【感想・ネタバレ】どこから行っても遠い町(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

捨てたものではなかったです、あたしの人生――。男二人が奇妙な仲のよさで同居する魚屋の話、真夜中に差し向かいで紅茶をのむ主婦と姑、両親の不仲をみつめる小学生、そして裸足で男のもとへ駆けていった女……。それぞれの人生はゆるくつながり、わずかにかたちをかえながら、ふたたび続いていく。東京の小さな町を舞台に、平凡な日々の豊かさとあやうさを映し出す連作短篇小説。

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Posted by ブクログ

子どもを産んでから、「私が可愛がってもらった曽祖母や祖母と、この子が会うことはないんだな」とふと思い、じゃあ私(や私と同世代のいとこたち)が死んだ時点で、曽祖母や祖母を知ってる人っていなくなるんだ!!とはたと気づくことがあった。
曽祖母から見れば私の子どもはたった4世代しか離れてなくて、なのにほんの数年前まで生きていた曽祖母を、私の娘は全く知らないし、知ることはないのだ!!
私には曽祖母や祖母との思い出がこんなにあるにも関わらず、私が死んだらもう誰も彼女たちのことを知る人は誰もいなくなるのだ。
人生ってなんてあっけないんだろう、歴史に名を残さない大多数の人々は、こうやってあっけなく忘れられるのだ。

そんなことを考えていた私の心を、最終章は少しだけ慰めてくれた。
私が死んでも、私の娘は私を知っているから、私はまだ死なない。そして私が死なない限り、私の曽祖母や祖母、両親たちも死なないのだ。
そしていつか娘が亡くなる日が来ても、娘の次の世代の子たちが娘を知っていてくれる限り、私も曽祖母も祖母も両親も死なないのだ。
人生のあっけなさが少し和らいだようで、眠れない夜にホットミルクを飲んで、ようやく眠気が訪れたように、少しほっとすることができた。

川上弘美さんの文章が大好き。

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2024年08月20日

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ネタバレ

これはタイトルが猛烈に好きで中身も知らずに買った本。東京のどこかの町の、商店街を中心とした11の連作短編集だった。読む前から絶対に好きだと分かっていたけれど、最後まで読んでみてやはり大好きだった。
ただ続いていく日常と積み重なっていく過去。この町で働く人、買い物に訪れる人、住居としている人。主人公が代わっていっても一様に温度の低さが心地よく、誰も無理をしていないように見える。
この町の人々は、自分の心と孤独に向き合い、隣人に心をさらけ出したり隠してみたり、付かず離れず生きている。どこにでもいそうだけれどここにしかない、はかない繋がりがあって、それがどうしようもなく心を惹きつける。
特に忘れられないのは「長い夜の紅茶」。姑の弥生さんの一言一言にドキッとさせられる。男にも家にも、どこにも縛られていない彼女の自由な瞳を見てみたい。どんな眼をしているんだろうとふと思うのだ。きっと眼がすべてを語っているんじゃないだろうか。
女の友情を超えた関係性が生まれる「貝殻のある飾り窓」も切なくて好きだった。
共感できることはほとんど無いのに、この本に出てくる人たちのことを、誰一人嫌いになれない。どれもこれも、分かりそうで分からない。人間の魅力ってそこにあるのかもしれないと思えてくる。

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2023年01月10日

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近所ですれ違う、名前も話したこともない人たちの人生や考え方の想像が膨らむ。「あけみ」に最も感情移入した。

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2022年10月23日

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川上弘美って、
どうしてこうも怖いのだろう。

以前からそうなのだが、
年々その怖さが増していき、
先に読んでいた『森へ行きましょう』に真骨頂を見ていたが、
この作品で既にその片鱗が明確に現れていたか。

ふわっと夢のようでありながら、
生々しさと毒があって、
そのくせ冷たいくらいに俯瞰している視線がある。
それはグロテスクではない静かなものだからこそ、
とても怖く感じる。

確かにどこにでもありそうな町の人間模様に、
少しでも足を踏み入れれば、
そこにはひとりひとりの人生があり、
それは何にも変えられない超個人的なものだ。
その人生達が触れ合って、絡み合い、
通り過ぎて、離れていって、
そうしてまたひとつずつの物語が広がっていく。

始まりからゆっくりと積み重ねられた終わりの展開に、
背筋が凍る。

どうしてこんなに怖いのかと考えてみると、
きっとすべてが平等だからだ。
生きとし生けるものも、
意識も無意識も、
生と死も、
ひとつづきであるという真実を、
川上弘美は言葉にして、物語にしてしまえるから、
とても怖いのだ。

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2021年08月27日

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連作短編集とのことで一つの街を舞台に別の視点から語られる11の物語。とても良かった、なんだろうこの哀愁とも似る様で似つかない感覚は。5年前に読んでも響かなかっただろうなあ

