感情タグBEST3
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ほんわかしてゆるい。でも、確実に川上さんの物事に対する見方が表れていて、それがとても好き。
物腰柔らかに見えるけれど、譲れないことがあって、大切にしたいことがちゃんとある。素敵だと思った。
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川上弘美さんの小説やエッセイはなぜか冬に読みたくなります。なんでだろうなぁ。そして、文体も他の作家さんと違って見えるんですが、これは私の勘違いですよね…。なんというか、文章も文字もどっしりしてて静かな感じ。だから冬のイメージなのかなぁ。不思議です…。そして、まったりゆっくりした文体なのに、ときどきザクッと核心のついた一文にやられてしまう。そんなところがいい意味で病みつきです。くすっと笑えるところも所々に散らばっています。あっという間に読めちゃう。
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川上弘美さんのエッセイはぼんやりと読むのにとても良いです。
こちらも面白かったです。
選ぶ言葉が素敵…「元気出ない回路」「十一月散歩」「偽ギリシャ」、偽の誕生日というのも面白かったです。
「元気出ない回路」に迷い込んでしまったとき、わたしも本を読むかなぁと思いました。
十一月なので十一月散歩にわたしも出掛けたいです。
読書案内も良かった。川上さんの好きな本の本も持っているので読みます。
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中学の教科書に載ってた『水にうかぶ桜』。
すこし水滴でくもったビニールを開けて、中の桜の花びらを水にうかべる想像シーン。
甘美、てこういうことをいうんだと中学生ながらに感じ入りました。
何度よんでもくもらない透明感。だいすき。
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何度ふきだしたことか。
電車なので控えめにしつつ、もういいやと。
印象に残ってるのは「きー」と鳩の話し。
「きー」は、最近の私は人に瞬間的に切り返せないので気持ちがわかる。
鳩は、ででぽぽの表現が好き。
うちのベランダにも鳩がやって来て時々糞害がある。
何とかならないかなぁ。
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存命中の女性作家で唯一「読みたい」と思える川上弘美のエッセィ。
内容ももちろん全部いいんだけど(作中に出てくるコンピュータの古さにびっくり!)、川上さんが母親と話していて、「相手の悪口は無視しなさい」的な(言葉は全然違うけど、そういう内容)ところがすごく印象に残りました。
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たまに無性に読みたくなる
通算十回目くらい?
おかげで、何か困った目にあったときには「驚愕したコアラ」というフレーズが出て来てしまう
文体にはわりと古めかしいところもあるし、単語にしても今はあまり使われないものも多々でてくるのに、ひらかな表現が多いせいか、ぞんがいにするりと読めてしまう
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川上弘美さんのエッセイ集。
この人のゆるゆるとしているけどゆるぎない感じ。
なにげないけど、にじみ出ているもの。
そんな『感じ』にすごくシンパシーを感じます。
中にドラえもんとのび太に関するエッセイがあって、
自分が若くて少し傲慢だったころは
のび太の依存心が好きではなかった。
でも大人になると、できることできないこともわかってくる。
ドラえもんと名前を呼んで、道具でひと時の夢を見て癒されて、さあ頑張るかとまた現実に帰ってくる。
そんな気持ちがわかるようになったし、だれか疲れた時にドラえもんのようにひと時のやすらぎを
与えることができる。
そんな人になりたいなっていう気持ち。
なんだかわかる。
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やっぱりこのひとの文章だいすきです! ただあとがきにもあるとおり、今と若干ことばの使い方がちがう。 別に嫌じゃないのだけれど、「このひとがこういう言い回しするなんてめずらしい」、と思ったりする。
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タイトルのようにふわりとしてそれでいて濃い、印象的なエッセイでした。まるで、そこにあるかのように目の前に情景がうかびました。
例えば、地下鉄の広尾の駅を上がったところに見える「逃げ森」のお話とか。本当に目の前に緑の木々が広がり、都会の空気を感じることができました。
そして、11月になると散歩に行きたくなるお話。井の頭公園での場面。小学生の鼓笛隊のお話。鉄腕アトムを演奏する楽器の音が聞こえてきそう。あったな自分もそういう、目にしたけど語らないこと。なんてことない日常なのだけど。その風景は見る人によって、希望に満ちてはつらつしたものにも、もの悲しくも、ざわざわにも映る。どのようにもとれるありのままの描写に心はまりました。
