中脇初枝のレビュー一覧

  • 世界の果てのこどもたち

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    戦時中、満州で出会った3人の少女を巡る話です。

    高知から家族とともに来た珠子、朝鮮人の美子、横浜から来た茉莉。
    国籍を超えた友情で結ばれる少女たちですが、戦争が激しさを増すにつれ日本は追い詰められていき…
    3人はそれまで想像もつかなかった人生を送ることになります。

    珠子は終戦後中国戦争孤児に、美子は日本で朝鮮人差別を受け、茉莉は空襲で家族を失い…
    戦争という誰も逃げられない苦しみの中、必死で生き抜いた少女たちの人生とは。そして失った物と、そこから得た物とは?

    日中韓の関係の悪さは今でも度々問題になっていますが、この本を読んだらその理由が分かるかと思います。
    フィクションですが史実を基にし

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    2020年11月23日
  • わたしをみつけて

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    ネタバレ

    先日の「きみはいい子」とバックグラウンドが同じ。お父さんの虐待から救われた子は、学級崩壊をしてしまった男の先生が救ったのだと思う。

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    2020年02月25日
  • わたしをみつけて

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    捨て子だった准看護師の弥生。
    いい子じゃないとそこに居続けることができない。
    だからいい子であり続ける。
    居場所を失いたくなくて。
    わかりすぎる。弥生ほどじゃないけど似たような境遇だったから。

    でも弥生は出会った心温かい菊池さん、
    藤堂師長に、
    「だれかが私を見てくれていた」ことに気づかせてもらえた。
    わたしはわたし。
    いい子でもわるい子でもない。
    わたしはわたし。
    弥生の気づきに涙が止まらなかった。
    そして自分も気づかせてもらえた。
    素晴らしい1冊に出会えたことに感謝。

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    2019年07月04日
  • きみはいい子

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    短編集なんだけどどれも心にズシッとくる。
    それは私も継母に虐待に近いことをされていたからか。
    とくに今でいう虐待の連鎖とワンオペ育児の
    「べっぴんさん」
    かつて虐待された母親が認知症になり
    過去の記憶と向き合う「うばすてやま」
    作者もそんな経験があるのか?と思うぐらい
    描写がうまくて、そして自分の経験とシンクロして
    心が苦しくなった。
    でも昔を乗り越えた今、つかんだ幸せがある。
    小さかった自分を抱きしめてあげたいと思った。

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    2019年06月27日
  • わたしをみつけて

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    ネタバレ

    『きみはいいこ』の続編ということで手に取った一冊。

    いずれも、「いい子」がキーワード。
    いい子でなければ愛されない、いい子でなければ必要とされないことが怖くて苦しかった子供時代。今もやっとのことで手に入れた居場所を失いたくなくて、いろんなことを飲み込んでそこにしがみついている主人公の弥生。
    いい子じゃなくても自分は自分。大それたことじゃなくても、今いる場所ですべきことをやっていくことが大事なんだ。無理していい子にならなくてもいいんだよ、と教えてくれた藤堂師長と菊池さん。自分を見つけてくれた人、自分を認めてくれた人との出会いが、弥生自身が自分を認め、いい子でもなんでもないありのままの自分として

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    2018年12月14日
  • 世界の果てのこどもたち

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    戦時下の満州で出会った出自の違う3人の少女。
    終戦を迎え、それぞれが数奇な運命を辿ることになる。

    再読。

    満州からの引き上げ時に残留孤児となった珠子、
    日本に渡り在日朝鮮人として生きることになった美子、
    家族を空襲で失い戦争孤児となった茉莉。

    10歳にもならない子供の辿ることになった運命は、想像を絶するもの。
    戦争に翻弄され、その被害者となった子供たちが沢山いた事を忘れてはいけないと思います。

    多くの人が読でもらいたい本、
    私も今後何度も手に取ると思います。


    2021/11/06

    再々読。
    満州開拓団、中国残留孤児、在日朝鮮人、戦災孤児。
    満州で出会った3人の少女は、それぞれの場

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    2018年10月16日
  • 神の島のうた

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    中脇初枝さんの小説『神に守られた島』の舞台になった沖永良部島の写真集。代々唄い継がれている島唄が取り上げられている。
    小説と合わせて観ると、とても感慨深いものがある。

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    2018年09月27日
  • わたしをみつけて

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    『施設のものはみんなのものだった。
    そんなこと知っていた。一度だけ、ほんとの気持を言ってみただけだった。
    その一度きりで、自分がいい子じゃなければ、受け入れてもらえないことを知った。
    だからこわかった。』

    「名づけは親の最初の暴力みたいなものだし。 - つけられた名前で生きていかなきゃいけないんだから。」

    「心臓のことはいつもほめてたわ。よく何十年も休まずに動いてるよねー、えらいねーって。彼女の話をきいていると、なんだか、自分の臓器が動いて、自分が生きているだけで、自分がえらいような気がしたものよ。」

    「人生の総決算よね、入院と葬式は。 - そよひとが今までやってきたことがみーんな出る。

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    2018年07月21日
  • わたしをみつけて

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    こんなにも人の心の傷をやさしく描けるのは、中脇さんならでは。

    いわゆる”一般的”な子供時代を経ていない子供は、自己を確立し自分を保つためだけでも、極限に伸ばされた太く平べったいゴムを常に腰に巻きつけられ後ろから引っ張られているような状態のまま前に進んでいくという日常生活を送らなければならない。
    そのつらさは他人には見せないし、見られたくないものである。大人になったって、一番ありのままの自分を受け入れてほしい、受け入れられなきゃならない時代に受け入れてもらえなかった寂しい思いを隠して生きている。大人になってから人にありのままの自分を受け入れてほしいと求めるのはエゴだということもわかっているから

