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Posted by ブクログ
空港という場所、飛行機という乗り物が大好き。広くて清潔でサービスが行き届いていて、何人もの人生が交錯していて、飽きることがない。
その背後には、あらゆる国のあらゆる航空会社のあらゆる社員、管制官が「安全に人とモノを運ぶ」という一つの目的のために陰に日向に働く姿がある。
そのはずなのに、という物語。
やっぱり山﨑豊子の社会ものが大好き。引き込まれる。
労働組合のあたりは、自分の職場の組合と対比しながら読んだ。
うちの職場の組合もその昔ストを打ち逮捕者も、、、という話は何となく聞いたことがるけど、今やただの御用組合。労働環境が冴えなさは組合活動を盛り上げて是正しようというパワーも奪うんだよね。
そんな中で何年もどこに飛ばされても組合員のことを忘れず正義のために耐え続けるってすさまじいことだ。
巨大な組織の中にありながら、その力に流されずあるべき姿を突き詰める姿は『不毛地帯』や『白い巨塔』にも通ずる。要領よく生きるのが下手である意味ピュア。こういう共通点があると、応援したい、報われてほしいという気持ちが読者に芽生えて長い物語でも飽きさせないのかな。
Posted by ブクログ
『華麗なる一族』が面白かったので、こちらも読み始めた。
全5巻にわたる長い物語。まずは第一巻から。
組織の理不尽や人事の闇に、読んでいて苦しくなる場面も多い。
それでも、読み始めたら止まらない。
圧倒されるのは、その取材の厚みと覚悟。
作中の航空会社「国民航空(NAL)」は、どう見てもJALをモデルにしている。
ノンフィクションとして書かれているだけに、どこまでが事実なのか気になり、調べたくなる。
組織の体質にここまで切り込む勇気に、作家としての強い意志を感じる。
小説としての面白さと、単なる物語では終わらない重みがある。
この長い物語の続きが気になる。
二巻へ続く。
Audibleにて。
Posted by ブクログ
第1巻は壮絶な物語の幕開けでした。
主人公が直面するのは、10年に及ぶ海外転勤という過酷な運命です。
現代の価値観から見れば非人道的とされるような人事異動ですが、彼はその不条理に抗い、不屈の信念を持って挑み続けます。
その姿は私の想像をはるかに超えるものであり、強い感銘を受けました。
さらに、主人公には家族がありながら、アフリカで長期滞在を強いられるという厳しさも描かれており、読んでいて胸が締め付けられる思いがしました。
なぜ周囲が止めることもなく彼を送り出したのかと疑問に思いましたが、それは当時の時代背景や価値観に深く根付いているのだと感じました。
この章は単なる導入ではなく、壮絶な試練の序章であり、今後の物語がどのように展開していくのかを強く予感させるものでした。
主人公の信念と覚悟が、これから先どのように描かれていくのか、大きな期待を抱かせる第一巻でした。
Posted by ブクログ
自分の知らない時代の航空業界にまつわる話
史実を元にした小説ということでおすすめしていただきました。
とても読みやすく、主人公の真っ直ぐさ故に茨の道を進むことが最初からわかっている分、救われてほしいと思いながらも、救われるわけではなく、本書の書き出しのアフリカに左遷された途中まで記載された本
この一冊で、アフリカの匂い、大企業での労働組合が向き合う問題、ストライキ、海外左遷、カラチの過酷さ、戦争による空港閉鎖、胃が痛くなるような体験が記されていますが、読み進めたくなります。
戦争を経験した人たちのセリフに、私と世代が違うからこその尊さを感じました。
なぜアフリカに至ったのかはまだ書かれていないため次を読むのが楽しみです。
旧友の行天とは、志同じくして目指す場所が違うと分かれてしまったのも今後どうなるか楽しみです。
Posted by ブクログ
1985年の日航機墜落事故を中心に、日本航空がモデルになっている小説であるということだけは知っていた。どこまでをフィクションとして、どこまで事実として読んでいいのか分からないけれども、読めば読むほどに、大事故が起こりそうな会社の体質に、腹が立ってくる。
平成生まれの人間から見ると、職場の人間関係や実際の仕事の中に、まだ、戦前の名残りが大きく残っていることのリアリティが、印象的だった。共産党員に対する警戒心や「アカ」というレッテル。治安維持法で捕まり転向した転向者。学生運動をしていた経歴。第二次大戦時に戦闘機の整備をしていた整備士や、パイロット。元華族出身であることのステータス。今の人間からすると、もはやあまりぴんと来ない様々なお互いの人間の見方が新鮮だった。
そういった意味では、労働組合の委員長として、労働者たちの待遇改善のために会社の経営陣と戦い、僻地への報復人事を受ける恩地の姿も、新鮮に映るものだった。今でも、春闘など組合による団体交渉のニュースなどは、目にすることがあるが、小説ということを差し引いても、その切実性と熱量に、現代との差を感じる。まだまだ問題があるとはいえ、こういった運動をしてきた歴史のうえに、今の労働環境があるのだなと思う。
だからこそ、家族の生活と自身の健康を犠牲にしてまで、組合の委員長として働き、不当な僻地への長期赴任に耐える恩地の姿は、かっこよくもありつつ、共感はしづらい。終身雇用の時代の、一つの会社の中で生きていく時代の人間の感覚が垣間見える。
今のところ、読んでいて気持ちのいい小説じゃない。ただ何か、読まされる凄みがある。
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