いきなり「ぶはっ!」と笑えることろも沢山あった。
これはきっと笑わせようとされているのでなく、笑えてしまうのだ。
「魚の顔」「不明」「小説を書きはじめたころ」、このあたり、とても興味深く読めました。
「活字のよろこび」では著者の本、活字への強い思いが伝わってきました。
いちばんは「元気ない回路」に入りこんだときについて書かれている、読書日録。
この回路には、自分きらい、人きらい、もの考えない、もの考えすぎやらの路があって、入り込むとなかなか出られない。私も思い当たる。
そういう時、人と会う、お酒などのむ、なんていう方法もあるがそれがままならないとき、「本を読む」。
私も(私も、というか私はというか)、現実逃避したいとき(というか、頭の一部分で自分だけの楽しみや世界を持ちたいとき)本を読むということをする(前はそう読まなかったし現実逃避と思う所もそうなかったが)。
読んで癒すって、これはさみしいことか。と思ったりもした。
が、著者は、「そんなことはないと思う。(中略)好きな本を読んで、それからきのうあったことや、変なことや、おとといあった困ったことを思い出すと、それがたいしたことではなく思える」と言っておられ。とにかく「読む」ことを語っておられ嬉しくなった。
愛読書も沢山載っていて参考になった。
随分前の本ですが、これでかなり頭の中、川上さん漬けになった。(再読)
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いつの話かな? と思えば95年の文章だった。
どうりでパソコン通信とかが出てくるはずだ。
あぁ、そんな時代もあったね
と懐かしく思い出す。
通信の世界は変化が激しいな。
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「あるようなないような」生活や読書日記などが収められているエッセイ。「あるようなないような」っていう言葉が絶妙だなあ。暇でも「あるようなないような」だし忙しすぎても「生活」が「あるようなないような」って感じたりするし。パソコン通信からインターネットに移行し始めた時期のエッセイ。川上さんは結構パソコン好きというか通信好きなのね。
にせの誕生日のエピソードがすごく好きだった。
「蟹にもじゃこを食べさせてあげてくださいね」って言われたらきゅんとするだろうなー。
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川上さんて、すっごく現代の作家さんかと思ってた。蛇にピアスとか、あの世代の。
だから、これ読んで、違うんだって驚いた。
作家になるまでとか、文章についての話とかが面白かったな。白骨温泉でふやけながら読む。
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川上さんが川端さんの本をお布団の中でゆるっと読んだように、私もこの本を毎日少しずつ、ゆるっと楽しんだ。
共感出来る大切なような事があちこちでちらりと光って見えたけど、いつもそのまま寝てしまって記憶に定かに残っていない。次読む時には引用をしなくては。
長嶋有さんとお友達なのが分かって何だか嬉しかった。
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何度も読みたいエッセイ本ってあまりないですが、これは貴重な一冊。
この人の、歩きながら真剣にぼーっとしている感じがたまらなく愛らしい。
「真剣なぼーっ」の中には実は空想・思考がフルカラーでたゆたっているんだけれど、普通はそういうたゆたう思考はそのまま流れていってしまう。浅い眠りの夢みたいに。
それをこともなげに言葉にして世界に呼び出してきちゃう強さがまた・・・嗚呼愛らしい。
「立春」という言葉を聴いて、「さまざまな小さい生き物でみっしり埋め尽くされた一枚の絵のようなものにちがいない」と確信する、このみずみずしさ。
春生まれだったら、なんかうれしいな。
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川上さんの本は、2冊目。川上さんは小説よりもエッセイの方がおもしろいかも知れませんね。
世界を川上さん好みの風味に味つけし直した淡い淡い幻想世界は、理学部という出自も生かして巧みに練り上げられていて、読み手は安心して現実世界から離脱するができるのではないでしょうか。全編を通じて、温かくてゆるくてちょっと不気味な生命のぬくもりを感じさせ、心の渇きを癒してくれる良心的な作品
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川上弘美のエッセイが好きだ。
小説以上にふわふわしていて、
ぼーっとしていて、
それなのに日常的な景色や行為に宿る、
人間の様々な感覚に鋭敏で、
この人の目を通すと世界がこんなふうに見えるのかと、
少し怖くなる。
癖になる。
読後に、
あぁ、川上弘美のエッセイは、
まるで詩のようだから好きなのだな、とわかった。
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単行本で読んだことがあるようなないような気がいたしておりますけれども、再読してみてやはり良質なエッセイだな…と感じ入った次第であります…。
