【感想・ネタバレ】雪国(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

新緑の山あいの温泉で、島村は駒子という美しい娘に出会う。駒子の肌は陶器のように白く、唇はなめらかで、三味線が上手だった。その年の暮れ、彼女に再び会うために、島村は汽車へと乗り込む。すると同じ車両にいた葉子という娘が気になり……。葉子と駒子の間には、あるつながりが隠されていたのだ。徹底した情景描写で日本的な「美」を結晶化させた世界的名作。ノーベル文学賞対象作品。(解説・竹西寛子、伊藤整、堀江敏幸)

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初川端康成
これほど日本語を巧みに操り、情感溢れる表現の文章は読んだことがない。ただひたすらに美しい。

映画や絵画や懐かしい記憶からふと蘇る、匂いや空気をともなう鮮明な記憶。そういうものを届けてくれる文章。

例として一文引用
弱い光の日が落ちてからは寒気が星を磨き出すように冴えて来た。

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2025年09月17日

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川端がみていた世界は、柔らかく繊細な飴細工のような世界だったのかなと思った。
2人の女性の間で揺れる男性の心情が描かれていたのに、優しい気持ちになった。現実世界だったら嫌なやつと思うはずなのに、不思議。

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2025年09月09日

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情景の色遣いが繊細で、日本らしい嫋やかさのあるお話でした。
真っ白、緑、黄色、赤と情景が変わり、場面を象徴する色の変遷が綺麗でした。

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2025年05月17日

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2025年2月の1ヶ月を新潟の南魚沼で過ごしたので、この機会にと思って読んだ。冒頭の一節しか知らなかったが、川端康成の描く雪国の描写が、南魚沼での生活を思い出させた。雪というものの神秘とそれに対する畏怖は、東京の雪のイメージとは大きく違う。雪国に生きた作者による雪の描写は繊細かつ日本的で、凝り固まった語彙を柔らかく解きほぐして新たな空気を送り込んでくれる。堀江敏幸による「寒さを共有すること」の解説を読んで、ヴァレリーやマラルメの言葉を引きつつ、最後の「空中で水平だった」という一節によってすべてを表現する美しさに感銘を受けた。この繊細な文章に対して私はまだまだ読みが甘いので、今後何度も読み返したいと思う。

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2025年04月03日

Posted by ブクログ

一面では純文学の典型的な「読みづらさ」を抱えた作品であり、普通の文章を読むように話の筋やら趣旨やらを探していたら読み進めがたい。そこの点の折り合いについて、解説にあった「現象から省略という手法によって、美の頂上を抽出する」という表現がしっくり来た。

島村と駒子の挙動を逐一記録したプロットがまずはじめに存在し、その中から「美の頂上」を抽出して出来上がったものが小説『雪国』である。ぼく自身、わざわざ自分の中でそう観念することで、ようやく抽象さに辻褄を合わせて読み進めることができた。そうだからこそ、全体としてどういう話だったかについては語りがたく、個々の描写の妙ばかりが思い出されるのだろう。

描写についていえば、作中、性行為そのものについては徹底して暗喩的な言い回しがなされている。最も露骨なところでも「女の髪が彼の頬で押しつぶれるほどに首をかかえているので、手は懐に入っていた。」「島村の掌のありがたいふくらみはだんだん熱くなって来た。」といった具合だ。しかも、別の箇所の台詞(「『こいつが一番よく君を覚えていたよ。』と、人差指だけ伸した左手の握り拳を、いきなり女の目の前に突きつけた。」)から、この時にそれ以上の肉体関係があったことが示唆されているにも関わらず、その描写は一切なされない。
そのくせに、汽車の中で駒子を思い出しながら指の匂いを嗅いだり、三味線で長唄を歌う口がつぼまったり大きく開く様子で「彼女の体の魅力」を思い出したりと、島村の想像力はずいぶんと豊かであり、変態的なアンバランスさが面白い。

他方で、島村が駒子に何気なく言った「君はいい女だね。」という言葉を駒子が「聞きちがい」し涙を流して激昂する場面。作中の緊張感のピークをなす場面であり、この「いい女」の意味については論争があるようだが、これに関しては性的な意味は含まれていないと考える。無為徒食の島村なりの、駒子の懸命な生き方への素直な賞賛であろう。それだけに駒子にとっては耐え難い軽薄な同情に映ったのであり、そして駒子の懸命さをたびたび「徒労」と評してきた島村自身にとっても「十分に心疚しい」ものであったのだろう。

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2025年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
で有名な川端康成の「雪国」を読んでみました!

