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国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。「無為の孤独」を非情に守る青年・島村と、雪国の芸者・駒子の純情。魂が触れあう様を具に描き、人生の哀しさ美しさをうたったノーベル文学賞作家の名作。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
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Posted by ブクログ
うつくしい 文体が麗しく心地よかった うつくしい日本語に触れたいときにとても良い 日本語ってきれいなんだなあ
とりあえず読んでください。 情景、心、感覚全てを言葉で、理路整然とそうあるべく所に置かれるように説明されている。 幾何学的な美しさを持つ文章でありながら、あまりにもある種人工的な美しさの文章でありながら、確実に僕らの中に経験があるクオリアの種みたいなものを精密に描写されることで他人事ですまさない、一...続きを読む人称的な読み方をさせる書き口。
非現実と現実の狭間のような世界を持っていて好き。駒子の言葉には強い生命力とか弱い女の部分とが入り交じっていて、何とも人間臭くて惹かれた。
大傑作 鏡を使うなどの視覚描写の巧みさは言わずもがな、 台詞における引き算の美学も大好き。 さながら極寒で無機質な雪国が魅せる自然の美しさのよう、過酷な状況で逞しく生きる女たち。 男に熱があまりないのが、よい比較になっている。 主要な4名の具体的な描写があるわけではないが、関係性や台詞や行動で...続きを読む、感情が浮かび上がってくる。 このように余白が私たちに妄想を促してくれるので、読むのが楽しくなる。
「駒子の愛情は彼に向けられたものであるにもかかわらず、それを美しい徒労であるかのように思う彼自身の虚しさがあって、けれども反ってそれにつれて、駒子の生きようとしている命が裸の肌のように触れて来もするのだった。彼は駒子を哀れみながら、自らを哀れんだ。」 「そう言って、気のゆるみか、少し濡れた目で彼を...続きを読む見上げた葉子に、島村は奇怪な魅力を感じると、どうしてか反って、駒子に対する愛情が荒々しく燃えて来るようであった。為体の知れない娘と駈落ちのように帰ってしまうことは、駒子への激しい謝罪の方法であるかとも思われた。またなにかしら刑罰のようであった。」 雪国の温泉旅館に通う主人公の藤村と、駒子・葉子という二人の女性を描く。駒子は藤村に深い恋慕を抱いていて、それは藤村も理解しているのだが、藤村には駒子とどうこうなろうという気はない。これは駒子を愛していないから、というわけではない。その描写が上記した文の引用であり、この複雑な心情の機微がこの物語の一番の魅力なのだと思う。 葉子はどこかミステリアスな女性として描かれており、感情を表に出す駒子とは対照的だ。藤村は葉子にも惹かれているのだが、それは駒子に対しての感情とは全く別物であり、むしろ葉子を通じて駒子を見ている、とまで言えるのかも知れない。これは二つ目の引用で描いている。 藤村の心情は、理解不能なようでとても共感できる。彼の達観した諦念のようなものが、上品に心に響いた。
水のようにスッと入り、音楽を奏でるような文章。やっぱり、私は川端康成の文章が好きだ。 ただ、内容はあらためて読むと、なんだこのおやじ、という感はある。
久しぶりに純文学を読んで、ああ読みにくいなと思った。面白くないということではなくて、一文一文を咀嚼するのに時間がかかるという意味で。むしろ味はしっかりとある。日頃食べやすく切られたSNSや動画ばっかり消費していたんだなと気づかされた。難しいなと思ったのはセリフ回し。駒子や島村ら登場人物たちの発言には...続きを読む目的語や詳しい説明が語られないことが多く、いかにも日本語らしい。解釈の余地も大きい。翻訳者は苦労するだろうなと思った。
30歳を手前に古典文学を改めて読みたいと思い拝読。 日本語の美しさを感じる文章で、感性を刺激された。ただ最近の作品を多く読む自分には、文脈や言葉がスッと入ってこない部分もあり、やや苦戦しつつ読破。個人的には縮の表現が美しく、実際に見てみたいと感じた。 また歳を重ねてから雪国で読み直してみたい。
国境の長いトンネルをぬけるとそこは雪国であった。 ここしか知らない「雪国」。学校では作者とタイトルと有名な一節を丸暗記して終わっていたが、もったいなかった! 特殊な状況や登場人物は登場しない、ありふれた人物のやり取りや心情が、情景とともに流れ込んでくる様子に、飽きる事なく一気に読めてしまった。
登場人物の心情と特定の状況、景色をマッチさせて綺麗に文章化されてて読み応えがあった。駒子の純粋で繊細な心と島村、、気持ちはわかるけどもさぁ……と。わがままですよ、わかってるならケジメつけましょうよ、と。終盤は少し展開が早くて理解が追いつかなかったが、再読しようと思う。モデルになった湯沢温泉にも是非行...続きを読むきたいですね。
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