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パキスタン駐在を終えた恩地を待ち受けていたのは、さらなる報復人事だった。イラン、そして路線の就航もないケニアへの赴任。会社は帰国をちらつかせ、降伏を迫る一方で、露骨な差別人事により組合の分断を図っていた。共に闘った同期の友の裏切り。そして、家族との別離――。焦燥感と孤独とが、恩地をしだいに追いつめていく。そんな折、国民航空の旅客機が連続事故を起こす……。
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Posted by ブクログ
主人公はじめ物語の舞台である国民航空で働く人々の仕事っぷりが読んでいて清々しい。昭和の働き方の良し悪しは置いておいて、仕事ができる人とはこういう人であり、大企業にはこういう人がごろごろいるのか..と驚嘆した。 自分自身も正義感が無駄に強い頑固者なので、個人的に恩地さんが自分の信念を曲げず貫こうとす...続きを読むる姿にすごく勇気づけられたし、恩地さんには報われて欲しい。 会社というか堂本の策略にまんまと嵌ってしまった行天は、素直すぎるやろ、と思った。ボタンのかけ違いで正反対の立場になってしまった2人、だけど行天は簡単に信念を曲げる要領のいい性格なので、堂本の罠がなかったとしてもいずれどこかで仲を違えていたのかもと思う。
エリート社員だった主人公が、思わぬ不本意な形で労働組合の委員長を引き受けることになる。元来の真面目さ、誠実な性格で、末端の社員の賃金引き上げなどの処遇改善を掴み取るが、一本気な進め方が災いし、また、たまたま首相フライトを交渉の材料に使ったということで、経営陣との対立が決定的となる。その報復人事とばか...続きを読むりにパキスタン、イラン、ケニアの駐在として10年間のいわば流刑に処される。この間、良い出会いもあるのだが、家族も疲弊、出世もおぼつかず、さまざまなハードシングスで発狂寸前まで追い込まれる。大企業や保身に走り自分のことしか考えない役員の嫌なところを煎じ詰め、煮詰めて、かたまりにしたような話。現代であれば、即炎上、裁判あるいは転職という選択肢もあるだろうが、当時はそういう選択肢はなかったのだろう。とはいえ、別の形で残っているだろうから、やはり大きな組織、権力者は怖いものなのである。
主人公の強い正義感に対し、会社や周囲がそれを抑え込もうとする姿勢から、現代の日本社会にも通じる闇を強く感じました。 物語は何十年も前の出来事を描いていますが、今もなお変わらない企業文化が根付いていることを痛感させられます。 主人公のまっすぐな信念は会社には疎まれ、結果として海外転勤が延長されると...続きを読むいう理不尽な扱いを受けます。 その姿に胸が締め付けられる一方で、現実にも似たような構造が存在するのではないかと考えさせられました。 企業の事業の裏に潜む矛盾や不条理を描き出す描写はとてもリアルで、社会を鋭く切り取った小説であると強く感じました。
前半は主人公の恩地がアフリカでどのような状態で頑張っているかが書かれて、 ひたむきに業務をこなす姿に心打たれました。 後半は日本航空が抱える問題が浮き彫りになり、自分が手配したチケットが原因で問題の渦中へ。 前巻で出てきた登場人物がそれぞれの思いを胸に、問題に向き合う姿は心動かされました。 アフリ...続きを読むカで過ごす中で、自分と同じく日本への思いを抱えながら、帰国できない孤独な思いを秘めた人の心中が語れるシーンに 解決した訳では無いが、恩智の孤独が少し和らぐのを感じました。 ハンティングの描写や、剥製を壊すシーンは、作品に吸い込まれるような描写でした。 次巻も楽しみです。
過酷過ぎる僻地での年月。読んでいて辛かったです。 恩地さん、お疲れ様でした! でもきっと、まだまだ恩地さんの戦いは続くでしょう。 次巻楽しみです。
どこまで会社は社員をいじめ抜くことができるのか。恩地はそこまでのことをしたであろうか。ただ会社は恩地の正しさを恐れているだけではないか。果たしてこの先どのような展開になっていくのか楽しみで仕方がない。
