無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで203万冊以上配信中!
ろうたけた美貌とたぐいまれな才を宿し、大正歌壇に彗星の如く登場し、束の間の輝きを放って突如消息を断った幻の歌人御室みやじ。河内長野の大地主の総領娘として、苛酷な因襲に抗いながら、国文学者荻原秀玲との宿命の恋に全てを賭け、略伝に夭逝と記されたように、自らの生をまで世間から葬り去った、激しい情熱と苦悶に貫かれたその半生を重厚な筆致でたどった長編小説。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
なんて悲しく、そして気高い生涯なんでしょう‥。美貌と、才能と、大地主の長女としてのあふれるほどの富を持ちながら、突如 早逝されたと記され、歌壇から消息を絶った歌人・小室みやじ。しかし彼女は生きていたのです。その謎をゆっくりと紐解くように、彼女に54年間付き添った老婢のよしが語り始めます。
大正時代の美しい 尊敬語、謙譲語で語られる文章は、現代の私たちには 読みづらいと感じるかもしれませんが、それこそがミステリアスで残酷な運命をたどった 小室みやじをよく表現していると思います。
このお話にはモデルがいると噂され、ネットでもこの人では?と名指されていて、あとがきでは作者はきっぱりと否定していますが、 この時代、 似たケースはあったのではないでしょうか。
古い因習にがんじがらめにされ一生を棒に振ってしまった美しく 気高い女性たちが 他にもいたような気がします。
巻末の富士正晴さんの解説は無い方が良かったように思います。 男が描けていないと批評されてますが 、本書は 女を書いた小説です。主人公に苦しみを与えたのは全て男たちの仕業です。
富士正晴先生には申し訳ないですが 、「だから 男って女を分かっていない」と申し上げたいです。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。