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Posted by ブクログ
以下、上中下巻で同じ感想です。
最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。
「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を横軸に進む。
一番の迫力は、ここで取り交わされるさまざまな会話。一歩間違えれば追い込まれる神経戦の連続。経済に関する記述も非常に正確で、企業乗っ取りといえば流行りものを含めそうとう雑なものも多い中、リアリティは今なお色褪せない。
スカッとしないことこの上ない読後感ではあるが、だからこその読み応え。
Posted by ブクログ
読み始めた。もう文体から面白い。「ネタバレで台無しになるような小説は元から大した価値はない」などと普段は過激なことを言ってるんだけど、この小説はネタバレされたくない笑
そのくらい面白い(?)
ぱっと見お堅い文章なのに序盤からこんなに引き込めるリズムの文章を書けるのはさすが。ついでに聞いてもいない業界事情をこれでもかと語り続けるところもさすが。一文がやたら長くてくどいにもかかわらず、表現力が高すぎてそれをまた別の魅力に変えてる。こんな文章書けたらすごいけどもう一般人と会話するのは退屈でしょうがないだろうな
読み終わったらまた追記。
読み終わった。やばいオモロすぎる。もっと早く読めばよかった。山﨑豊子天才か?
Posted by ブクログ
【感想】
結論から申し上げますと、やっぱり山崎豊子は凄まじく面白い!!
この一言に尽きます(笑)
本作者の「不毛地帯」や「沈まぬ太陽」など他作品も共通して言えること。
小説の域を軽く超えている業界・企業・社会の緻密さが描かれている点。
また、人間関係の感情であったり打算であったりなどの生々しさ。
書き物でここまでリアルに表現することが出来るのは、山崎豊子の辣腕あってこそなのでしょう!!
山崎豊子の作品は読むのにかなり体力を要しますが、「白い巨塔」など、彼女の他の作品も今後読んでいきたいな~
さて、「華麗なる一族 上巻」のレビューについて。
タイトル通り、銀行創業者の一族の浮世離れした華々しさや晴れやかな様子が描かれているが、中々どうして、タイトルとは違って一族1人1人の人間臭さや泥臭さ、、、
いや、表現がやや違う。
ドロドロとした人間模様や、人の持つ残忍さ・冷酷さも事細かに描かれている。
この点に関して、もはや全然華麗ではない(笑)
作中、銀平の妻である万樹子の台詞で、
「ご立派で、お上品なのは表面ばかりで、中身は下劣そのもの、まんまと高須相子の口車にのせられたわ!」
という一節があった。
個人的に、この台詞が本作を一番端的に表しているな~と読んでいて感心しました。
物語は、父である大介や長男・鉄平、次男・銀平、妻・寧子、大介の妾である相子など、章によって物語の主人公が変わり、視点や価値観も変わっていく。
それぞれの主観や思惑をもって物語が進んでいき、「華麗なる一族」の陰の部分が段々と暴かれていく様は見事としか言いようがない。
この本の見所は、「華麗なる一族」の、ある種低俗な「人間臭さ」が紐解かれていくところなのかも・・・
ただ、銀行の仕組みやら慣習、業界ルールや事情についてもかなり事細かに書かれてはいるが、その点は読んでいて理解が追い付けなかった・・・
時代背景が昭和中期とやや古く、お金の価値も現代とやや異なるのも難読になる要素の1つなのかも。
まぁ、読んでいてベラボウに面白いです!!!
上・中・下巻となかなか長編だが、続きがかなり楽しみな作品。
【あらすじ】
業界ランク第10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。
長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策するが、その裏で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。
不気味で巨大な権力機構〈銀行〉を徹底的に取材した力作。
【メモ】
p446
「鉄平さん、お父さまに何ということをおっしゃるの」
相子が窘めるように云った。
途端、鉄平の精悍な眼がぎょろりと相子に向いた。
「君は黙ってろ。親子が争っている時、口を出せるのは母親だけだ」
p447
「世間では品行方正で、冷厳な頭取として通り、一歩家庭へ入れば妻妾同居の生活を営んでいるお父さんは、世間を騙している偽善者ですよ!そういうお父さんの生活が、銀平を妙にニヒルな性格にしたんでしょう!」
心の中にどろどろと堆積していた怒りをぶちまけるように言い、相子の方を見、
「君もそろそろ自分自身の将来を考えるべきじゃないか」
と決めつけた。
「私にはまだ、私が育て教育してきた二子さんと三子さんの結婚問題が残っておりますわ。それに私はお父さまをお愛ししております。ある意味ではあなたのお母様以上に」
静かな声であったが、そこには何者にも動じない強靭さがあった。
p448
「銀平、お前もこの際、何か言うことはないのか!」
「兄さん、お父さんと争うなんて無駄なことですよ。企業家としての識見、財力、社会的地位。すべての点で何一つ、僕たちはお父さんにかなうものがない。勝てっこありませんよ」
p531
「何が今日はフランス語、明日は英語で晩餐ですか!ご立派で、お上品なのは表面ばかりで、中身は下劣そのもの、まんまと高須相子の口車にのせられたわ!」
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