Posted by ブクログ
2012年09月21日
今年1~3月にTBSで放映されたドラマの原作である。かなり楽しめたドラマだったので、前々から読みたいと思っていたのだ。
改めて、主人公の弓成亮太の仕事への情熱が感じられた。例えば、自身の仕事について、「日々、国政を国民に伝達する。それは新聞社にしか出来ない事であり、それ故に新聞記者は常に勉強し政治...続きを読む家、官僚と対等に渡り合える優秀な人材であらねばならないというのが、弓成の信条だった。」という書き方。私もその爪の垢でも煎じて飲まないといけない。本作品のストーリーは既にドラマで知っており、弓成の仕事への情熱が感じられるのは本巻くらいで、後はドロドロの法廷劇が繰り返されることが分かるため、余計本巻ではその視点で読んだのだ。
また、弓成の後輩への訓示で心に響いたのは以下のもの。
「絶えず問題意識をもって、アンテナを張り巡らせる。努力、集中力、研鑽が三位一体となって相乗効果の末、ブツに当たる。それが新聞記者だ。ものを聞いて右から左へ書くのは単なるブンヤだ。自らの問題意識、テーマを持って問う、問い屋でなければならんよ。記者の問い一つで記事の生命が違ってくる。平凡な質問にら平凡な答えしか返すってこん、非凡な質問にら少なくとも平凡でない答えが返ってくるものだ。」
これは私の仕事でもあてはまる。保険調査という職種上、請求人関係者や医師、弁護士などに聴取することが多いが、聴き方一つで大きく成果が変わってくるものだからだ。問題意識やアンテナについてもそう。
最後に家族についての弓成の言葉。
「洋一、純二、丈夫に大きく育て。お前たちは狭い日本に拘らずとも、世界のどこの国へでも留学させてやるからな。」
何と度量の大きい親であろう。「お金がかかるから、できれば地元の国立大学を…」と2歳の娘に望んでいる私たち夫婦とはスケールが違う(笑)。
第2巻からはドロドロで、こんな弓成の人間の大きさは感じられないのだろう…。