蓬莱島余談 台湾・客船紀行集

蓬莱島余談 台湾・客船紀行集

990円 (税込)

4pt

3.5

台湾はいつでも小鳥が啼いている。お正月に朝顔が咲き出す。まあ一ぺん来て御覧なさい――一九三九年十一月、精糖会社専務の友人に招かれ、鉄路で縦断した台湾紀行をはじめ、日本郵船の嘱託として主宰した船上座談会など、太平洋戦争開戦前夜の客船周遊記を集成。文庫オリジナル。
〈解説〉川本三郎

(目次より)

不心得/大和丸/東支那海/屏東の蕃屋/小列車/基隆の結滞/時化/砂糖黍/玄冬観桜の宴/バナナの菓子/蟻と砂糖/戻り道/船の御馳走/航路案内/迎暑/神風機余録/蕃さんと私/

当世漫語(昭和十四年十二月)/蓬莱島余談(昭和十五年七月)

波光漫筆 鎌倉丸周遊ノ一/入船の記 鎌倉丸周遊ノ二/三ノ宮の乞食 鎌倉丸周遊ノ三
/風穴 鎌倉丸周遊ノ四/山火事/流民/岸壁の浪枕/出船の記/門司の八幡丸/タンタルス/波のうねうね

新造/婦人接待係/沖の稲妻/虎を描いて/狗に類する/しっぽり濡るる
〈解説〉川本三郎

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蓬莱島余談 台湾・客船紀行集 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月02日

    『阿呆列車』の百閒先生が、日本郵船の嘱託職員としての乗船三昧の日々を綴ったエッセイ集。

    乗車体験を綴らせたら当代随一だったが、その力は乗船体験においても劣ることなく発揮されている。
    文人として畏まったところが一切なく、あくまで一人の人間として、そして失礼ながら決して立派ではなくどちらかというとスノ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月29日

    台湾は良かった、もう一度行きたくて夢に見るとまで書いている。
    途中で持病が出て苦しかったはずだが・・・招待してくれた、お砂糖会社の重役さんへの気遣いか。

    船で台湾の基隆(キールン)に着き、そこから鉄道で、明治精糖のある蕃仔田(ばんしでん)駅に着くのだが、特に用事もないのに、終点まで乗ってみて、海を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月03日

    編集付記にあるとおり、本書は著者の台湾紀行と日本郵船時代の船旅にまつわるエッセイを独自に編集し一冊とした文庫オリジナル作品である。太平洋戦争開戦前夜の客船周遊記は、出際に神戸で首尾よく麦酒が飲めるかどうかという話で始まる。結滞の発作をかかえたままの約9日間の台湾紀行には、観光名所的な紹介はあまりない...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月04日

    百閒が台湾を旅したときの紀行文かと思いきや、ほとんど台湾は出てこない(笑)。台湾が恋しいときは別の本を読むとして、この本では百閒節を味わえばいいと思う。

    旅行が特に好きじゃない百閒は、目的地に着いても下船しないし、頭の中は常に麦酒(ビール)のことでいっぱい。だから話は船内での同行人やボイ(ボーイ)...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月17日

    客船の体験を述べた随筆が中心ですが「台湾紀行」「国内のクルージング」「日本郵船の客船を使って行われた文士達の船上座談会」ーーという話が収録されてます。
    日本郵船の嘱託員として働いていた時期が時期だけに、太平洋戦争開戦前の気配を感じつつ、でも飄々とクルージングと豪華な食事と麦酒を堪能してる百閒先生の筆...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月07日

    一冊まるごと台湾への船旅の話かと思ったら、意外とその分量は少なく、あとは国内での船旅の様子だった。当時の日本の雰囲気が伝わってきたし、百閒さんの飄々と悠々として率直で人を食った感じの、他人とは一味違う行動が面白かった。船旅がしてみたくなった。

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    Posted by ブクログ 2022年02月17日

    随筆一つ一つは当然百間らしさは出ているのだか、通して読むと内容が重複する部分が多く、編集部が台湾つながりと旅客つながりの随筆を手当たり次第にまとめた、という感じが否めない。

    他の方が書かれているが、台湾には一度十日間程行っただけだし、旅客も日本郵船の顧問であった割には乗船回数は多くはない。百間は飛...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2023年09月30日

    内田百閒が日本郵船の顧問だった時に横浜、神戸、下関等を船で行き来した際の随筆を編集したもの。前半は台湾の製糖会社重役の知人を訪ねて9日間訪台した紀行文。当時の日本人の台湾に対する見方が素直に読み取れる。後半では郵船が誇る豪華客船の一等船室やレストランの様子もよくわかる。旅客機が一般化する前、客船黄金...続きを読む

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