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国家権力に叩きのめされた弓成は、すべてを失って沖縄へ辿り着き、様々な島の人々と出会う。取材に邁進していた頃は見えなかった沖縄の辛い歴史と、いまもレイプやヘリコプター墜落など基地がらみの事件が頻発し、アメリカに蹂躙されつづける現実に直面した彼は、ゆっくりと甦り、ふたたびペンを手にする。そのとき、あの密約を立証する公文書が米国立公文書館で発見されたというニュースが飛び込んできて……感動の巨篇、ここに完結。電子版には、沖縄取材記を特別収録。
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Posted by ブクログ
長い歴史を早送りで見てきたような4冊でした。 この本に出会えてよかった。 運命の人ってどんな人のことだろうと読み始め最後で題名に辿り着けた
取材力がすごい。 最初は裁判に負けてしまった記者の話で終結していくのだと思ったら、最終巻で思っていた展開と違う形になっていた。 歴史は好きなので読書などを通じて色々勉強してきたつもりだったが、まだまだ知らないことが多いなと思う話であった。
(ネタバレあり)怒涛の一気読み。沖縄返還に係る日米交渉と米側への補償金の支払いにかんする密約を暴いた記者。政府から機密漏洩教唆で訴えられるが国民の知る権利を掲げて真っ向から対立する。その記者に機密文書を漏洩した女性事務官との不倫関係なども取り沙汰され、泥沼の裁判となる。国家機密といえば正当性あるが、...続きを読む中身は米側に忖度し日本国民の税金から不当に支払われる迂回資金であり、国民を欺く裏金。国家(というか、そのときの権力者)が記者を潰しにかかる様子は、権力の恐ろしさを物語っている。元ネタは実際に起こった「西山事件」。小説を通じて、権力や官僚の腐敗や事勿れ主義、不都合な事実を握りつぶそうとする傲慢さや忖度の卑怯さなどが描かれている。一方で、知る権利や個人の権利を主張しながらも、新聞の売れ行きを気にしながら、日和見に走る新聞社の姿もあり、どちらも情けない限り。第4巻では沖縄の問題に深く切り込んでおり、自分自身の認識も改まる。この時期に読むべき一冊。山崎豊子さんの小説は、華麗なる一族以来久し振りだが、まるで「中の人」が書いているかのようで、その場に居合わせるかのような臨場感あふれる表現はさすが。
4冊の単行本という長篇作品でしたが、あっという間に読み進めてしまいました。近代史・現代史をもとに執筆された小説なので、場面ひとつひとつに臨場感があり、生き証言を聴いているかのような感覚でした。日本が沖縄に強いてきた犠牲の重みを受け止め、今後の日米外交のあり方を注視していきたいです。
最終巻。 予想だにしていなかった方向へ話が展開していく驚きを感じながらも小説としてまとまりのある作品となっていることに脱帽しました。 外務省機密漏洩事件を機に、沖縄に関心を持ち続けていた主人公が移り住んだ沖縄で目の当たりにした現実。 決してフィクションではない重みがひしひしと伝わってきました。 ...続きを読む私は沖縄には行ったことはなく、行きたいと思う理由はリゾートとして、という気持ちが大半だったけれど 沖縄の歴史を学ぶことの大切さ、また軽々しく触れられないほどの、その歴史の持つ重く暗い意味に胸が締め付けられる思いでした。 一方で夫婦の絆の強さについても、清々しい気持ちで学ぶことが出来た作品。 ずっと読み継がれてほしいと思います。
温故知新という言葉通り、過去の沖縄を知っていきながら主人公は少しずつ沖縄問題と再度向かい合い、自分自身と向かい合い、妻と向かいあいながら、話が進んでいきます。 沖縄の戦争がどうだったかは本、ニュースなどでの特集から知っていることはあったが、それ以上にこの本から勉強させてもらいました。今までは裁判が...続きを読む中心の話であったため、次が次がと気になるため、読むスピードも早かったのですが、ここに来て沖縄の戦中、戦後のことはじっくりと読みました。一字一句逃さないようにと。過去から多くを学び、そして受け止め、悔い改めること、反省するべきところは反省し、次へつなげるのが後世に残されたものの責務だと改めて思いました。 「運命の人」というタイトル。 主人公が運命の人、主人公を取り巻く人たちが運命の人。一度振りかざした剣を鞘に戻すのではなく、振りかざした理由を死ぬまで主人公は主張していくのだろうなと思いました。
(一巻から四巻まで合わせたレビューです。) 大好きな山崎さんの(もしかすると最後になるかもしれない)長編小説。 沖縄返還時の機密文書漏洩事件(西山事件)をテーマに、 相変わらずの取材力&構成力で読者をぐいぐい引っ張っていきます。 この分野は完全に無知でしたが、小説を通じて、 昔の自民...続きを読む党の政治のやり方を目にすることができました。 主人公の機密文書を入手した手段は、 倫理的によい方法だとは言えませんが、 それ以上に、臭いものに蓋をする昔の自民党の政治家や官僚にも、 沖縄の人たちだけでなく、日本人全員が もっと憤りを感じるべきなんでしょう。 現在も普天間基地移設問題で民主党が揺れていますが、 少しばかり当事者意識を持って この問題を受け止めれるようになった気がします。 山崎さん、もう一冊書いて欲しいなぁ。。
時だけが許容するものがある。 時が過ぎても許容できないものもある。 それを伝える人がいる。 (以下抜粋) ○娘が「アメリカーがやってくるよ、早く殺して」と何度も言い募る、お母はその通りにしてやったよ、ザーッと血しぶきの雨だった、ガマ一面に飛び散った血は、おしくら饅頭のようになっていた人の上に降り注...続きを読むいで‥‥(P.52) ○リサーチしたい文書にすぐ辿り着けるとは限らない。何度も文書の請求を繰り返し、勘を養うことが大切だった。
最終巻は、沖縄の話。私自身、まだ沖縄に行ったことはなく、沖縄の地上戦や米軍基地、米兵の暴力問題などは、新聞やニュースである程度の知識はあっても、どこか他人事でした。 4巻を読んでいる時に、6/23の沖縄の慰霊の日をニュースで目にし、日本人として現地に行って、沖縄の歴史を学ばなければ。。。と思わされ...続きを読むました。 最後に、弓成と由里子が再会し、ハッピーエンドとは言えないが、夫婦愛も感じられたのは良かったと思います。 著者 山崎豊子さんのあとがきに、ご自身の戦時中やひめゆりの塔にお参りした体験が綴られ、「基地の統廃合には、日本の外交、防衛のありようが集約されている。再び取り返しのつかない不幸な事故が起きない前に、国民一人一人が真摯に考えてほしい、というのが私の切なる願いであり、拙著がその万分の一でも役立てば幸せである」と記されており、感慨深かったです。 全巻を読み進めるにあたり、難しい部分もたくさんありましたが、この作品を最後まで読んだことは、私自身の勉強になり大変良かったと思います。
最終巻。沖縄での戦禍の様子が、様々な人の証言や情景描写で浮かび上がってくる。最後どう行き着くのかな...と気になりつつ読んだ。 密約をめぐる事件に始まり、最終の着地は沖縄ということで、話の広がりが想像より幅広いため読者によって好き嫌いが分かれそうだけれど、沖縄を知る、という意味では読めて良かった作品...続きを読む。 丹念な取材や調査に基づいて、膨大な史実や証言を小説という形に仕立て上げる山崎豊子さんの手腕がこの作品でも光り輝いてて、ただただ凄い。
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運命の人
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山崎豊子
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