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新緑の山あいの温泉で、島村は駒子という美しい娘に出会う。駒子の肌は陶器のように白く、唇はなめらかで、三味線が上手だった。その年の暮れ、彼女に再び会うために、島村は汽車へと乗り込む。すると同じ車両にいた葉子という娘が気になり……。葉子と駒子の間には、あるつながりが隠されていたのだ。徹底した情景描写で日本的な「美」を結晶化させた世界的名作。ノーベル文学賞対象作品。(解説・竹西寛子、伊藤整、堀江敏幸)
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Posted by ブクログ
何度読んでも、美しい詩のような作品。具体的なロケ地をもちながら抽象的で、鮮烈な感覚に目が冴える。孤独で空っぽの主人公はのらりくらりとして、真剣に今を生きる女たちの表層しかなぞれない。不誠実なようでいて、真摯に刹那的な美に向き合っているとも言えるのかもしれない。
葉子は美しく、しかし後になって気違いだとわかる。その事実にショックを受けつつも作中で葉子はそれを少しも見せない。ただひたすら、美しい人として立ち現れてくる。 物語は主人公と駒子を軸に進んでいくのに、自分の心を震わせたのは葉子のほうだった。彼女がほしいという感情ではなく、なりたいという感情に近い。生...続きを読むき方と儚さに強く惹かれた。 自分は男性で、気も確かで、便利な時代に生きていて、美しくもない。どうやっても葉子にはなれない。それでも物語の中に差し込まれるあの異物感のある存在が羨ましく映った。
『雪国』を読んで気づいたんだ。 愛って、いつも劇的に実るものばかりじゃなくて、ただ相手を見つめることだったり、言わないまま胸にしまっておくひと言だったり、冬の夜に並んで歩く足音みたいなものでもあるんだなって
初川端康成 これほど日本語を巧みに操り、情感溢れる表現の文章は読んだことがない。ただひたすらに美しい。 映画や絵画や懐かしい記憶からふと蘇る、匂いや空気をともなう鮮明な記憶。そういうものを届けてくれる文章。 例として一文引用 弱い光の日が落ちてからは寒気が星を磨き出すように冴えて来た。
川端がみていた世界は、柔らかく繊細な飴細工のような世界だったのかなと思った。 2人の女性の間で揺れる男性の心情が描かれていたのに、優しい気持ちになった。現実世界だったら嫌なやつと思うはずなのに、不思議。
駒子(こまこ)は肉体・現実・生命。駒子は嫉妬し、泣き、怒る。感情が濃い。身体感覚が強い。肌・酒・汗。具体的な温度。一方、葉子(ようこ)は精神・幻影・死。現実感が薄い。顔より先に声(悲しいほど美しい声)。しばしば遠くから見られ、光や反射の中にいる(鏡のような窓に映る娘の顔)。雪国の風景から生まれた幻の...続きを読むような存在。そんな葉子が火事の中、突然「重力」を持って落ちる。窓の反射や遠い声として存在していたものが肉体として落下する。幻が肉体に、観念が現実に、美が死によって物質化。島村の「美しい雪国」は揺らぐ。火事、悲鳴、墜落、死体。生々しい現実が侵入してくる。島村は夜空に浮かぶ天の河を見上げ、巨大な宇宙の感覚に溶けていく。川端康成『雪国』1948 *********************** 頭が澄んだ水になって、それがぽろぽろ零(こぼ)れ、その後には何も残らないような甘い快さ。川端康成『伊豆の踊子』1926 どれだけ現世を厭離(えんり)しても、自殺はさとりの姿ではない。川端康成『末期の眼』1933 別れる男に、花の名を一つ教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。川端康成『化粧の天使達・花』 海辺にある秘密の宿。特殊な性風俗店。紹介制。客は老人。老人が金を払い、裸の若い娘と密室で一夜を過ごす。娘は睡眠薬で眠らされており、反応はない。相互的な性愛でなく、一方的に老人が若い生命のぬくもりに触れる。死体 『眠れる美女』1960
雪国の山村の情景描写が美しい 美しい描写が多すぎて抜粋箇所に困る わかりやすい起承転結・プロットの面白さというよりも、美しい日本語と美しい日本の情景を求めて読むなら間違いない一冊 雪山、養蚕、温泉の描写に先日訪れた白川郷周辺の風景を思い出した。たまたまだが読むタイミングとしても良かった。
川端康成は『片腕』ぐらいしか読めていないので更に鑑賞していきたい。 本作を読んで感じたのは「鋭い美的感覚」である。 最初の電車からの風景と葉子を重ねるシーンしかり、駒子の身体的描写しかり、考えたことはないけれど心に沁みる表現が沢山あった。具体的でないのに、漠然とした形を伴って強い迫力があった。 また...続きを読む、天の川や徒労という言葉は駒子との悲劇的な終着点を想起させる。しかしそんな二人の関係には、読者の目を離させない美しさと空虚さがあった。 葉子の美しさは惹かれるものだが、同時に駒子を想起させる装置のように感じた。
初めての川端康成 こんな物語だったんか 中高生向けの図書ではない気がするが、時代か 女性はどう読むのだろうか、コレを
日本語とそれにより紡がれる情景がとにかく美しくて、話自体は結局何を伝えたいのかよくわからなかったけど、心の豊かさを得た気がする。
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雪国(新潮文庫)
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