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Posted by ブクログ
一編一編が味わい深くて、余韻に浸りながら編ごとに何度も読み返した。タイトル通り、後味が「ざらざら」とした短編集。けれど不快感のざらざらではなくて、ふとした瞬間に訳もなく泣きたくなるような、後悔に似た気持ちが残る感じ。
この本を読んでいるあいだ、かつて愛したひとたちとの幸福の瞬間を思い出していた。洗濯機の使い方がわからないわたしに、洗剤と柔軟剤を入れる場所を教えてくれたこと。彼の実家で食べた、キンキンに冷やしたイチゴに白砂糖と練乳をかけたものが美味しくて、今でも春になると自分で作って食べること。当時はマイナーだった、彼の好きなアーティストがテレビに出ていると、つい教えてあげたくなること。愛だったものは消えてなくなったのではなく、ひっそりと習慣のなかで息づいているのだと気がついた。
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小説・文芸
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