ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
すぐれた企画力で大阪勤音(勤労者音楽同盟)を牛耳っているニヒルな敏腕家流郷正之は、勤音内部の政治的な傾斜を感じている。勤音組織は人民党とつながっているのではないだろうか? 党との関係を探るため、流郷は美貌の経理責任者江藤斎子と情事を重ねた。だが、すべてを知った時、流郷は……。政治の手で操られる集団の無気味なエネルギーを綿密な調査と豊かな筆力で描く長編。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
昭和42年に発表された山崎豊子作品。安保闘争のはざまの時期、そして、いまだ労働組合の組織率が高く、労組運動も顕在化していたという時代背景もあっての作品。党や労組が、他の団体・集団にいかに入り込んでいくか、といった組織の怖さが描かれている。「オルグ」「フラクション活動」など、いまや死後と化している用語...続きを読むもいたるところで出てくるのも、時代の趨勢ということか?
「労働者の音楽鑑賞団体」の内実は、左思想政党の支持者獲得装置。リアリティがすごくて、身近にこんな組織がごろごろしてそうでこわい。
組織がイデオロギーに動かされて次第に冷静さを失っていく姿がフィクションとは思えないくらいの現実感をもって描かれている。こんなことって、身近な組織でも容易に起こりうるのではないのだろうか(例えば目先の収益見込みをコスト度外視で追う、など)。いつもながらに主人公はcool(この表現まさにぴったりだと思う...続きを読む)。 筆者のあとがきも秀逸。「純粋に音楽を鑑賞する団体に、音楽以外の目的とイデオロギーが持ち込まれた場合、どのような複雑怪奇な問題が起こり、それが集団の中の人間関係とどう結びつくかを描きたかった」(あとがき)
山崎豊子さんの本はとても長いので今まで手が出なかったのですが、このくらいの長さなら大丈夫かな?と購入しました。 戦後民衆というか労働者のために安い値段で音楽を楽しんでもらおうということで作られた大阪勤音。 規模が大きくなるにつれて政治や思想の色が濃くなっていく。 プランナーの流郷はそんな中でどう進ん...続きを読むでいくのか? 時間はかかりましたが読み応え充分でした。
昭和42年といえば…まだ小学生になったばかり… 働き始めた20歳のころにはすでに組合運動は下火になり始めていた。勤音と同じような音楽鑑賞団体があったような気もするが、労使間にさほどの緊張状態はなかったように思う。(若輩で何も知らなかったのではあるが…) 古い本棚にこの本を見つけて、なぜか急に読んで...続きを読むみた。たぶん若いころ一度は手にしたはずで、その時にも現実感なく流し読みしたと思う。 ただ、働き始めた当時、組合活動に積極的だった何人かの同僚の顔を思い浮かべるきっかけを得た。 1人1人はとてもいい人で、新人の私が何か困っていないか、上司はきちんと配慮しているか、配属先は妥当かなど目配りしてもらっていたと思う。 でも、何とかの集会がある、勉強会があると言われてもいったい何を学ぶのかイメージできず、また親しい先輩も変に顔をしかめて、「そこまで付き合う必要はない。」と言い、本当に何も学ばず、だから何も疑問に思うことなくのほほんと仕事した。 古いといえばとても古く、今の社会とあまりにもかけ離れた小説ではあったが、この時、こんなふうに活動していた人たちがいたんだと再認識し、当時の活動家たちの今を思って、何となくしみじみ…した。 また、流郷の側からではなく、活動家からの視点があれば、無知な私にももう少し状況が理解できるかもしれないと、今更山崎豊子さんに求められないのは残念。 解説を読み、山崎さんのデビュー作「暖簾」を手に取った。
1966年1月から翌年2月まで週刊朝日に連載された作品。 大阪勤音(勤労者音楽同盟)に所属し、すぐれた企画力で音楽会を成功させている流郷正之は、組織内部の不穏な動きに気づき始めた。労働者のための音楽鑑賞団体に音楽以外のものが持ちこまれている。 労働者と経営者の対立、労働者内部での政治的・思想的対立...続きを読む。50年前はこういう時代だったのかと。 ドラマ化も映画化もされておらず、著者自身も取材が大変だったという作品。 中途半端に終わったエピソードもあるが、とても面白かった。
流郷の書斎とロシアのバイオリニスト招致の仕事ぶり、あとがきが印象に残った。音楽に情熱を傾けて、組織力を存分に活かす努力で仕事を成功させる。菊村姉弟が静かに流郷や斉子を尊敬してる思いが美しい。流郷が斉子と菊村姉のふたりを可哀想に思う気持ちがリアル。カップルができるわけでもなく誰の仕事もハッピーエンドで...続きを読むない不思議な物語。比較的リベラルと思った作者が労音や共産党、赤旗にこんな違和感を持っていた。党員たちのアジりっぷりが、短絡思考が、適切に描写されていると思う。自分で一生懸命党の意向を解釈しようとして党に従う愚かしさ。もう一人くらい政党色に辟易するごく普通の職員もしくは会員がいたらさらに感情移入出来たと思う。相変わらず女性は色モノだが、流郷に 全く溺れない斉子が際立っている。
生真面目は洗脳されやすい。洗脳された手段はもっと怖い。共産主義の巻き込み方はは人間をよく研究したやり方。心理学のの大家やなぁ。
音楽が政党や経営者に利用され、大衆は翻弄される。作者の真骨頂は文章力に加え取材力だが、本著でも充分にうかがえる。著者の作品で一貫しているテーマは「正義」といってもよいだろうか。10.10.2
読むのに時間がかかった。 昭和初期の共産党と民主主義の対決を音楽鑑賞会に持ち込んだ話。 勤音で働く流郷が会員を増やすために奮闘するが、政治偏向の局員に翻弄される。その後が知りたかった。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
仮装集団
新刊情報をお知らせします。
山崎豊子
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
白い巨塔 1巻
運命の人(一)
女の勲章(上)
花紋
華麗なる一族(上)
試し読み
華麗なる一族(上中下) 合本版
合本 運命の人(一)~(四)【文春e-Books】
合本 大地の子(一)~(四)【文春e-Books】
「山崎豊子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲仮装集団 ページトップヘ