と処理されるものに変わってしまう戦後という時間に対して、私はどうしても言葉ではうまく表せない蟠りを抱えてしまう。そしてその時間の流れの中で何より悲しく苦しいのは、街がどれほど直され整えられても、戦時下の空気という真に無意味な暴力に毟られ、抉られ、踏み潰されて空けられた心の空洞へは誰も責任を取ってくれず、戻してもくれないということです。終わりを迎えても本当には終わらない戦争をいま新しく始めない為のアクションをこの先も国には選択し続けて欲しいし、私という個人のレベルでも声をあげていきたい。たとえそれが小さくても。

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    2026年06月11日
  • きみはいい子

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    先生の話は心が苦しくなりました。先生って本当に大変。おばあちゃんの話は続きも読みたいですね。短編だと思わずに読みましたがなんとなく繋がっていて、その繋がりがわかるのも面白かったです。

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    2026年02月14日
  • 伝言

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    満州で少女たちが言われるがままに作っていたもの…それが風船爆弾だったことを何十年と経った後に知る。

    知らなかった満州での出来事に驚き、何も知らずにいたことを恥じる気持ちになる。
    戦争というものは、男たちのものだったから、女や子どもは何もできないと思っていたが、兵器づくりに加担し、ときには植民地の支配者としての立場を享受し、ときには、無自覚に人を傷つける。

    このことを忘れないように、もう二度と同じ思いをする人を、二度とこの世界に生まないように、それが「伝言」だった。



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    2025年12月04日
  • 天までのぼれ

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    女であることを マイナスにしない
    幕末の時代から いたんです。
    いやもっと昔から きっといた

    そして今も

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    2025年07月19日
  • 天までのぼれ

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    女性だからだめだということを
    当たり前のように受け入れていた時代があった。
    そんな中で、そうではないことに気づき、
    世の中に働きかける人たちがいた。
    その人たちのおかげで今の自分たちがいる。

    選挙とは何か、
    なぜ人々が、女性が、強く参政権を求めたのか、
    すごく考えさせられた。

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    2025年06月29日
  • 世界の果てのこどもたち

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    ネタバレ

    戦時中の3人の女の子の物語。満州で出会い、別れ日本と中国でそれぞれの道を歩む。茉莉にとって、もう二度と戦争をしないということは、もう二度と、母や父たちが焼き殺されたりしないということだった。そんなことを子供に思わせてしまう。恐ろしい。ただただ恐ろしくて、悍ましい。それが戦争ということを思い知らされる。そして、異国から戦争の為に移らせれ暮らすこと。その難しさも。
    力のない子どもに、戦争は容赦がない。そんな戦争がもう二度と起きてはならない。

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    2025年06月16日
  • 世界の果てのこどもたち

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    もう少しほのぼのした物語だと思ったから読み進めるのが辛くなるくらいに戦争による悲惨な物語だった。中国、朝鮮、日本と国をまたがって少女時代に出会った3人の生き様を体感したような気分になった。後半に伏線が回収されていくのでもう一度サラッと読み流していた前半を再読したくなった。戦争という黒歴史の現実を知り教科書では知り得ないものを得た気がする。

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    2025年06月02日