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業界ランク第10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策するが、その裏で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。不気味で巨大な権力機構〈銀行〉を徹底的に取材した力作。
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「華麗なる一族」
2021年4月18日~ WOWOWプライム 出演:中井貴一、向井理、藤ヶ谷太輔
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Posted by ブクログ
やっぱり面白いなー。昭和の時代のパワフルさ、空気感、必死さ。ガツガツしていて、ライフワークバランス完全無視な感じ。山崎豊子さんの作品はどれも仕事というものの、面白さが凝縮されていると思う。今の時代だとなかなかないですよね… 古い考えなのかな… 元気が欲しい時に読み返す本。
昔のはなしなのか、現代にも通ずるものなのか、その世界にいる人に聞いてみたい。 相変わらず細かい描写で、情景がはっきりと浮かんで来る。どんどん引き込まれていく。
以下、上中下巻で同じ感想です。 最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。 人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないよう...続きを読むなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。 「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を横軸に進む。 一番の迫力は、ここで取り交わされるさまざまな会話。一歩間違えれば追い込まれる神経戦の連続。経済に関する記述も非常に正確で、企業乗っ取りといえば流行りものを含めそうとう雑なものも多い中、リアリティは今なお色褪せない。 スカッとしないことこの上ない読後感ではあるが、だからこその読み応え。
読み始めた。もう文体から面白い。「ネタバレで台無しになるような小説は元から大した価値はない」などと普段は過激なことを言ってるんだけど、この小説はネタバレされたくない笑 そのくらい面白い(?) ぱっと見お堅い文章なのに序盤からこんなに引き込めるリズムの文章を書けるのはさすが。ついでに聞いてもいない業界...続きを読む事情をこれでもかと語り続けるところもさすが。一文がやたら長くてくどいにもかかわらず、表現力が高すぎてそれをまた別の魅力に変えてる。こんな文章書けたらすごいけどもう一般人と会話するのは退屈でしょうがないだろうな 読み終わったらまた追記。 読み終わった。やばいオモロすぎる。もっと早く読めばよかった。山﨑豊子天才か?
【感想】 結論から申し上げますと、やっぱり山崎豊子は凄まじく面白い!! この一言に尽きます(笑) 本作者の「不毛地帯」や「沈まぬ太陽」など他作品も共通して言えること。 小説の域を軽く超えている業界・企業・社会の緻密さが描かれている点。 また、人間関係の感情であったり打算であったりなどの生々しさ。 ...続きを読む書き物でここまでリアルに表現することが出来るのは、山崎豊子の辣腕あってこそなのでしょう!! 山崎豊子の作品は読むのにかなり体力を要しますが、「白い巨塔」など、彼女の他の作品も今後読んでいきたいな~ さて、「華麗なる一族 上巻」のレビューについて。 タイトル通り、銀行創業者の一族の浮世離れした華々しさや晴れやかな様子が描かれているが、中々どうして、タイトルとは違って一族1人1人の人間臭さや泥臭さ、、、 いや、表現がやや違う。 ドロドロとした人間模様や、人の持つ残忍さ・冷酷さも事細かに描かれている。 この点に関して、もはや全然華麗ではない(笑) 作中、銀平の妻である万樹子の台詞で、 「ご立派で、お上品なのは表面ばかりで、中身は下劣そのもの、まんまと高須相子の口車にのせられたわ!」 という一節があった。 個人的に、この台詞が本作を一番端的に表しているな~と読んでいて感心しました。 物語は、父である大介や長男・鉄平、次男・銀平、妻・寧子、大介の妾である相子など、章によって物語の主人公が変わり、視点や価値観も変わっていく。 それぞれの主観や思惑をもって物語が進んでいき、「華麗なる一族」の陰の部分が段々と暴かれていく様は見事としか言いようがない。 