十年のときを経て恩地が日本に帰国することになったところが、普通に感動してしまった。会社の不当人事について都労委の審問会で、十年間を語るシーンは、すごく印象に残った。一巻を読んだときは、家族を犠牲にしてまで、会社と闘う恩地に、あまり共感できなかったが、ここまで来て初志が貫徹されると爽快感がある。 そ...続きを読むれにしても、国民航空管理職の性根の腐った感じが、読んでいて気分が悪くなるくらいに生々しい嫌さを醸し出している。立て続けに起こった旅客機の事故を経ても、現場の労働者たちの労働環境の改善に動かないどころか、彼ら第一労働組合の訴えを不当として、中央労働委員会に再審査を決める八馬と中谷のセリフのところ(p467〜468)とか、一周回ってすごいと思う。 こうした上層部の感覚というのは、おそらく知らないだけで今でも色々なところで起こっているのだろうと思う。折しも、フジテレビの接待問題が起こっているときに読んだが、きっと氷山の一角なのだと思うと、気分が暗くなる。 一巻のときから思っていたが、何よりも、山崎豊子の取材のとてつもなさに驚く。六〇〜七〇年代の海外駐在員たちの実情が、よく分かる。 テヘランの現地の学校で文房具を全て盗まれてしまい、学校に行きたくないと言い出す恩地の二人の子ども。日本人学校もまだなく、妻が自分で子どもに勉強を教えるところや、帰国後の子どもたちの様子など、当時の海外赴任のイメージの空気感が伝わってくる。他にも、恩地がナイロビで出会う他社の日本人駐在員たちの様子や、現地の日本人コミュニティの雰囲気も、こういう感じなのかと勉強になった。 細かい描写が、恩地の飛ばされた僻地の生活感を伝えてくる。ストーリーの主軸には、日本航空という会社の内情と、恩地の闘いがあるわけだが、それだけでなく、今から50〜60年前の海外で働く日本人の実情が見えるのも面白かった。 すでに、墜落に誤着陸という連続事故が起きている。いよいよ御巣鷹山編だが、会社の体質が生む不穏な感じが、ひしひしと伝わってくる二巻だった。
2001年(発出1999年) 484ページ 2巻を読み終わって感じたことは、モデルである日本航空の御巣鷹山墜落事故、そして、日本航空経営破綻をニュースで見聞きしていた過去の経験から、ナショナル・フラッグ・キャリアにはこの先も暗雲が待ち構えているのだと教えてあげたくなるような気持ちです。この小説が書...続きを読むかれた頃は倒産はしていないけど、さもありなんと思わせるような中身の濃い2巻でした。3巻の御巣鷹山編は心して読もうと思いました。 私事ですが、風邪をひいて小説を読むのも辛かったのですが、この2巻目は途中をAudible で聞きました。Audible といっても聴き流しでは内容が入ってこないのである程度の集中力が必要です。この小説は、Audible でも自然に集中して聴くことができました。それほどのおもしろさです。ナレーターも素晴らしかった! 沈まぬ太陽3の配信はこれからなので、先に文庫本を読み終わることになりそうですが、これも楽しみです。 カラチからさらにテヘラン、ナイロビへと、まさに報復と思われる恩地の僻地赴任が続く。テヘラン赴任後、恩地の母の訃報の知らせが届く。慟哭の中、日本に帰国する恩地。その足で社長の桧山のもとを訪れ、テヘラン就航後は日本へ帰すとの約束を取り付けるも、その約束も反故となりその後のナイロビ赴任の辞令。妻とこどもとも離れ離れの生活。ナイロビでは週末ハンターとして、自然の中で唯一の趣味のハンティングに打ち込み、心の均衡をはかっていた。一方、国民航空の旅客機が連続事故を起こす……
やっと帰国が叶い、ホッとする結末。とにかく一気に読ませる筆致。母なるアフリカの大地に守られた主人公だったのであろう。
主人公が3箇所目の僻地勤務に携わる過程で、生活にも慣れ、狩猟という趣味を見つけ、それなりの妥協を見出しはしたが、会社に対する怒りや孤独が徐々に精神を蝕んでいたという部分が衝撃的だった。 10年間の僻地勤務がようやく終わった。 会社の利益追求するあまりに社員を大事にしない姿勢が、立て続けに飛行機事故...続きを読むを起こしてしまった。起こるべくして起きた墜落事故。それでも企業は保身に走るもんなんだなぁ。巨大企業の恐るべき裏面を見た。
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