作品一覧

  • 随筆 ふるさとの味
    5.0
    1巻990円 (税込)
    林檎は樹になったままがぶりとかぶりつき、苺は朝露に濡れたのをそのまま洗いもせず口へ入れる。鮭は漁れたてを素焼にして大根お しをそえて――。 明治時代の札幌に生まれ、上京のち作家デビュー。戦後は参議院議員として激動の時代を駆け抜けた著者。当時の女性たちが憧れたその人生に舌鼓を打つ珠玉の食エッセイ集を増補復刊! 【目次】 お重詰 しらうお さざえ さくら餅 あくまき 夏日新涼 巴里の秋 はつ雪の日 七面鳥 年始 スメヨーボ 雪山の味 トレドのお菓子 マシマロ 口腹の慾 身欠鰊のあめだき 朝鮮あざみと菊芋と 朝食譜 日本のビフテキ 精進料理 田舎家 タコ 四季に添うて 海鼠あり 蓬草紙 冬ごもり 舞踏会の花 サッテ 秋の味覚 春の献立 くき 美しきものは わが机 故郷の味 他人のほころび 大阪土産 きき酒 がらがら煎餅 七草艸子 もみじ菜 食味日記 家庭料理 五月の町 故園の果実 さとう 素顔 美味東西 秋果と女 伊勢の春 木の芽 よまき もろきゅう 味 味噌の味 つまみ喰い 味じまん (全56編)
  • 石狩少女
    4.1
    1巻825円 (税込)
    明治末の北海道札幌、主人公・野村悠紀子は、文学を愛し、空を眺めることやリンゴ畑に出かけることが好きな女学生。彼女は人から多くの関心を持たれる一方で、偏見、勝手な噂、男子学生からの執着、決められた結婚、家族の無理解などに悩む。そんななか内地の親戚の家に行くことになるが…。北海道の自然も美しい、著者の半生を反映した1940年刊行の傑作少女小説。
  • 第三の火
    -
    1巻660円 (税込)
    滝村くみ子は、青森行きのみちのく号から水戸駅に降り立ち、東海村へと向かうが……。北海道初の女性作家、『もめん随筆』を書いた女性随筆家による傑作。
  • 新粧
    -
    1巻660円 (税込)
    新婚旅行に出かける香澄と晴彦。蛇のびっくり箱の悪戯に、電車の中は大騒ぎに。そこに居合わせた晴彦の知り合いの竹内と出会い……。北海道初の女性作家、『もめん随筆』を書いた女性随筆家による、若者たちの姿を描いた傑作。
  • としまあず
    -
    1巻660円 (税込)
    30代の女の盛りを楽しもうという、としまのぐるうぷの名誉会員・その子は、富士大学教授夫人の美女である。愛の充たされぬ夫との生活を過して来たその子にとって、熱烈なファンである新進オペラ歌手・柳瀬俊吉の愛の告白は、青春が再び甦り、女としての充実した時を予感させる快いできごとであったが……。虚構の物語の中に女性心理を追究した力作長編小説。
  • もめん随筆
    -
    1巻495円 (税込)
    精錬された教養と女性の優しい情感が、木綿の着物の肌ざわりのような懐かしい感触で漂う作者の随筆は、夜ごとの憩いのひとときに快く気持をくつろがせてくれる。作者の清潔な人柄のよさは随所にたゆたい、読者の魂は無言のうちに清く浄化されるのである。「東京の女・大阪の女」「芥川さんのこと」「七月廿四日」などの随筆46篇に、詩集「楊柳詩」より10篇を選んでこれに加えた。

ユーザーレビュー

  • 随筆 ふるさとの味

    Posted by ブクログ

    著者は明治生まれの作家であり、参議院議員でもありました。

    日本、西洋の食に触れられた随筆集です。何度も読み返したくなるような、日本語の美しさが散りばめられている文章にうっとり。「他人のほころびを縫う気持ちを…..あらゆる親切は、そこからあふれてくるものでなくてはならない」という表現が印象深く、人間性が出ているなと思いました。

    秋刀魚の配給があったこと、西洋菓子がしゃぼんの匂いがしたこと、終戦後、さつまいもを食べる時、必ず塩を添えて食べなければ栄養失調になると言われていたことなど「へぇー知らなかった!」ということが記されていて勉強なりました。

    小説と随筆の区別の仕方の例えで、小説は会席料理

    0
    2025年05月07日
  • 石狩少女

    Posted by ブクログ

    情景の表現が美しかった。
    80年以上も前に刊行されたにも関わらず、主人公の感じる想いにとても共感できるところが多々あった。

    0
    2024年09月15日
  • 石狩少女

    Posted by ブクログ

    作家の佐原ひかりさんがおすすめしていたので読みました。

    北海道が舞台ということもあり、自然の描写が目に浮かぶようでした。そして氷室冴子さんのことや岩井俊二さんの映画なども思い浮かべたり。

    そして全ての登場人物の揺れ動く心が良くも悪くも魅力的でした。

    言葉とはまったくふしぎないきものである。

    0
    2024年06月10日
  • 石狩少女

    Posted by ブクログ

    「本読む少女は生きづらい - 明治末の女学生・野村悠紀子の青春と苦悩。少女小説の傑作、待望の復刊!」との帯に惹かれて読んでみれば、何という名作!この手の本を眠らせておいて、本が売れないとか言っている出版社のなんと多いことか…

    冒頭「風が、土が、日光が、果実をそだてるとおなじように、その土地の少女もまた、うるわしい果実の一つとして成長する。」と詩的な文章で始まる本作は、明治末に北海道札幌で生まれた、一少女の成長物語。著者自身が幼少期を過ごした経験を踏まえた、半自伝的小説です。

    主人公の悠紀子は、文学が好きで、空を眺めていたり、林檎畑に出かけたるのが好きな女学生。しかし、当時は良妻賢母を良しと

    0
    2024年02月13日
  • 石狩少女

    Posted by ブクログ

    入手しづらい状態が続いていたが、界隈では人気の作品とのこと。1940年に発刊された自伝的長編小説の復刊と知り、気になって読んだ。

    本読む少女は不良だと思われていた時代。
    良妻賢母教育に抗う文学少女、悠紀子のお話。
    北海道で生まれ育ち、女学校に通う。色々なもめ事があったり、あらぬ疑いをかけられたり、誤解を招く事が多くて、あまり楽しそうではない青春を送っている。
    でも土井先生だけは唯一の救いだった。悠紀子のことを、ここに留まっているべき人物ではないと励ましてくれる。そんな土井先生もやがて学校を出て行き…。
    あと、お姉さんもいるが病気になって、体の弱い悠紀子は追い出されるように秋田の親戚の元へ送ら

    0
    2025年06月02日

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