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式子は、銀四郎の強引なまでの求愛を受け入れる。だが銀四郎は、なぜか三人の弟子たちとも次々と関係を結ぼうとする。そうしたなか、式子は、学院の理事に招請した銀四郎の恩師の静謐なたたずまいに心を奪われるのだが……。銀四郎の辣腕で、服飾デザイナーの頂点に昇りつめる式子。愛人の死亡記事をも広告料に換算する銀四郎。二人のたどる愛と打算の相克をリアルに追った野心作。
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Posted by ブクログ
ギラギラと仕事に打ち込む男とそれに翻弄され欲にまみれて行く女。 欲にまみれたギラギラした世界観がたまりません。
こんな面白いの読んだことない。身近なひとみんなに読んでもらっていろいろ話したい。銀四郎を前にしたら、私ならどの生き方をたどるのか、2人の女を同じ理由で死なせた白石教授の佇まいとはとか、何より私が産まれる20年前にあふれていたこの豊かな会話力と野心の力強さは、今わたしが触れる社会ではなかなか目にしない...続きを読むものだとか。
そうなのか?これはひょっとしてそうなのか?と思ってたら、 やっぱりそういう結末。 わかっているのにとまらない。
式子は、銀四郎の強引なまでの求愛を受け入れる。だが銀四郎は、なぜか三人の弟子たちとも次々に関係を結ぼうとする。そうしたなか、式子は学院の理事に招請した銀四郎の恩師の静謐なたたずまいに心を奪われるのだが・・・。銀四郎の辣腕で、服飾デザイナーの頂点に昇りつめる式子。愛人の死亡記事をも広告料に換算する銀四...続きを読む郎。不照りのたどる愛と打算の相克をリアルに追った野心作。
昭和36年の作品と思えないくらい生々しく男女のドロドロした感情や煩悶がリアルに描かれている。山崎豊子作品は仕事のできる真人間の男性が主人公の作品ばかり読んできたが、この女の勲章は女性が主人公で男女のドロドロした騙し合い裏切り合いが描かれ全く違う凄みがあった。 個人的に意外な結末も含めて読み応えのある...続きを読む作品でした。
印象的だったのはパリ、ポルトガルでの描写で、自分の頭で情景を思い浮かべて読んだ。 上巻を読み終わった時点でこのままハッピーエンドで終わるはずもなく、絶対にどんでん返しが来ると思っていたが、やはり!
ファッションデザイナー界での栄光を掴むため邁進する主人公。その背後には主人公を操る男の存在。女の世界の嫉妬や騙し合い、人間の欲望、愛憎、あらゆる感情が剥き出しで、ファッションビジネス面でも面白く、読み応えたっぷりな作品でした。
上巻より続きます。 冷酷でやり手、切れ長眼の年下男、銀四郎(う~ん、何度書いてもワルそうな名前だ・・・)の冷淡な拡大計画はとどまるところを知らず、船場出身のいとはんデザイナー式子の地位をさらに高め、前例のない仕事を次々と成功裏におさめ、いよいよ、パリへ舞台を移そうとしていた。もはや日本のファッショ...続きを読むン界を代表するスターデザイナーとなった式子先生。しかし少しづつ、虚栄で飾られた勲章が重く影を落とし始めるのでした・・・ 下巻も相変わらず、銀四郎の快進撃が続きます。あまりにやり手なので、腹立つー!と思いながら読むのですが、まあ、あそこまで徹底して商売として割り切れたらもうご立派としかいいようがありません。 物語のラストはなんとも残念なもので、やるせなくなってしまいますが、「やっと銀四郎から逃れられた・・・」という安堵感もないこともない。でも、 やっぱり残念。 ところで、この物語は大阪に実在する服飾専門学校の学園創始者であるデザイナーがモデルになっていると言われています。登場するエピソードも事実と酷似したものが多く、発表当時は著者との間で冷戦があったもよう・・・(そりゃそうでしょうねえ) 今もNGワードなのかしら。と思って学校のホームページを見てみると、この作品のことが紹介されていて、えっ、もういいの?と拍子抜け。 そして、そのニュースに添えられた三人の写真。並ぶのはディオール氏と先生、そして「銀四郎」らしき人物も・・・ 物語を通して全体的にドロドロ渦巻く世界ですが、和装から洋装への過渡期に道をつけた逞しい女性たちの仕事ぶりや、のんびりした船場のいとはんがここぞと言うとき(理不尽で攻めてくる先輩デザイナーとの対決や、ファッションショーでの堂々とした挨拶など)には毅然とした態度でバーンとやってのけるあたり、すかっとする場面も多い作品です。 女性が男性にない領域の魅力と才能をもとに仕事をして輝いていた時代だったんたなあ・・・と思うと、なんとなく、自分の仕事ももっと攻めてみようかな(という性質の仕事でもないが)、なんて勇気をもらったりしました。 しかし、小説として眠らせておくのは惜しい。昔、ドラマ化もされたようですが、今やれば、ぜったい盛り上がると思うわ・・・。 沢口靖子と及川ミッチーあたりでいかがでしょう。
男女、金銭、さまざまな欲情が絡み合い、駆け引きが行われる。気付いた時には、もう引き返せないところまできてしまっていた式子。 読み始めたら止まらなくなる。
少し中途半端な終わり方で消化不良気味。 男に翻弄され続けてきた式子がかわいそうだ。 銀四郎、白石教授の二人のキャラクターが憎らしくて仕方なかった。 こう思ってしまうことが、山崎豊子の術中にハマっているのかもしれない。
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