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Posted by ブクログ
子どもを産んでから、「私が可愛がってもらった曽祖母や祖母と、この子が会うことはないんだな」とふと思い、じゃあ私(や私と同世代のいとこたち)が死んだ時点で、曽祖母や祖母を知ってる人っていなくなるんだ!!とはたと気づくことがあった。
曽祖母から見れば私の子どもはたった4世代しか離れてなくて、なのにほんの数年前まで生きていた曽祖母を、私の娘は全く知らないし、知ることはないのだ!!
私には曽祖母や祖母との思い出がこんなにあるにも関わらず、私が死んだらもう誰も彼女たちのことを知る人は誰もいなくなるのだ。
人生ってなんてあっけないんだろう、歴史に名を残さない大多数の人々は、こうやってあっけなく忘れられるのだ。
そんなことを考えていた私の心を、最終章は少しだけ慰めてくれた。
私が死んでも、私の娘は私を知っているから、私はまだ死なない。そして私が死なない限り、私の曽祖母や祖母、両親たちも死なないのだ。
そしていつか娘が亡くなる日が来ても、娘の次の世代の子たちが娘を知っていてくれる限り、私も曽祖母も祖母も両親も死なないのだ。
人生のあっけなさが少し和らいだようで、眠れない夜にホットミルクを飲んで、ようやく眠気が訪れたように、少しほっとすることができた。
川上弘美さんの文章が大好き。
Posted by ブクログ
川上弘美って、
どうしてこうも怖いのだろう。
以前からそうなのだが、
年々その怖さが増していき、
先に読んでいた『森へ行きましょう』に真骨頂を見ていたが、
この作品で既にその片鱗が明確に現れていたか。
ふわっと夢のようでありながら、
生々しさと毒があって、
そのくせ冷たいくらいに俯瞰している視線がある。
それはグロテスクではない静かなものだからこそ、
とても怖く感じる。
確かにどこにでもありそうな町の人間模様に、
少しでも足を踏み入れれば、
そこにはひとりひとりの人生があり、
それは何にも変えられない超個人的なものだ。
その人生達が触れ合って、絡み合い、
通り過ぎて、離れていって、
そうしてまたひとつずつの物語が広がっていく。
始まりからゆっくりと積み重ねられた終わりの展開に、
背筋が凍る。
どうしてこんなに怖いのかと考えてみると、
きっとすべてが平等だからだ。
生きとし生けるものも、
意識も無意識も、
生と死も、
ひとつづきであるという真実を、
川上弘美は言葉にして、物語にしてしまえるから、
とても怖いのだ。
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