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2020年10月04日

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平穏な日々にあるあやうさと幸福。ほっこりしながら読み進めていました。
最後から数頁前の一行から、わたしは背筋が伸び、また川上さんの世界に引き込まれるのでした。川上さんのお話は、なんでこうも人生の無常さを表されるのでしょう。
読んだ後は、しばらく切なさマックスだったが、後に希望が見えてくる。青い空の向こうから、真紀さんが微笑んでこちらを見てるような絵が浮かんだ。
生きてることは素晴らしいと訴えてくる。またわたしは心で泣けました。

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2020年06月11日

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好きだなー
小説を書く予定はないけど、もし小説家になるとしたらこんな小説が書きたいと思う。
不倫が多すぎる気はするが。

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2025年10月26日

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ある小さな商店街にすむ人たちの日々。

ただ誰かと知り合うだけで、ただ誰かとすれちがうだけで、ただそこにいるだけで、ただ息をするだけで、何かを決め続けてきたのだ。

幸せになったり、不幸せになったり。
生きている限り、新しいことは起こる。

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2025年05月22日

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1つの町を中心に語られる遠いどこかで繋がっている人たちの物語。誰もが誰かの脇役であり、各々に背景があるのだ。きっと予想さえつかない未来に向かって、理想を掲げて今を生きるしかないのだと思う。この本を読んだ後、何かにもがいた人しか得られない、辿り着かない境地があるのではと思った。
時間とともに、何かを決めようと思わなくとも決めさせられている。そういった集まりが人生なのだろう。

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2025年03月16日

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川上弘美さんは比喩の効いた文章が最高なんだ!と知人に勧められ 本棚に眠っていたのを 再読。
短編小説だよねーと 読み進めて いや ちょっと待って。商店街の店 それぞれの話、その街の人々の話、緩く繋がってた。「好きな人が死ぬと、すこし自分も死ぬのよ」最後のほうに出てきたこのセリフ ジーンときた。全編 謎めいて それでいて 哀しみあって けど ふわっとする。いい読書 しました。

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2024年03月24日

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ある街に住む10人くらいの人の日常や人生について書かれた短編小説。

他人のプライベートを覗き見している感じで面白いなって思う。特に恋愛とかエッチとかの話がね。

角田光代が影響を受けたとと言っていつしかの取材で紹介していた小説家っていうことで読んでみた小説だけど、さすがに角田光代のおすすめだねって思った。作風が少し似ているなって。

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2022年10月03日

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住んでた町の商店街の居酒屋、軽食屋、魚屋の回想。最後の章では、えっそうきたか、それも面白い締めくくり。

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2021年11月12日

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どこにでもある、なんてことない町の風景。それを織りなす人々の、ひとつひとつの人生に歴史があり物語がある。その価値というものは持ち主にしかわかりえないけれど、人生は必ずしもその持ち主だけのものではない。そんなことを客観的に垣間見せてくれるような短編集だった。さして特別な事件は起きないけれど、何気ない言動が波紋のように静かに広がり周囲に影響を与えていく様がリアルだった。

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2021年02月22日

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ネタバレ

ある商店街の魚屋、そこに少し関わる人たちと、更にその人たちにちょびっと関わる人たちのそれぞれの物語11編。
こういう、ある場所でのさまざまな人のあれこれ的な連作短編が好きだ。
電車で長距離移動すると、見える家々のほぼすべてに人が暮らし、それぞれにそれぞれの時間があることに、うわーって気持ちになるけど、それの規模小さく高解像度で見ている感じ。

商店街で少しだけ関係している人たちにも、当たり前だけどそれぞれに色々なことがあり、他の人が思いもよらないことを経験し、自分が1度も気にしたこともないことを考えながら生きている。
それらを俯瞰的にみることは、通常ない。それぞれ色々なことは事実としてわかっているし、幾つかのエピソードを知っていても、そのときの心情とか細かいところまで考えが及ばない。
しかし、事実として、すべての人にそれぞれ違う色々があり、考えていることはわからない。

川上弘美さんの小説の多くで感じることだけど、この人の本に出てくる人(人以外も)の言葉にドキっとさせられることが多い。
日常の中ではすぐ消えてしまう、そう思ったり感じたことすら忘れてしまうふわふわと曖昧な気分を言葉にしてくれる。
そういう言葉に触れるたびに、言葉にならなかった感触に言葉を与えられた気持ちよさを感じる反面、自分も感じていたそういう感覚を忘れてしまっていて、そのちょっとしたひっかかりとか気づきについて考えたり言葉にしたりすることをやめていることに気づかされ、さぼっているのがばれたみたいな気持ちにもなる。

