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捨てたものではなかったです、あたしの人生――。男二人が奇妙な仲のよさで同居する魚屋の話、真夜中に差し向かいで紅茶をのむ主婦と姑、両親の不仲をみつめる小学生、そして裸足で男のもとへ駆けていった女……。それぞれの人生はゆるくつながり、わずかにかたちをかえながら、ふたたび続いていく。東京の小さな町を舞台に、平凡な日々の豊かさとあやうさを映し出す連作短篇小説。
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Posted by ブクログ
子どもを産んでから、「私が可愛がってもらった曽祖母や祖母と、この子が会うことはないんだな」とふと思い、じゃあ私(や私と同世代のいとこたち)が死んだ時点で、曽祖母や祖母を知ってる人っていなくなるんだ!!とはたと気づくことがあった。 曽祖母から見れば私の子どもはたった4世代しか離れてなくて、なのにほんの...続きを読む数年前まで生きていた曽祖母を、私の娘は全く知らないし、知ることはないのだ!! 私には曽祖母や祖母との思い出がこんなにあるにも関わらず、私が死んだらもう誰も彼女たちのことを知る人は誰もいなくなるのだ。 人生ってなんてあっけないんだろう、歴史に名を残さない大多数の人々は、こうやってあっけなく忘れられるのだ。 そんなことを考えていた私の心を、最終章は少しだけ慰めてくれた。 私が死んでも、私の娘は私を知っているから、私はまだ死なない。そして私が死なない限り、私の曽祖母や祖母、両親たちも死なないのだ。 そしていつか娘が亡くなる日が来ても、娘の次の世代の子たちが娘を知っていてくれる限り、私も曽祖母も祖母も両親も死なないのだ。 人生のあっけなさが少し和らいだようで、眠れない夜にホットミルクを飲んで、ようやく眠気が訪れたように、少しほっとすることができた。 川上弘美さんの文章が大好き。
近所ですれ違う、名前も話したこともない人たちの人生や考え方の想像が膨らむ。「あけみ」に最も感情移入した。
川上弘美って、 どうしてこうも怖いのだろう。 以前からそうなのだが、 年々その怖さが増していき、 先に読んでいた『森へ行きましょう』に真骨頂を見ていたが、 この作品で既にその片鱗が明確に現れていたか。 ふわっと夢のようでありながら、 生々しさと毒があって、 そのくせ冷たいくらいに俯瞰している視線...続きを読むがある。 それはグロテスクではない静かなものだからこそ、 とても怖く感じる。 確かにどこにでもありそうな町の人間模様に、 少しでも足を踏み入れれば、 そこにはひとりひとりの人生があり、 それは何にも変えられない超個人的なものだ。 その人生達が触れ合って、絡み合い、 通り過ぎて、離れていって、 そうしてまたひとつずつの物語が広がっていく。 始まりからゆっくりと積み重ねられた終わりの展開に、 背筋が凍る。 どうしてこんなに怖いのかと考えてみると、 きっとすべてが平等だからだ。 生きとし生けるものも、 意識も無意識も、 生と死も、 ひとつづきであるという真実を、 川上弘美は言葉にして、物語にしてしまえるから、 とても怖いのだ。
連作短編集とのことで一つの街を舞台に別の視点から語られる11の物語。とても良かった、なんだろうこの哀愁とも似る様で似つかない感覚は。5年前に読んでも響かなかっただろうなあ
平穏な日々にあるあやうさと幸福。ほっこりしながら読み進めていました。 最後から数頁前の一行から、わたしは背筋が伸び、また川上さんの世界に引き込まれるのでした。川上さんのお話は、なんでこうも人生の無常さを表されるのでしょう。 読んだ後は、しばらく切なさマックスだったが、後に希望が見えてくる。青い空の向...続きを読むこうから、真紀さんが微笑んでこちらを見てるような絵が浮かんだ。 生きてることは素晴らしいと訴えてくる。またわたしは心で泣けました。
川上弘美さんは比喩の効いた文章が最高なんだ!と知人に勧められ 本棚に眠っていたのを 再読。 短編小説だよねーと 読み進めて いや ちょっと待って。商店街の店 それぞれの話、その街の人々の話、緩く繋がってた。「好きな人が死ぬと、すこし自分も死ぬのよ」最後のほうに出てきたこのセリフ ジーンときた。全編...続きを読む 謎めいて それでいて 哀しみあって けど ふわっとする。いい読書 しました。
ある街に住む10人くらいの人の日常や人生について書かれた短編小説。 他人のプライベートを覗き見している感じで面白いなって思う。特に恋愛とかエッチとかの話がね。 角田光代が影響を受けたとと言っていつしかの取材で紹介していた小説家っていうことで読んでみた小説だけど、さすがに角田光代のおすすめだねって...続きを読む思った。作風が少し似ているなって。
住んでた町の商店街の居酒屋、軽食屋、魚屋の回想。最後の章では、えっそうきたか、それも面白い締めくくり。
どこにでもある、なんてことない町の風景。それを織りなす人々の、ひとつひとつの人生に歴史があり物語がある。その価値というものは持ち主にしかわかりえないけれど、人生は必ずしもその持ち主だけのものではない。そんなことを客観的に垣間見せてくれるような短編集だった。さして特別な事件は起きないけれど、何気ない言...続きを読む動が波紋のように静かに広がり周囲に影響を与えていく様がリアルだった。
息子が持っていた『神様』が著者との出会い。本書も含め、作品のタイトルが気に入って、著者の作品は数冊が積読状態だ。構成は連作短編で、途中から人物相関図を作りながら読み進めた。そうすると、この街(作品)の中心が魚春だと気付く。親と子、男と女、そして他人同士が関わり交わる、あるようでないような世界観が良か...続きを読むった。
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どこから行っても遠い町(新潮文庫)
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川上弘美
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