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    2018年04月26日
  • わたしをみつけて

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    「わたしはいい子」が余りにも辛すぎて
    だからその分だけ
    この本の感動があったのかと。

    捨て子であった主人公が
    いい子と隣り合わせで持つ心情に押しつぶされそうになりながらも
    人との出会いで少しずつ変わっていく。

    言葉にしてしまうとこんなに薄っぺらくなってしまうけれど
    とても感動的なお話だった。

    医療に対する責任、人としての責任。
    生きていく以上はしっかりと自覚していかなくてはと
    自分自身にも警鐘となる部分もあったかな。

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    2016年08月15日
  • わたしをみつけて

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    見えなくていいものもある

    気付かなければ見えないものもある

    何を選ぶかは人それぞれなのだろうけど

    よいものを受け取る感度の高い人は幸せだろうなーと思った。
    その感度が高い人は、
    真っ直ぐな愛情をたっぷり受けてきた人
    もしくは
    後天的に気づくことができた人

    どちらにしても自分で自分をきちんと認めることが大切なのかなあと。
    そのためには、他者の優しさの積み重ねと手放しで存在自体を認めてくれる人が必要不可欠なのかな。

    小さな善意に気づけるようにありたいなあと。
    気付かなければ見えない優しさを持てるようになりたいなあと思う。

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    2024年11月13日
  • 伝言

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    満州で少女たちが言われるがままに作っていたもの…それが風船爆弾だったことを何十年と経った後に知る。

    知らなかった満州での出来事に驚き、何も知らずにいたことを恥じる気持ちになる。
    戦争というものは、男たちのものだったから、女や子どもは何もできないと思っていたが、兵器づくりに加担し、ときには植民地の支配者としての立場を享受し、ときには、無自覚に人を傷つける。

    このことを忘れないように、もう二度と同じ思いをする人を、二度とこの世界に生まないように、それが「伝言」だった。



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    2025年12月04日
  • 天までのぼれ

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    女であることを マイナスにしない
    幕末の時代から いたんです。
    いやもっと昔から きっといた

    そして今も

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    2025年07月19日
  • 天までのぼれ

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    女性だからだめだということを
    当たり前のように受け入れていた時代があった。
    そんな中で、そうではないことに気づき、
    世の中に働きかける人たちがいた。
    その人たちのおかげで今の自分たちがいる。

    選挙とは何か、
    なぜ人々が、女性が、強く参政権を求めたのか、
    すごく考えさせられた。

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    2025年06月29日
  • 世界の果てのこどもたち

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    ネタバレ

    戦時中の3人の女の子の物語。満州で出会い、別れ日本と中国でそれぞれの道を歩む。茉莉にとって、もう二度と戦争をしないということは、もう二度と、母や父たちが焼き殺されたりしないということだった。そんなことを子供に思わせてしまう。恐ろしい。ただただ恐ろしくて、悍ましい。それが戦争ということを思い知らされる。そして、異国から戦争の為に移らせれ暮らすこと。その難しさも。
    力のない子どもに、戦争は容赦がない。そんな戦争がもう二度と起きてはならない。

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    2025年06月16日
  • 世界の果てのこどもたち

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    もう少しほのぼのした物語だと思ったから読み進めるのが辛くなるくらいに戦争による悲惨な物語だった。中国、朝鮮、日本と国をまたがって少女時代に出会った3人の生き様を体感したような気分になった。後半に伏線が回収されていくのでもう一度サラッと読み流していた前半を再読したくなった。戦争という黒歴史の現実を知り教科書では知り得ないものを得た気がする。

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    2025年06月02日
  • はじめての世界名作えほん 27 ブレーメンのおんがくたい

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    童話もよんであげたいなー!とブレーメンのおんがくたいでさがしました!
    おなじブレーメンのおんがくたいで探しても、
    なかなか文書がながかったり、絵が興味を示さなそうだったりでどうしようかと思っていましたが、こちらのえほんは、文章も短く、絵もはっきりしていて、うちのこたちちゃんとお話を聞いてくれました♡

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    2025年03月12日
  • 天までのぼれ

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    〈婦女は脳漿乏しく、嫁して夫に従うもの〉という暴論が罷り通る時代に、女性参政権を勝ち取ろうと声を上げ続けた楠瀬喜多の生涯を描いた大変な労作。いま当たり前のように誰もが享受している政治に参加する権利が、どれだけの声(封殺されたものも含めて)と血の闘いの上に成り立っているものであるか、読んでいて改めて思い知らされる。と同時に、令和になってもジェンダーギャップ指数の低い日本にとって、これは全く過去の話という訳でもなく、地続きの現在の闘いの姿でもあるのだ。自由と万民平等という同じ志の許に、互いをひとりの人間として捉え共に進む板垣退助との関係性は、誰一人として零れることの無い社会を目指す上で必要な形だろ

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    2025年03月13日
  • 神の島のこどもたち

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    沖縄から60キロ離れた、奄美の沖永良部島。第2次大戦から戦後まで、沖縄戦に寄り添い最後まで生き抜いた人たち。その子ども達から見た、戦争の悲惨な記録と、愛情と友情の物語。多くを学びました。

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    2025年02月28日
  • 世界の果てのこどもたち

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    2016年本屋大賞3位。第2次大戦中に満州で出会った3人の女の子たち。その後生き別れ、苦悩しながら懸命に生きる姿を描く。フィクションではあるが、膨大な調査をもとに、戦争の真実を語り継ぐ貴重な1冊。

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    2025年02月05日