毎日同じようなことをして、同じようなことを考えているようで、実は微妙にちがうことを感じたり思ったりしている。毎日同じ、とすることで楽になる部分もあるのだろうけど、毎日微妙に違ったり、言葉で分けられない感情や感触を実は毎日味わっている、というか、分けられないその場かぎり、しか実はない。
雑に言葉を当てることで、毎日が同じになってしまう。
そんなようなことを思ったり。

あと、女性の名前がなんだか味わい深い。
佐羽 時江 あけみ 衿子(えりこ) 央子(なかこ)など。

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2021年01月10日

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息子が持っていた『神様』が著者との出会い。本書も含め、作品のタイトルが気に入って、著者の作品は数冊が積読状態だ。構成は連作短編で、途中から人物相関図を作りながら読み進めた。そうすると、この街(作品)の中心が魚春だと気付く。親と子、男と女、そして他人同士が関わり交わる、あるようでないような世界観が良かった。

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2020年03月23日

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解説にあった、「生きていくということはどうやっても、不安に充ち満ちたものなのです」
という一文がこの短編集を簡潔に言い表している気がした。
そして、自分にとても刺さった。

すっきりしないこと、いろんな人からの言葉、未来への不安を心に抱えながら、年齢を重ねれば重ねるほど、未来からの逆算をしながら生きてしまう。
幼い頃は、もっと目の前のことだけを見て生きていた。目の前のことに夢中になれた。
未来を考えるようになってしまって、いまを大切にできなくなってしまった。

そんなことを考えました。

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2019年09月08日

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何もガムシャラでなくてもいいんじゃないか。
迷ったり、スッキリ解決しきれなかったり、これまでもこれからもいろいろあるよね、生きてれば。
そんなことをぼそっとつぶやいてみたくなる。
不安定さも、もやもやも、あったかみも含めて。 

寂しげに思えたタイトルだけど、なんとなく、それも込みのもう少し違った感覚でわかるような気がした。
気に入ったフレーズもいくつか。
ゆるくほっとさせてもらえる作品だった。

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2019年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

都心から私鉄で20分ほどにある小さな町。その町の商店街を舞台にした11の物語は、それぞれがゆる~く繋がりながら、人と人が暮らすなかで起こる、小さな心の動きをさりげなく描く。

何か特別なことが起こるわけでもなく、それぞれの物語の終わりはなんとも中途半端で、だからこそ、わたしたちの日常は、決して物語のように切り取られて完結するものではなく、平凡に続いていくことに思い至る。

前の物語で脇役だった人物が、あとの物語で主人公になるとき、最初に見えていた景色が違う色彩を帯び、立体的になる。最後まで読むとまた、最初に戻って読みたくなるようなそんな配置もgood。解説の松家仁之さんの文章も秀逸。

どの物語もなかなか良かったけど、一番好きなのは「長い夜の紅茶」かな~。なんだか、お姑さんとしみじみ語り合いたくなった。

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2019年03月13日

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【2025年127冊目】
亡き妻の愛人と共に住む男、碌でもない父親を名前で呼ぶ息子、どこか距離のある母娘、運のない男、互いにマイペースな嫁姑、添い遂げられない男女、訳ありの恋愛を見つめる友人、占い師になった男、雨を切り取る女、二人の女に挟まれる男、死んだ女の回想。人に歴史と事情あり――とある町に住む人々の関係性と人生を描いた連作短編集。

物語は一人称で進み、登場人物たちは自らもしくは他人の数奇な人生について語ります。人の数だけ人生があって、当人にとっては平凡で平均でも、他人から見ると普通ではないと言えることばかりなような気がします。

振り返るように語られる物語は、不思議と溶け込むように頭に入ってきますし、連作短編集なので区切りもつけて読みやすいです。ある話で出てきた名前の人が、違うところで主人公だったりして。町は、見えていないだけで、そういった人々の集合体で成り立っているんでしょう。

そもそも文章が大変読みやすい作家さんなので、するする読めるのも魅力的。他の作品のほうが話としては好きなものが多いですが、十分楽しめました。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

ある商店街に根差した、生活と記憶の連作短編集。淡々として、想像を膨らませたほどの劇的な変化などなく、ちょっと退屈で、けれど気づけば夢中になっている。一冊まるごと人生のようだと思った。どの短編も愛や希望で飾り付けされることなく、主人公になれば生活の内側が、脇役になれば外側がさらさらと描かれていく。最後の『ゆるく巻くかたつむりの殻』まで読むことで、個々の話が「短編集」としてひとまとまりになっていく感じがした。
自分のなかにある誰かの姿が、ふと生々しく蘇る瞬間。生きている、と信じきってしまう。あのひとは今もあの頃の姿のまま。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

