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新緑の山あいの温泉で、島村は駒子という美しい娘に出会う。駒子の肌は陶器のように白く、唇はなめらかで、三味線が上手だった。その年の暮れ、彼女に再び会うために、島村は汽車へと乗り込む。すると同じ車両にいた葉子という娘が気になり……。葉子と駒子の間には、あるつながりが隠されていたのだ。徹底した情景描写で日本的な「美」を結晶化させた世界的名作。ノーベル文学賞対象作品。(解説・竹西寛子、伊藤整、堀江敏幸)
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Posted by ブクログ
初川端康成 これほど日本語を巧みに操り、情感溢れる表現の文章は読んだことがない。ただひたすらに美しい。 映画や絵画や懐かしい記憶からふと蘇る、匂いや空気をともなう鮮明な記憶。そういうものを届けてくれる文章。 例として一文引用 弱い光の日が落ちてからは寒気が星を磨き出すように冴えて来た。
川端がみていた世界は、柔らかく繊細な飴細工のような世界だったのかなと思った。 2人の女性の間で揺れる男性の心情が描かれていたのに、優しい気持ちになった。現実世界だったら嫌なやつと思うはずなのに、不思議。
情景の色遣いが繊細で、日本らしい嫋やかさのあるお話でした。 真っ白、緑、黄色、赤と情景が変わり、場面を象徴する色の変遷が綺麗でした。
2025年2月の1ヶ月を新潟の南魚沼で過ごしたので、この機会にと思って読んだ。冒頭の一節しか知らなかったが、川端康成の描く雪国の描写が、南魚沼での生活を思い出させた。雪というものの神秘とそれに対する畏怖は、東京の雪のイメージとは大きく違う。雪国に生きた作者による雪の描写は繊細かつ日本的で、凝り固まっ...続きを読むた語彙を柔らかく解きほぐして新たな空気を送り込んでくれる。堀江敏幸による「寒さを共有すること」の解説を読んで、ヴァレリーやマラルメの言葉を引きつつ、最後の「空中で水平だった」という一節によってすべてを表現する美しさに感銘を受けた。この繊細な文章に対して私はまだまだ読みが甘いので、今後何度も読み返したいと思う。
一面では純文学の典型的な「読みづらさ」を抱えた作品であり、普通の文章を読むように話の筋やら趣旨やらを探していたら読み進めがたい。そこの点の折り合いについて、解説にあった「現象から省略という手法によって、美の頂上を抽出する」という表現がしっくり来た。 島村と駒子の挙動を逐一記録したプロットがまずはじ...続きを読むめに存在し、その中から「美の頂上」を抽出して出来上がったものが小説『雪国』である。ぼく自身、わざわざ自分の中でそう観念することで、ようやく抽象さに辻褄を合わせて読み進めることができた。そうだからこそ、全体としてどういう話だったかについては語りがたく、個々の描写の妙ばかりが思い出されるのだろう。 描写についていえば、作中、性行為そのものについては徹底して暗喩的な言い回しがなされている。最も露骨なところでも「女の髪が彼の頬で押しつぶれるほどに首をかかえているので、手は懐に入っていた。」「島村の掌のありがたいふくらみはだんだん熱くなって来た。」といった具合だ。しかも、別の箇所の台詞(「『こいつが一番よく君を覚えていたよ。』と、人差指だけ伸した左手の握り拳を、いきなり女の目の前に突きつけた。」)から、この時にそれ以上の肉体関係があったことが示唆されているにも関わらず、その描写は一切なされない。 そのくせに、汽車の中で駒子を思い出しながら指の匂いを嗅いだり、三味線で長唄を歌う口がつぼまったり大きく開く様子で「彼女の体の魅力」を思い出したりと、島村の想像力はずいぶんと豊かであり、変態的なアンバランスさが面白い。 他方で、島村が駒子に何気なく言った「君はいい女だね。」という言葉を駒子が「聞きちがい」し涙を流して激昂する場面。作中の緊張感のピークをなす場面であり、この「いい女」の意味については論争があるようだが、これに関しては性的な意味は含まれていないと考える。無為徒食の島村なりの、駒子の懸命な生き方への素直な賞賛であろう。それだけに駒子にとっては耐え難い軽薄な同情に映ったのであり、そして駒子の懸命さをたびたび「徒労」と評してきた島村自身にとっても「十分に心疚しい」ものであったのだろう。
小学生で読んだ時、いくら間接的とはいえまさか文豪が情交を描くとは思っていなかったため、「この指が君を一番覚えていたよ」のところで何を言っているのか全く分からず、読み始め早々に紆余曲折した表現で理解不能とレッテルを貼り読み進めず。それから20年程経ち、高半旅館へ宿泊した際に雪国の映画を見た。映画にして...続きを読むしまうと内容はとてもくだらない。駒子の甲高い声と言動に苛立ちを覚えるシーンさえある。ただ、高半旅館に宿泊し、映画を見てから本を読むという2段階を経ると懐かしい気持ちと共に全てがリンクする。 本で読むからこその表現の美しさと豊かさが感じ取れ、どう生きたらこの表現ができるのかと不思議に思う。お気に入りのフレーズを見つけるのも楽しい読み方かと思う。
20代で読んでも意味がわからなかったが、40代で再挑戦。 話の内容ではなく、文章表現そのもの、情景描写そのものに心が動いた。最後まで(文そのものに)飽きずに読み切りました。
冒頭の雪国までの車窓の描写が美しすぎた。 川端康成は、日本の自然の細部に宿る美しさを描写するために、人物を配置しストーリーを紡いでいるのかなと思った。 色事などの直接的な描写をせず、全体的に行間を読ませる作風のため、好みは分かれるかもしれない。 (おそらく私が学生の頃に雪国を読んでも、主人公と駒子の...続きを読む関係を理解できず、読後の後味も悪かっただろう)
冒頭に代表される、情景描写の美しさに圧倒される。「美」の描写の極限に触れることができた。個人的に最も好きな一文は「夜の底が白くなった。」である。 反面、ストーリーは抽象的で理解し難い面があった。都会の教養人と温泉街の芸者の逢瀬を中心として物語が進むが、葉子に関する描写が乏しいため、その点は解釈で補...続きを読むう必要がある。 島村の駒子に対する想いと、駒子の島村に対する好意とでは、度合いではなく、次元が異なる。2人は別離するのであろう。
最初に有名なフレーズから始まる。 頭の中にハッキリと映像が思い浮かぶ。 さすがと、感動。 場面描写は、丁寧に全てを説明する事はなく 言葉を噛み砕いて想像する必要がある。 純文学に不慣れな女性は、小説の主人公が気持ち悪く感じるかも。思わず家の人や年上の方に、この感性はどうなのかと聞いてしまった。結...続きを読む果、既婚者の悟りに触れてしまった気がする。時代の違いもあるし、変わらない根本的なところもあるのかと。感性の違いにばかり注目してしまった。
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