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Posted by ブクログ
天医会総合病院の院長・天久大鷲が告発され、事態は殺人事件へと発展。病院の存続すら揺らぐ危機の中、天才診断医・天久鷹央が真相解明に挑む。
告発から殺人事件へ転がっていく流れが強烈で、冒頭から一気に引き込まれた。今回は「患者の謎を解く医療ミステリー」という枠を超えて、病院そのものが外部から揺さぶられる“外圧型”の展開になっていて、シリーズの中でも危機感の濃度が高い一冊だったと思う。
そして何より印象的だったのが、これまでどちらかというと悪役的に見えていた天久大鷲の描かれ方。追い詰められた立場の中で見えてくる、地域医療に対する信念や責任感が想像以上に重くて、読み終わる頃には自然と「この人にも守りたいものがあるんだな」と見方が変わっていた。
普段は対立しがちな鷹央と大鷲の関係性が、この事件を通して少しずつ変化していくのもシリーズファンとして胸熱ポイント。単なる勝ち負けじゃなくて、互いを“理解せざるを得ない状況”に追い込まれることで、関係が更新されていく感じがたまらなかった。こういう「キャラ配置が動く回」はシリーズの中でも重要な節目になるけど、本作はまさにその立ち位置にいると思う。
さらに今回は、自称霊能力者の杠阿麻音も大活躍。良い意味で秩序の外側から風穴を開けてくる存在感が増していて、立ち位置がだんだん“ルパンの峰不二子”的になってきたように感じた。キャラとして好きなので、このまま準レギュラー的に今後も出てきてほしい。
全体として「事件の面白さ」と「キャラの再評価・関係性の変化」が同時に味わえる、シリーズの中でも読み応えのある一冊だった。
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