中脇初枝のレビュー一覧
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9歳の「さち」という少女。
家族から疎まれている少女だ。
さちは、自分が疎まれていることに気付いていて、北鎌倉の古い自宅で、こっそり身を潜めるように暮らしている。
さちなりに、自分の家族、家をよくしたい、幸せにしてほしいと純粋に思っていたんだろうなぁ。
旭山の登場からドロン!までのお話は、まるで落語のようだった。
騙されたことで付き物が落ちたのか、同じ経験を共有したことで気が緩んだのか、最後は家族みんなが笑い合えてほっとした。
さちの名前の由来。愛らしくとか美しくとか、そんな大それたことでなくて良い、ただ幸せであるように、という都のささやかな願い。
親が考える幸せはなくても、押し入れの中で寝 -
Posted by ブクログ
心にずしっとくる重たい内容だけど、読みやすいやさしい文章。
弥生さんは藤堂師長と出会えてよかった。
生まれにより確かに格差は生じるけど、さらにその後に出会った人たちの影響で自分自身や人生は大きく変わっていく。
弥生さんが小さい頃に出会った幸子さんのように、就職してから出会った藤堂師長や菊地さんのように、きっと自分も知らないうちに誰かから幸せを願われているのだろう。
しかし、この院長の病院では絶対に手術したくないな。
医師も人間だし、だからこその人間らしさだとわかるけど、患者としては命がかかってますし。
藤堂師長が最初に出会った医師のような人に診てもらいたいな…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ呪縛から解き放たれた弥生の強い願いに、一緒になって願い祈る。
病院を少しでも良くするために、まだこの病院に残って頑張りたいという弥生の信念はすごいとは思うものの、こんな看護師を見下した医療事故を繰り返す糞みたいな院長がいる病院の体制はそうそう変わらない。弥生がどんなに奮闘しようと、病院が良くなって院長が改心するとは思えない。こんな病院とっとと辞めて藤堂師長について行っちゃえば良いのにと思うけど、今ここにいる患者さん達を、未来の患者さん達を彼女は見捨てることができないんだろうな。
「あなたがたのいる場所は、いつも、患者のそばよ。」去り際に看護師達にかける激励の言葉の温かさと力強さに、背中を押 -
Posted by ブクログ
家族の気持ちがバラバラになってしまった三河家。
まだ9歳のさちは家族の目につかないように身を隠すことを覚え、お母さんに当たられても無表情で姿を消し1人で声を殺して泣いていた。
自分の部屋のないさちが、どこで寝ているのかを誰も知らないという状況だった。
そんな三河家を再生させるには何が必要だったのか?
物語の中ではいろんなことが起きるけど、全てを動かしたのはお正月の朝だった。
さちが着物を着たその瞬間、お母さんはまっさらな気持ちでさちを見たんだと思う。
さちを疎ましく思っていた理由を抜きにして1人の娘として。もしかしたら初めて。
親子に限らないけれど、この子はこういう子だという印象はなかな