最後突然火事になって突然物語が終わるんです。
本当に唐突なおしまい。
新潮文庫の素晴らしい配慮なのか、
解説やあとがきがすごーーーく長くて、
「まだページたくさんあるし、火事になって一悶着起きるんだろうな」と思って気を抜いて読んでいたら唐突に終わったのでハッとしました。

読み終わった直後は正直意味がわからなかった!
でもあとから解説を調べて、
再び読み直してみるとゾクゾク。

徐々に背景がわかってくる作品なので、
最初らへんは「よくわからないけど物語が進んでいく」感じだから、読み落としがかなりあって、
読み直して初めて意味がわかったり、腑に落ちたりする作品だと思いました!


私はこの年代の作品が好きだと改めて思った。

列車に乗って旅に出るのは大冒険、
トンネルを抜けたら雪国、となると、もはや異世界の桃源郷に行ったみたいなもんなんですよ。
今だと気軽に新潟県に行けちゃうじゃない?
だから昔の小説を読んで、定期的に感覚のリセットをしたくなる!

豪雪地帯の異世界を旅した男の夢の世界が、
あっけなく火災で終わりを迎える。
そんな儚い思い出話なのかな〜と私は思いました。





「日記を見れば、直ぐ分かるわ。」
「日記?日記をつけてるの?」
「ええ、旧い日記を見るのは楽しみですわ。何でも隠さずその通りに書いてあるから、ひとりで読んでいても恥ずかしいわ。」
「いつから。」
「東京でお酌に出るすこしまえから。その頃はお金が自由にならないでしょう。自分で買えないの。二銭か三銭の雑記帳にね、定規をあてて、細かい罫を引いて、それが鉛筆を細く削ったとみえて、線が綺麗に揃ってるんですの。そうして帳面の上の端から下の端まで、細かい字がぎっちり書いてあるの。自分で買えるようになったら、駄目。物を粗末に使うから。手習だって、元は古新聞に書いてたけど、この頃は巻紙へじかでしょう。」
雪国p38

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2025年01月06日

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小学生で読んだ時、いくら間接的とはいえまさか文豪が情交を描くとは思っていなかったため、「この指が君を一番覚えていたよ」のところで何を言っているのか全く分からず、読み始め早々に紆余曲折した表現で理解不能とレッテルを貼り読み進めず。それから20年程経ち、高半旅館へ宿泊した際に雪国の映画を見た。映画にしてしまうと内容はとてもくだらない。駒子の甲高い声と言動に苛立ちを覚えるシーンさえある。ただ、高半旅館に宿泊し、映画を見てから本を読むという2段階を経ると懐かしい気持ちと共に全てがリンクする。
本で読むからこその表現の美しさと豊かさが感じ取れ、どう生きたらこの表現ができるのかと不思議に思う。お気に入りのフレーズを見つけるのも楽しい読み方かと思う。

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2024年12月31日

Posted by ブクログ

 20代で読んでも意味がわからなかったが、40代で再挑戦。
 話の内容ではなく、文章表現そのもの、情景描写そのものに心が動いた。最後まで(文そのものに)飽きずに読み切りました。

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2024年10月16日

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冒頭の雪国までの車窓の描写が美しすぎた。
川端康成は、日本の自然の細部に宿る美しさを描写するために、人物を配置しストーリーを紡いでいるのかなと思った。
色事などの直接的な描写をせず、全体的に行間を読ませる作風のため、好みは分かれるかもしれない。
(おそらく私が学生の頃に雪国を読んでも、主人公と駒子の関係を理解できず、読後の後味も悪かっただろう)

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2025年10月24日

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冒頭に代表される、情景描写の美しさに圧倒される。「美」の描写の極限に触れることができた。個人的に最も好きな一文は「夜の底が白くなった。」である。

反面、ストーリーは抽象的で理解し難い面があった。都会の教養人と温泉街の芸者の逢瀬を中心として物語が進むが、葉子に関する描写が乏しいため、その点は解釈で補う必要がある。

島村の駒子に対する想いと、駒子の島村に対する好意とでは、度合いではなく、次元が異なる。2人は別離するのであろう。

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2025年07月11日

Posted by ブクログ

最初に有名なフレーズから始まる。
頭の中にハッキリと映像が思い浮かぶ。
さすがと、感動。

場面描写は、丁寧に全てを説明する事はなく
言葉を噛み砕いて想像する必要がある。

純文学に不慣れな女性は、小説の主人公が気持ち悪く感じるかも。思わず家の人や年上の方に、この感性はどうなのかと聞いてしまった。結果、既婚者の悟りに触れてしまった気がする。時代の違いもあるし、変わらない根本的なところもあるのかと。感性の違いにばかり注目してしまった。

