王将の前で待つてて

王将の前で待つてて

2,145円 (税込)

10pt

4.1

作家として次々と物語を生み出す傍ら、コツコツと詠んできた句を集めた著者待望の第二句集。
2010年~2023年の220句に加え、過去30年に詠んだ句から特にお気に入りの句を選んだ「自選一年一句」と、俳句に興味を持っている「あなた」へと向けた巻末エッセイを収録。日常から銀河まで、豊かなスケールで広がる川上弘美ワールドを堪能しながら、俳句の喜びに心から浸れる一冊。

●収録句より10句
不機嫌に人ほめちぎるさくらかな
たうがらし死んだともだちに会ひたい
メロン切るときをんなの目酷薄に
沖遠く鯨を呼びて鯨鳴く
交む前ザトウクヂラはみつめあふ
ラムネ痛しけふも朝より何もなし
ヒトやがて示準化石や冬銀河
掌の中の枇杷潰すなりはればれと
スマホ買ひ即罅入れる夜寒かな
レンジの中の小爆発も夏の果

【著者略歴】
川上弘美 (かわかみ・ひろみ)
1958年東京都生まれ。94年「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『水声』で読売文学賞、16年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞、23年『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』で野間文芸賞を受賞。19年紫綬褒章、23年フランス芸術文化勲章オフィシエを受賞。
その他の小説に『なめらかで熱くて甘苦しくて』『ぼくの死体をよろしくたのむ』『某』『三度目の恋』など、句集に『機嫌のいい犬』がある。

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王将の前で待つてて のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    #ヨンデルホン
    #王将の前で待つてて / #川上弘美(#集英社)
    #ドクリョウ #ヨミオワリ

    冬の夜に と金となりて読み終える

    0
    2025年02月03日

    Posted by ブクログ

    『示準化石とは、ある地質時代に特有の化石のことで、たいがい、すでに滅びている生物の化石であるとされる。人類は今のままではやがて滅びてしまう、という嘆きではまったくなく、なぜならどんな生物種も、いつかは滅びるものだからであり、それは悲劇でもなんでもない。むしろ、化石として残ることのできる幸運、種として

    0
    2024年12月26日

    Posted by ブクログ

    一作目で好きになり続けての2冊目。
    近年のものに含め、一年毎に一句選び評がついている付録付き。
    前回の生活の一部を川上風にはあるものの、なんだか不穏さを滲ませるものまであって物語の始まりや転換部を読んでいるような印象。
    連作?や見たことある型のものもありより生活感が増した印象。
    命というものを歪にし

    0
    2025年03月17日

    Posted by ブクログ

    俳句って日記代わりにもなるんだね。
    簡単に作ってるようで、これがなかなか難しいんだろうな。
    巻末に載っていたように、全部の俳句に解説が欲しかった。

    好きな俳句

    ・別れ来てラーメン食ふや暮の春
    ・花木槿 半目の写真消さず置く
    ・スマホ買ひ即罅(ヒビ)入れる夜寒かな

    0
    2025年02月21日

    Posted by ブクログ

    川上弘美の俳句は、何と言うか、子どものようだ。
    素直、まっすぐ、一本調子…。
    海の底深く潜らず、海面にゆらゆらと浮かんで空を見上げているような…。
    まるで付け足しのような季語、とか。

    0
    2025年11月12日

    Posted by ブクログ

    すっかりベテラン作家だと思っていたのですが、デビューの頃の俳句もあって、解説を読んで初々しさを感じました。

    この俳句、上手く言えないけれど小説と似ている気がします、とっても良い意味で。
    声に出して読んでました、なぜかとても心地よく。

    数読の俳句、行き詰まり感に共感。

    0
    2025年01月17日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    川上弘美さんの第二句集。
    俳句を始めて30年になるという。
    今回はその、30年間の「自選一年一句」という章があり、私が好きだと思っていた句が載っていたのが嬉しかった。

    この本のタイトル「王将の前で待ってて」であるが、収録されている俳句の一部である。全部は、
     「王将の前で待っててななかまど」

    0
    2025年01月04日

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