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師の臨終に立ち会い号泣し、奇禍に倒れた友の事故の様子を丹念に取材し記し、幽霊でも良いから夢に出てこいと弟子へ呼びかける。夏目漱石、芥川龍之介、鈴木三重吉ら一門の文学者から、親友宮城道雄、教え子、飼い猫クルツまで。哀惜をこめてその死を嘆き、思い出を綴る追悼文集。〈解説〉森まゆみ
(目次より)
Ⅰ
漱石先生臨終記/湖南の扇/亀鳴くや/花袋追慕/花袋忌の雨/寺田寅彦博士/御冥福を祈る/鈴木三重吉氏の事/四谷左門町/酒徒太宰治に手向く/黒い緋鯉/草平さんの幽霊/青葉しげれる/薤露蒿里の歌/舞台の幽霊/追悼句集
Ⅱ
朝雨/「臨時停車」より/東海道刈谷駅/「つはぶきの花」/宮城会演奏プログラム口上一束/ピールカマンチヤン/「新残夢三昧」より
Ⅲ
鷄蘇仏/破軍星/空中分解/アヂンコート/片山敏彦君
解説 森まゆみ
Posted by ブクログ 2023年02月28日
冥途や東京日記などの不思議な小説で好きになり、鉄道と借金の愉快なエッセイで笑って、そして漱石先生臨終記でぼろぼろに泣いて、この人は天才だと思った。
そんな百閒先生の追悼文集、偏屈な著者写真からは想像できないくらい情に溢れた文章ばかりで、胸がいっぱいになった。
宮城さんの演奏や写真を見ることですら「だ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月29日
小川洋子さんのラジオで紹介。百閒先生の誠実さと愛情深さが伺える。夏目漱石、芥川龍之介、田山花袋、寺田寅彦、飼猫のクルツまで。中でも親友宮城道雄の追悼は胸を打つ。訃報を受けたあとは欠伸の数を勘定した。死神の迎えを受けて目をさましたと始まる「東海道刈谷駅」は圧巻。芥川の自殺について「余り暑いので死んでし...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月01日
Ⅰ章は百間(と仮におく)のオフィシャルな部分。それよりⅡ・Ⅲ章のプライベートな付き合いの方に惹かれた。
宮城道雄との親交は初めて知った。鉄道を愛した百間だが、刈谷を通過する時は哀惜の念に耐えなかったであろう。
又、同窓生や教え子への追悼は若くして黄泉路に旅立った人々に対する、残された者からの寂寥...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月29日
副題のとおり、百閒の追悼に関する文章をまとめて一冊としたもの。
師、漱石についての文から始まる。岡山の中学校時代、満州に漱石が旅行するとの記事を見て、汽車に乗車している姿を一目見ようと駅に出かけた話から、初めて会いに病院に訪問したときのこと、また金を貸してもらうよう依頼に旅先の湯河原まで行った話...続きを読む
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