この本の見所は、「華麗なる一族」の、ある種低俗な「人間臭さ」が紐解かれていくところなのかも・・・ ただ、銀行の仕組みやら慣習、業界ルールや事情についてもかなり事細かに書かれてはいるが、その点は読んでいて理解が追い付けなかった・・・ 時代背景が昭和中期とやや古く、お金の価値も現代とやや異なるのも難読になる要素の1つなのかも。 まぁ、読んでいてベラボウに面白いです!!! 上・中・下巻となかなか長編だが、続きがかなり楽しみな作品。 【あらすじ】 業界ランク第10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。 長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策するが、その裏で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。 不気味で巨大な権力機構〈銀行〉を徹底的に取材した力作。 【メモ】 p446 「鉄平さん、お父さまに何ということをおっしゃるの」 相子が窘めるように云った。 途端、鉄平の精悍な眼がぎょろりと相子に向いた。 「君は黙ってろ。親子が争っている時、口を出せるのは母親だけだ」 p447 「世間では品行方正で、冷厳な頭取として通り、一歩家庭へ入れば妻妾同居の生活を営んでいるお父さんは、世間を騙している偽善者ですよ!そういうお父さんの生活が、銀平を妙にニヒルな性格にしたんでしょう!」 心の中にどろどろと堆積していた怒りをぶちまけるように言い、相子の方を見、 「君もそろそろ自分自身の将来を考えるべきじゃないか」 と決めつけた。 「私にはまだ、私が育て教育してきた二子さんと三子さんの結婚問題が残っておりますわ。それに私はお父さまをお愛ししております。ある意味ではあなたのお母様以上に」 静かな声であったが、そこには何者にも動じない強靭さがあった。 p448 「銀平、お前もこの際、何か言うことはないのか!」 「兄さん、お父さんと争うなんて無駄なことですよ。企業家としての識見、財力、社会的地位。すべての点で何一つ、僕たちはお父さんにかなうものがない。勝てっこありませんよ」 p531 「何が今日はフランス語、明日は英語で晩餐ですか!ご立派で、お上品なのは表面ばかりで、中身は下劣そのもの、まんまと高須相子の口車にのせられたわ!」
200501.面白い。文書がうまい。引き込まれる。 ボリュームはかなりあるが、読まされる内容。 描写に言葉遣いに、多種多様な格式に対してもよくここまで表現できるなーと。 登場人物は多いが、一族の名前が分かりやすいのも良い。鉄平に銀平、女性の扱いは軽いのか、一二三。このまま王道路線で行くなら、銀平の嫁...続きを読むなり、美馬なりからのスキャンダル漏れから、大介銀行は三雲さんに取り込まれの、鉄平は二転三転苦行を超えながらの成功。祖父と母の関係発覚からの葛藤なんたら。二子は幸せ結婚。銀平は円満離婚か円満エンド。 どうまとめるのか、どんでん返しはあるのか?
素晴らしい。 山崎豊子さん、さすが。 厳しい、残酷なお話し。 親子、兄弟、家、親戚。それぞれの立場。 登場人物多いが、特徴と関係が分かりやすい。 池井戸潤さんなら、最後に正義は勝つなのだが、 そうはならない。読んでて辛い。 50年前の設定で、今ではありえなさそうだが、 テレビドラマにもってこいの設定...続きを読む。
『沈まぬ太陽』を読んで山崎豊子さんのファンになり、二作目。 取材を基にしているという圧倒的なリアリティがこの作品も素晴らしい。それぞれのシーンでの会話の中での細かい駆け引きに至るまでリアルで緻密。 読み応えがあります。
中井貴一さん主演で2021年にドラマ化されました。業界ランク第10位の阪神銀行顕取、万俵大介が上位銀行への吸収合併を阻止するために小が大を喰う企みを画策します。登場人物の言葉遣いから格式の高さが表現されています。(すー)
山崎豊子『華麗なる一族』。 残っていた山崎豊子作品。ほぼ最後。 都銀10位の阪神銀行・頭取・万俵大介。 都市銀行再編の動きがある中で、上位行からの吸収合併を逃れるべく、娘婿・美馬を通じ、他行の状況を探る。 『小が大を喰う』合併を模索する… 万俵財閥をさらに強固なものとするため、次男・銀平、次女・...続きを読む二子の閨閥結婚も進めていく… 一方、グループ会社・阪神特殊鋼・専務・長男・鉄平は高炉建設を計画、融資を阪神銀行に依頼するが、父・大介は… 昭和40年代前半、高度経済成長期の神戸の街。 万俵一族をさらに強固なものに動く、大介と妾・相子。 父・大介と長男・鉄平の関係が… 鉄平と祖父・敬介… 万俵一族の長・大介を中心に動いていく。 阪神銀行は吸収合併を逃れるのか… 大を喰う合併ができるのか… 阪神特殊鋼の未来は…
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