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大阪船場に生まれ若くして両親を失った大庭式子は、三人の若い弟子たちと甲子園に聖和服飾学院の新校舎を建設する。一方、学院に出入りし、さまざまな場面で式子をサポートする八代銀四郎は、東京の名門大学を卒業し、一流会社に就職しながら、一年でサラリーマンに見切りをつけた経歴の持ち主。銀四郎の商才にたけた巧みな手腕で、式子は虚飾のファッション界の階段を昇っていく。
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Posted by ブクログ
野心、育ちの良さ、人間の厚みなどが会話の言い回しで伝わってくる昭和感がたまらなく面白い。3人の女を同じ手口で意のままにする銀四郎は下巻でどんな運命をたどるのか。
そうなのか?これはひょっとしてそうなのか?と思ってたら、 やっぱりそういう結末。 わかっているのにとまらない。
山崎豊子の一番最初の新聞連載小説だったという「女の勲章」。 新聞連載ものだけあって短いスパンでヤマが設定されており、 一気に読まずにはいられない内容でした。 しかし・・・衝撃のラストに愕然。 いつこの「男性マネージャー」が痛い目をみて主人公が女性の 幸せを掴むのかが気になって気になって、 一...続きを読む気に朝まで読みふけってしまったのに、 最後がこれじゃ、あまりにも悲しすぎる・・・・。 解説によると、山崎豊子は「究極の現実主義」なのだそう。 結局現実はオンナを弄びながらビジネスのダシに使って、 上手く立ち回る者の勝ちなのか??? ・・・悲しすぎる(涙) でも、ビジネスの世界を知るという意味では、勉強になる部分も多い 内容でした。
大阪船場に生まれ若くして両親を失った大庭式子は、三人の若い弟子たちと甲子園に聖和服飾学院の新校舎を建設する。一方、学院に出入りし、さまざまな場面で式子をサポートする八代銀四郎は、東京の名門大学を卒業し、一流会社に就職しながら、一年でサラリーマンに見切りをつけた経歴の持ち主。銀四郎の商才にたけた巧の手...続きを読む腕で、式子は虚飾のファッション界の階段を昇っていく。
ここ(上巻)までは銀四郎の強引なマネジメントと女性陣を束ねるリーダーシップで順風満帆に見える。このままハッピーエンドとなるわけもなく、下巻でいかなるどんでん返しが待ち受けているのかワクワクしています。
生き馬の目を抜く、デザイナー業界でのし上がっていく式子。 利用し、利用され、男に翻弄されながら、徐々に力強くなっていく。 女同士の欲にまみれた、ドロドロの関係。 男と女の打算的な関係。 全てにおいて、読み応えあり。
女の野心が渦巻くファッション業界を、駆け上がる式子の闘いと言うよりは、私利私欲と金儲けと色欲にまみれた銀四郎に翻弄される女達といったところ。段々と銀四郎の意のままに踊らされる式子達の反撃を待ちつつ読み進めるがどっぷりとその企みにハマったまま本巻は終了。下巻での展開が、しかしながら後味が悪いと評されて...続きを読むおり、読む気力を失いつつあります。
ぬらぬらとした人の情念の描き方がすごい。3人の女とその間を飛び回る1人の男。愛欲、金欲、出世欲、とあらゆる欲情でぎっとぎっとになりながら話が進んでいきます。 女性のくらい情念の描写が凄まじい。 早く続きが読みたいです。
船場のいとはん、こいさんものが何故か好きなわたくし。 この作品は新聞の書評ではない欄で「船場のいとはんもの」として紹介されていたので知りました。 知ってしまったら早く読みたい。某お急ぎ便も待ちきれなかったので、本屋さんの店頭お取り置きネットサービスで在庫確保し、取りに行きました。 (このサービス、す...続きを読むごく便利だけど、カウンターで本のタイトルを告げるのがちょい恥ずかしいっす) この作品は、なみいる巨編をお書きの山崎先生においては上下巻と、規模としてそう大規模ではない作品に該当すると思われます。 しかし、これが新聞連載の小説だったと知り、驚きました。 こんなに悶々とする展開、毎日小出しにされるのをリアルタイムで読んでいたのでなくてよかった・・・!と胸をなで下ろしました。 昭和30年代の洋裁学校ブームが物語の背景。自分の母親も洋裁学校を出ており、当時どんなに華やかで勢いがあったのかを聞かされたことがあります。今ではそのほとんどが洋裁学校としての姿を消してしまったけれど、そんな当時の事を知りたくて読みたかったということもありました。 阪神間の洋裁学校を起点に、大阪、東京そしてパリへ・・・と華やかな成功の階段を登る、若く美しい船場のいとはんデザイナーと、その蔭で経営の実権を握る商魂たくましい年下のやり手男性。先生に仕えながらも、いつか自分が・・・と眼光鋭く隙を伺いみる助手たち。ビジネスチャンスを見込み渦巻く服飾界の欲望と野望、女のプライド。 など、これでもか~というぐらいに絡み合い、気の休まる暇がない。 唯一、船場からついてきてくれたヒロイン式子のお手伝いさんだけが心の平安でした。(式子さんもきっと同じ気持ちだっただろう・・・) 上巻の前半あたりは、まだ業界の掟もわからぬ駆け出しの式子が先輩にやっかまれ妬まれ小意地悪をうけつつも、軽やかに跳ね返し、小さな成功をおさめて行く段階が爽やかで心地よいのですが、その後、あれよあれよと言う間に虚飾の渦に巻き込まれていくのです。 船場の商家のいとはんとして生まれた式子のプライドを上手にくすぐり次の一手をもちかける銀四郎(ってまた、このワルそうな名前ったら!)。 当の本人式子さんも、このまま行くと危険だということもうっすら理解はしてはいるものの、しかし変なところで鷹揚なお嬢さん性質と、持って生まれたいとはんのプライドによって自分で呼び込んだ運命でもあるのがまた・・・。 読んでいて、「もういい加減にいち抜けた、したらええのに」と思いつつ、「でもそれはもう無理やわなあ」と、ある程度予想のできる結末に向かって進むしかなく、砂をかむような思いでお伴することになるのでした。 どこまでもまつりあげられ、まさにジェットコースター、いや、フリーフォール並みにおそろしい。 そんな気の抜けない展開におけるちょっとした楽しみは、随所に当時の関西での暮らしや文化が垣間見られるところでした。特に心斎橋や阪神間において、実際の店名や地名が数多く登場するので、当時はそこ、そんなに盛り上がってたのねぇ・・・と現在の姿を思い起こしながら読むのも関西人ならまた楽しいかも。 当時の人にとって、夏の六甲山ホテルへ避暑に出かけることや、心斎橋をぶらぶらする(いわゆる心ブラ!)は、なんとも憧れのことだったんだなあ・・・そう思うと、今は閑散としている六甲ケーブルが夏は満員だったなんて、信じられません。 それから、三人の弟子がそれぞれ個性の異なるタイプで、それぞれやっかいに絡んでくるのでおもしろい、いや、おそろしい。 いちばん、やらかしてくれてくれるのはいったい誰なのか・・・ なんて展開も楽しみにしつつ、下巻へ続きます。
久々に山崎豊子さんの作品を読んだが、おもしろい! 大阪の服飾学校を舞台に繰り広げられる女性の戦い。そこにつけ込み、女性たちを翻弄する銀次郎。 下巻でどんな展開が待っているのか、楽しみだ。
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山崎豊子
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