ヽ(・ω・)/ズコー
読書のエッセイとかが特によかったですね! いや、他人の読んだ本とか気になるタチですので…川上さんが普段どんな本を読んでいるのか把握できた点は良かったです。
ヽ(・ω・)/ズコー
後は最後らへんの、まさに「あるようなないような」話は個人的に僕の感性と合致しているようで共感できました! 今後、また読み返してみたい本でもありますね…おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー
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大部の作品の合間合間に読んでいたので、やっと読み終えました。特に面白かったのは「なまなかなもの」で語られる川上女史の母親のこと。話に落ちもあって、くすっと笑ってしまいました。また、「近所の大仏」も無気味さ加減が実によろし。
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自分の中の川上さんのイメージは、ドールハウスの様な家に住んでいる作家さん。語彙の豊富さや表現の可愛いらしさ、幼少の頃のことをたくさん覚えていて、そういう出来事を面白く書けるのがすごい。生肉の絵本が気になります!読んでみたい。
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川上弘美のエッセイの中でも、現実逃避できる度合いは低めだと思う。もちろん、現実と空想の境目に居る感覚に陥ってしまうような話はある。だけど、全体的には低め。
90年代に書かれたものだから、2012年である今読むと、ちょっと驚いてしまうような内容もあった。特にPC関係の話とか。「カフェ?の中にパソコンがあるのか。へぇー」と読みながら思った。
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ちょっといいみたいな、そんな感じ。
このひとの言葉が好きだなぁ、と思わされる。
心地よい文章と空気、気取らない素朴さ。
ちょっとずれた感覚が楽しい。
ご飯がおいしそうなのも相変わらずいい。(そのことのルーツみたいな話を覗けるのもまた、嬉しい。)
文章の巧さとしゃべりの巧さは比例しないのかしら、と勝手に親近感を持ったり。
この飄々とした現実感のないひとが“お母さん”だというのが、なんだか想像できない。
かばん症には共感。
いろんなところから集めた文章なので統一感は全然無いのだけれど、川上弘美さんのその時その時の感覚に触れられる感じが贅沢にも思える。
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ネットが出来るエレクトロニックカフェってものが1995年ごろにあったことを知った。30分500円もしたんだ。パソコン通信て言葉もなつかしい。すごい勢いで進化したもんですね。
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エッセイだったり書評だったり、
エッセイのようなのにえらくファンタジックだったり、
いろんな川上さんが詰まった一冊。
川上さんらしさはたっぷり。
いろいろ読めてお得なような気もするけれど、
いろいろありすぎて、ちょっとまとまりに欠けたかなぁという気も。
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川上弘美という人は、毎日なにかにちょっぴり困って、うつむいている。かと思うと、ふと顔をあげて、いたずらを思いついた童女のようににっこり笑って駆けだしている。ただし行き先不明・・・というイメージ。
いつもどっちつかずでとらえどころがなくてわからない。つまりこのタイトルどおり「あるようなないような」な人です。って知り合いでもないのに言い切るのもどうかと思いますが。少なくとも、彼女のエッセイはそんな風情を醸し出していて、それがたまらなく魅力的。
なんにもやる気がでないときは、川上弘美ワールドに浸るとなんだか癒される。
さらに、このエッセイ集のいいところは、「読書目録」とか「読書ノート」とか、彼女の好きな文学についてのエッセイも含まれており、本ガイドとしても良いところです。
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とても久しぶりに本棚から引っ張り出して、
読みすすめてみたところ、
新しく感じ入る部分やシンクロする部分が増えていることに、
何だかかすかに誇らしい気分がした。
(鎌倉について、俳句についての部分でした)
その一方で、結局同じところに、
同じようにぐっと来ている自分に、
昔の日記を読み返して偶然気付いて、
なんだ、何も私は変わっていないなとも思ったり。
(ドラえもんについての部分でした)
歳を重ねても、
知識が増えても、
前よりお金を持つようになって、
少しはいろんな店にも詳しくなって、
一人で夜に飲みに行くくらいになっても、
結局のところ、私は何一つ、変わっていないのだと痛感。
それは、良いことなのか、
悪いことなのかは、また数年経てば分かるだろう。