中脇初枝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【2025年120冊目】
祖母による絶対の支配下にあった家族は、彼女の死後バラバラになってしまった。一年ぶりに家に帰ってきたはなは、妹であるさちに再開する。偶然にも家を出ていた父親も帰宅し、祖父と母と偽りの家族の姿を保ったまま生活を再開する。家族が壊れてから生まれたさちは、密かに責任を感じていて――。
緩やかな再生への道を歩み始めた家族の物語。登場人物全員に「何かしらありそうだ」と思わせながらも、はっきりとそれがわかるのは易者の男くらいかもしれません。祖父も父も母もはなも、そしてさちもたっくんも、その深淵を覗けないままに物語は終了しますが、騙されていたにもかかわらずなぜか明るい展開になっているのが不思議でした。
読み終わってから中脇さんの2作目ということで、文章にもどこか初々しさがあったことに得心がいきました。短時間で読めるのでふわりとした小説の世界に入りたい時におすすめです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ色々な家庭・色々な人達の虐待をテーマにした物語だった。
担任をしたクラスは必ず学級崩壊してしまう新任教師と家で まともに食事を与えて貰えない男子児童。
外出先では愛想をふりまいて、いい人を演じながら子供が親の言うことを聞かなかったり、人の迷惑になったこと等を全て記憶し、帰宅したら、子供の失敗の数だけ虐待をする母親。
シングルファザーだった頃は、そんなことなかったのに、再婚した途端に虐待をする父親。
小さい頃、何かあるとすぐに手を出した母。(文字や数字を言い間違えただけで、お湯の中に頭を突っ込まれたり、自分は散々虐待を受けてきたのに妹には一切虐待されなかったり、テストで70点を取っただけなのに首をしめられたり、目に砂が入った時は目を無理やり こじあけて目を舐められたりされた)
そんな母親が認知症になった途端、自分の娘のことも、一切忘れてしまった。などの物語だった。
虐待されている人達に対して、「君はいい子」と言っているのだなと感じた。
この作者の本を以前何冊か読んだことがあるが、どの本も必ず読み終わった後は、切ない気持ちになるなぁと思った。 -
Posted by ブクログ
備忘録として
はじめての世界名作えほん全80巻
01 ももたろう
02 三びきのこぶた
03 にんぎょひめ
04 おむすびころりん
05 あかずきん
06 おおきなかぶ
07 かちかち山
08 ありときりぎりす 〜イソップものがたり〜
09 花さかじいさん
10 ジャックとまめのつる
11 うらしまたろう
12 おおかみと七ひきのこやぎ
13 シンデレラ
14 つるのおんがえし
15 かさじぞう
16 金のがちょう
17 十二支のはじまり
18 ちからたろう
19 しあわせなおうじ
20 ラプンツェル
21 きんたろう
22 ヘンゼルとグレーテル
23 ねむりひめ
24 うさぎとかめ 〜イソップものがたり〜
25 かぐやひめ
26 三びきのくま
27 ブレーメンのおんがくたい
28 ねずみのよめいり
29 こぶとりじいさん
30 しらゆきひめ
31 いっすんぼうし
32 たなばたのおはなし
33 ゆきの女王
34 かもとりごんべえ
35 かえるのおうさま
36 さるかにがっせん
37 こびとのくつや
38 せつぶんのおはなし
39 へっこきよめさま
40 ふしぎの国のアリス
41 みにくいあひるの子
42 オズのまほうつかい
43 三まいのおふだ
44 まんまるパン
45 フランダースの犬
46 わらしべちょうじゃ
47 ハーメルンのふえふき
48 小公女
49 三ねんねたろう
50 びじょとやじゅう
51 おやゆびひめ
52 ピーター・パン
53 てんぐのかくれみの
54 ながぐつをはいたねこ
55 アラジンとまほうのランプ
56 あおいとり
57 ぶんぶくちゃがま
58 はくちょうのみずうみ
59 うりこひめとあまのじゃく
60 ピノッキオのぼうけん
61 はだかのおうさま
62 そんごくう
63 いなばのしろうさぎ
64 みつばちマーヤのぼうけん
65 したきりすずめ
66 アリババと40人のとうぞく
67 はくちょうのおうじ
68 ならなしとり
69 くるみわりにんぎょう
70 ゆきおんな
71 マッチうりの少女
72 一休さん
73 あかいくつ
74 ねずみのすもう
75 アルプスの少女ハイジ
76 金のおのと銀のおの 〜イソップものがたり〜
77 おうさまの耳はろばの耳
78 びんぼう神とふくの神
79 ガリバーりょこうき
80 三びきのやぎ -
Posted by ブクログ
ネタバレかつて自分を加害してきた存在が、老いて無垢な存在になってしまった時。ぶつける先を失った感情はどこへやればいいのか。
あれが嫌だった怖かった許せない。けれど加害者側はそれを忘れていて、自分が大人で親であることすら忘れていて、かつての怒りをぶつけた所で今度はこちらが加害者になるだけ。
たった一つの優しい記憶を繰り返し再生して、これからも生きていく。それは希望のようにも見えるけれど私には逃避と自己暗示にしか思えなかった。
けれどそうでもしないと生きていけないのは、加害者が親だから。唯一無二の存在だから。あれがしてほしかったこれがしてほしかった愛してほしかった。それが叶わなかったから、最後の最後に思い出したたった一つの優しい記憶を頼りに生きていく。
親という呪縛。何処までも前向きで後ろ向きなラスト。
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・文章が淡白なのに読みづらい
・母に「かよちゃん」と呼ばれるシーンは泣いてしまった。
・べっぴんさん。子供に手を上げる側の気持ちが痛いほど伝わってきて苦しかった -
Posted by ブクログ
ネタバレ描写があまりに辛くて読めない。けれど、読まないといけない。どれだけむごいことか、知らない世界を知って、もう二度と起こしてはいけないと心に刻まないといけない。
日本に戻って、空襲で家族を亡くして孤児となった茉莉。
人買いに攫われ、日本人であることを忘れ、中国人として生きていくこととなった珠子=美珠。
故郷は分断され、在日朝鮮人として過ごすほかなくなった美子。
三者三様、どの道もつらい。
私たち、特に日本人はすぐに「〇〇人」と言いたがるけれど、これを読めば、それがいかに人を傷つけるかが分かります。自分のルーツは自分だけが知っていればいい。どんな人でも幸せに生きるべき。
もう一度読むのはしんどいです。でも、見ずにいたことに目を向けるきっかけになりました。 -
Posted by ブクログ
9歳の「さち」という少女。
家族から疎まれている少女だ。
さちは、自分が疎まれていることに気付いていて、北鎌倉の古い自宅で、こっそり身を潜めるように暮らしている。
さちなりに、自分の家族、家をよくしたい、幸せにしてほしいと純粋に思っていたんだろうなぁ。
旭山の登場からドロン!までのお話は、まるで落語のようだった。
騙されたことで付き物が落ちたのか、同じ経験を共有したことで気が緩んだのか、最後は家族みんなが笑い合えてほっとした。
さちの名前の由来。愛らしくとか美しくとか、そんな大それたことでなくて良い、ただ幸せであるように、という都のささやかな願い。
親が考える幸せはなくても、押し入れの中で寝ていても、さちはさちなりに幸せなのではないかと私は思った。たっくんと夜中ふらふら散歩したり、そういうちょっとしたことで幸せを感じていたのではないかな。
家が居心地悪くても、外で楽しみをみつけてくる、子どものそういう逞しさを、さちから感じた。
中脇初枝さんのお話の、小さな子どもに対する視点がとても好きだ。