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少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと──。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。
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Posted by ブクログ
昭和の時代を生きた小学生時代がフラッシュバックするような、ほっこり系短編集。 言葉に出来ない心の痛みというか、まるで冷蔵庫に足の指をぶつけた時の、いやこれは違う。 今の小学生が読んでも情操教育的に良いかもしれない(文章も難しく無い) なんだか定期的に開きたくなる短編ばかりでした。 小学生の力...続きを読むでは、どうにもならない環境下での切ない話。
子に読ませたい一冊です。 吃音のある「少年」が、さまざまな出会いや経験を重ねながら成長していく姿を、7つの物語で描いた作品。 「きよしこ」って何だろう? そんな小さな疑問から始まり、気づけば物語の世界にぐっと引き込まれていました。 特に「乗り換え案内」と「北風ぴゅう太」は胸が熱くなり、「ゲル...続きを読むマ」と「交差点」は、いろんなことを考えさせてくれる物語でした。 そして、この作品は始まり方も終わり方も本当に素敵です。 読み終えたあと、静かな余韻が長く心に残りました。 最初から最後まで大好きだと思える作品。 また、読み返したい一冊です。 ******************** 重松清作品の中で特におすすめ度 ⭐⭐⭐⭐⭐ ********************
十数年前に初めて読み、読書が苦手だった私を本好きにしてくれた本です。 心の機微をこんなにも言葉で表現できるものかと感動したのを覚えています。
一瞬で読めるほど読みやすい。重松さんの作品は涙無しには読めないですね。吃音を通して見える世界に触れることができたし、学生時代を思い出すなんとも言えない感情。大人のダメさ、子供の心強さ、本当に素晴らしい作品です。
こんなに心にしみるお話に出会えたのは久しぶりだ。 何度でも読みたいと思える、数少ない大切な本。 きよしと出会った人たち。 一つ一つのお話が心に残る。 切なくて暖かい。
誰しもが、誰かに伝えたいことを抱えている。色々な理由で話せなかったりすることもある。「一人」のときもあるけど「独り」じゃない、「ひとりぼっち」じゃない。誰かがきっと、わかってくれる。そう思えた。 少年が少年であった頃のお話たちは、どれも別れや悲しさを帯びている。しかし、それこそが少年を強くさせてい...続きを読むるのではないのだろうか。 生きづらさや恥ずかしい思いなんていう簡単な意味付けを、僕はこの小説にはしない。自分の悩みや苦悩は、他の誰でもない自分のものであることを作者は絶対に知っているから。 だから、作者は「そばにいる」ことだけを望む。一人で乗り越えようとする人たちを包み込み、温めるように。
この本を開いてよかった... 吃音の「少年」はいつも一人ぼっちだった。 心の中ではみんなと同じように話しているのに、声に出すと吃ってしまう。 本当に伝えたいことは、はっきりと少年にはある。 全ての物語において、その終わり方が本当に良かった。やるせ無さ、切なさで押し潰されるときもあるけれど、少年...続きを読むからおとなになるまでの大切な経験だとも思う。 余韻が残る作品でした!
高校生の時に読んで以来、約10年ぶりに読み直した。吃音と生きていく少年の成長の物語。少年は成長するにつれて、言葉のピンチヒッターを繰り出すのが上手くなっている。「だいじょうぶ」のピンチヒッター、Vサインは大野には伝えられたのに電話越しのマサには伝えられず、見ている私がもどかしい気持ちになった。 読み...続きを読む進めていくうちに少年の成長を見守る母性的な感情が自分の中にいることに気づいた。一度読んだはずなのに、全く記憶になかったのは、高校生の時には母性が備わっていなかったからだろうか。この本を通して自分の成長も実感した。
きよしこが自分の思いを言葉にしようと成長していく姿に心を打たれた。吃音症ではなくても、自分の気持ちを表現する難しさは共感する部分が多く、学びが多かった。最後のあさのあつこさんの解説も小説家ならではの視点でとても良かった。定期的に読み直したいお気に入りの小説。
目次 ・きよしこ ・乗り換え案内 ・どんぐりのココロ ・北風のピュウ太 ・ゲルマ ・交差点 ・東京 吃音の白石きよし少年の、小1から大学受験までの話。 成長譚と言ってもいいのかもしれないが、吃音のせいで内省的な少年は、小1の時点ですでにクラスの子どもたちより大人ではあった。 「当たり前」をできな...続きを読むい人を、子どもたちは嗤う。 子どもって大人に比べてできないことが多いから、そんな自分よりできない人を見ると安心するのか、集団ヒステリーのように大勢で嗤う。 怒ると余計に吃音がひどくなり、そうすると余計に相手を喜ばせるだけだということを悟っている少年は、言いたいことも言わず、できるだけどもりにくい言葉に置き換えて話すことが習慣となった。 重松清の作品なので、まあ、切なさてんこ盛りです、 その中で特に切なかったのは『乗り換え案内』かな。 小学3年生の夏休み、「おしゃべりサマーセミナー」という、吃音を改善するための講座に通わされた少年は、そこで加藤くんと出会う。 加藤くんは何も言わずにちょっかいをかけてくる。 最初は腹が立ったけど、徐々に気心がしれて仲良くなった時、セミナーが終わる。 「らい、ねん」と言った加藤くんに「引っ越すんだ、もうすぐ」と言わざるを得なかった少年。 小学生にとって転校って、永遠の別れのようなものだからね。 私自身、小学校は四校に通ったので、余計に少年の辛さが身に沁みたのだ。 あと、中学校時代の野球部でのことを書いた『交差点』。 これは野球部の顧問に物申したい。 ずっと小学生の時は転校ばかりしていた少年が、三年間同じ中学校に通い、野球部で仲間もできた。 そこに野球の上手い転校生が来て、あっという間にレギュラーをさらう。 仲間の気持ちも転校生の気持ちもわかる少年は、「野球は実力だ」と言って転校生をかばうのだが。 これは顧問が一言いうべきだろう。 努力に報いるために勝たせてやりたいとか、成功体験は必要だとか、理由はあるだろう。 顧問にしたって、自分が始動したチームが負けるよりは勝つ方がいいに決まっている。 でも、学校の部活なんだから、まず野球は団体スポーツで、チームの不和は一番の敵であることを顧問の口から言えよ、って思う。 指導してて気づかんのか? 気づいていて、無視してるのか? どちらにしても指導者としていかがなものか。 「教師になりたいから東京の大学に行きたい」と言った少年に「自分の思うとることをちゃんと言えんうちは、先生には絶対になれん思うけどの、お父ちゃんは」という父ちゃんはかっこいい。 一番必要な時に、一番必要な言葉をくれたのではないだろうか。 結局教師ではなく作家になったのは、少年は言葉で「伝える人」になったということなんだろう。
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