ある小さな町の商店街を舞台にした連作短編集。
平凡といえば平凡と言えるかもしれないが、そこには、現実的で、不揃いで、決して格好の良いものでもないリアルな人生がある。豊かさなのか、不幸なのか。

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2025年03月25日

Posted by ブクログ

はじめて読む川上弘美さんの小説。少し気を抜くと、ホロホロと溶けていきそうな文章。
それなのに、登場人物達は自由でヒョウヒョウと好きな場所目指して動いて行ってしまうから読んでいて不思議だった。居ないけど居そうな登場人物達。川上弘美さんは人間をよく観察しているんじゃないかな?と思った。
この小説の空気感は理解するとか共感するってことではないんだろうなー。時々ふした時に思い出しそうな短編集だった。

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2023年10月01日

Posted by ブクログ

都心から地下鉄で20分程のある街。魚屋の魚春には、かたつむりの殻のように増築された3階がある。魚春には、母屋に暮らす平蔵と、増築された部屋に住む源二が不思議な同居生活を送っていた。

基本的にそれぞれの短編でなされつつ、年も世代も少しずつずれながら、少しずつ重なっている11作。それぞれの人や家族の生活を覗き見するような、掌編である。

魚春、学習塾、居酒屋など、わかりやすい重なりで前半は進むものの、中盤から重なってるんだか重なっていないんだか、しかもいるんか?という言うのも少しあり、中だるみが生じている。後半の作ではまた重なる部分を意識できるような作風となるため、終盤ではそういえばそういう人たちいたよな、と思い出す。

川上弘美の作風では有るが、投げっぱなし、会話を置きっぱなしという書き方は気になるものの、『蛇を踏む』よりは柔らかい文章ではまる人も多いかと思う。

恋愛に注目する部分も多いものの、その裏という意味なのか、全体に漂う死の雰囲気は、全体の退廃感を醸し出している。

ああ、これが言いたかったんだろうなという部分は、暗喩でもなんでもなく直球で表現されているので、特に考え込むような部分はないし、文章も柔らかめで読みやすい一冊であるものの、決め手に欠ける。

好きな人は好きだが、はまれなかった人は全然だめという一冊でも有る。

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2021年12月20日

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タイトルが素敵。

短編集だが
それぞれの話が繋がっている作品。

何かが分かりそうで、
最後まで何も分からなかった。
そこが良かったけれど。

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2021年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルにひかれて手に取りましたが、どうも、想像していたのと違いました。
とてもざっくり言ってしまうと、明るい日常の裏にある、暗いもの、が、テーマの短編集という印象でした。語り手も内容も全部違うのですが、わずかにつながり、ある下町の商店街に関わりながら、進んでいます。
何か結論を出そうというのでなく、一人一人のささやかな物語という感じです。あまり悩まないタイプの私にはわからない心情が結構あって、モヤっとしてしまいました。勉強にはなったかな…?

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2021年09月27日

Posted by ブクログ

表紙絵も相まって、雨の日に読みたい一冊。
はかない、ものがなしい人間の側面と、それらがもつ美しさを描いている。関わり合いの中で人は生きていて、少しずつ重なり合ってこの世界はできている。長い夜の紅茶、がおきにいり。

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2021年04月28日

Posted by ブクログ

東京のとある小さな町に住む人々の日常が11人の視点から語られる短編連作。語られる人が語り手になったり、複数の話の中に登場してくる人がいたり、普通の人々の人生が浮き彫りになってくるようで面白かった。しかし平凡とは何だろう?良い事ばかりではなく悲しいこともあったけれど、不幸ではなかった、そんな人生。たとえ死んでも、誰かの記憶の中に残っていてたまに思い返されるゆえに存在する、そんな人生。切なさと暖かさが混在してしんみりじわり…となりました。

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2020年11月24日

Posted by ブクログ

川上弘美 著「どこから行っても遠い町」、2011.9発行。連作短編11話。登場人物が多くて、連作かどうかわからなくなりそうでしたw。メモ取りながら読んだのですが(^-^) テーマは難しかったです。私は、「人は二度死ぬ」がテーマかなと思いました。死んでも、自分を知ってる人、自分を想う人が生きてる限り、自分はまだ生きていると。

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2020年11月13日

Posted by ブクログ

どこから行っても遠い、決して近づけない、人と人との絶妙な距離感を、一つの町における人間模様をベースにして描いている。
はじめから終わりまで読んでまたはじめから読みたくなる、解説にあったこの言葉がまさにこの本の、この町をぐるぐるとめぐる味わい深さを表しているように思う。

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2020年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わりと初期の連作短編に近いような雰囲気。
「長い夜の紅茶」が好きです。私も熱血苦手なのかも。
ここまで淡々とはしきれないけれど。
サバサバしたお姑さんはいいな~。

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2025年05月28日

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