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Posted by ブクログ
タイトルのようにふわりとしてそれでいて濃い、印象的なエッセイでした。まるで、そこにあるかのように目の前に情景がうかびました。
例えば、地下鉄の広尾の駅を上がったところに見える「逃げ森」のお話とか。本当に目の前に緑の木々が広がり、都会の空気を感じることができました。
そして、11月になると散歩に行きたくなるお話。井の頭公園での場面。小学生の鼓笛隊のお話。鉄腕アトムを演奏する楽器の音が聞こえてきそう。あったな自分もそういう、目にしたけど語らないこと。なんてことない日常なのだけど。その風景は見る人によって、希望に満ちてはつらつしたものにも、もの悲しくも、ざわざわにも映る。どのようにもとれるありのままの描写に心はまりました。
いきなり「ぶはっ!」と笑えることろも沢山あった。
これはきっと笑わせようとされているのでなく、笑えてしまうのだ。
「魚の顔」「不明」「小説を書きはじめたころ」、このあたり、とても興味深く読めました。
「活字のよろこび」では著者の本、活字への強い思いが伝わってきました。
いちばんは「元気ない回路」に入りこんだときについて書かれている、読書日録。
この回路には、自分きらい、人きらい、もの考えない、もの考えすぎやらの路があって、入り込むとなかなか出られない。私も思い当たる。
そういう時、人と会う、お酒などのむ、なんていう方法もあるがそれがままならないとき、「本を読む」。
私も(私も、というか私はというか)、現実逃避したいとき(というか、頭の一部分で自分だけの楽しみや世界を持ちたいとき)本を読むということをする(前はそう読まなかったし現実逃避と思う所もそうなかったが)。
読んで癒すって、これはさみしいことか。と思ったりもした。
が、著者は、「そんなことはないと思う。(中略)好きな本を読んで、それからきのうあったことや、変なことや、おとといあった困ったことを思い出すと、それがたいしたことではなく思える」と言っておられ。とにかく「読む」ことを語っておられ嬉しくなった。
愛読書も沢山載っていて参考になった。
随分前の本ですが、これでかなり頭の中、川上さん漬けになった。(再読)
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小説・文芸
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