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2025年06月29日

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初めての川端康成。

一頁目から列車を降りるまでの描写は、物語が始まる前の前振り的なものかと思いきや、すでに風景や人物や、それが列車の窓を通して重なり合う繊細な描写がレベチで、初っ端からから本気の本気の文学で、文豪ってこういうことか…と驚き。

だってさ、その初めの列車の中から、

「結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている、はっきり思い出そうとあせればあせるほど、つかみどころなくぼやけてゆく記憶の頼りなさのうちに、この指だけは女の感触で今も濡れていて、自分を遠くの女へ引き寄せるかのようだと、不思議に思いながら、鼻につけて匂いを嗅いでみたりしていたが、ふとそのとき指で窓ガラスに線を引くと、そこに女の片眼がはっきり浮き出たのだった」

だよ?!
そしてこの女の片眼は、思い出そうしてる女の眼ってのもあるけど、列車に偶然居合わせている女の眼も、実際に窓に映ってるから見えるんだよ!?

そしてこの偶然居合わせた女が、またまず初めに出てきて最初の言葉を発するのもすごいよね。

もうこういう本だったの?
こんな色っぽい本だったの?!
と初めからまんまと魅了されたよね。
(因みにバイリンガルの友達が子供の頃、「colorful(カラフル)=色っぽい」だと思って間違えて使ってたという話を、「色っぽい」という言葉を聞くたびに思い出す笑)

内容自体は現代の私たちから読むと、ちょっと軽蔑してしまうような、理解できない設定もあるんだけど、この最初から最後まで通してある美しい文章のおかげで、ストーリーなんて全く気にならなくなる。

後半くらいにある蛾と蜂と描写でも痺れた。
いやー良い本読めた。

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2025年06月23日

Posted by ブクログ

川端康成を初めて一冊ちゃんと読んだ。

風景や人物の描写が、文豪に普通期待するレベルの何倍も繊細でレベチ。最初の列車を降りるまででもう異常。て、天才。

雪国での暮らしぶりについても、小説でありながら価値の高い記録となっている。もう死んじゃったのか。しかも自死とはなぁ。あまりに貴重な才能。

内容自体は「私はいったい何を読まされている」とずっと思ってしまうくらいどうでもいいしハッキリ言って軽蔑するが、こんな風に世界を観察できる人にはそういった体験すらもこんなに美しく映るのかと、感受性の底力を思い知らされた。

山の風景の描写が大好きだし、途中から急に蛾で不穏になってくる辺りも大好き。大丈夫!?ってなるくらい急に変わるのが面白い。

特にラストイベントの描き方には感銘を受け、読後もずっと心の中にその風景がある。あそこでこの物語を終える意味を考えることで、彼の世界観がわかるような気がした。

星4なのは、内容があまりにどうでもよすぎたから。並の小説家がこの内容で書いてたら星1は確実だし、怒ってると思う。ヒロインが本当にめんどくさい。基本的に、地味な話を繰り返していくうちにいつの間にか大事なところが変わってしまう小説は大好物なんだけど、ヒロインのめんどくさい行動と主人公のナルシストっぽい反応の繰り返しはすごくどうでもよくて嫌だった。描写の美しさとのミスマッチがすごい。いや美しいだけのものを美しく描かれてもちょっと退屈なのかもしれないけど。本当にちゃんとしてほしい。

好みとしては、ラストのその後の彼らの辿る道を描いてくれると楽しめたと思うが、それでは川端康成ではなくなるので、これ以上は有り得ない天才的な締めくくりだと思った。

他の作品も読んでみたい。

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

まだ自分にはこの物語を形容するほどの力が無いことに絶望した。理解しようとすることすら本来は徒労なのかもしれない。しかし、物語序盤から情景の美しさや様々な感情を目に浮かべることが出来るように印象的な表現をしてくれることによって一気に引き込まれた。
物語終了後の著者以外の解説を読むことで様々な予感についても気付かされることになりここでも自分の読み解く力の無さを悔いた。
また期間を空けて読むことでこの物語の純粋さや予感に浸りたい

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読解力がないのか、ようこがどうして駒子からキチガイと言われていて、また、まさに火事である所にいたのか分からずじまいで読み終わった。(オーディオブックにて聴いた)

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

綺麗な風景が脳内に再生される。

今でこそ簡単に国内を移動できるけど、
当時はそうではない。

そんななか、トンネルを抜けたら雪国
という風景を想像しながら読み進めると
より異世界に踏み入れた気持ちになる。

駒子に会うために定期的に読みたい。

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2025年02月19日

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風景描写が美しくて、聖地巡礼したくなった。日本の古き美しき景色が脳裏に浮かぶようだった。でも難しいところや理解できないところがあったので、また読み返してみたいし、もっと勉強してみたい。

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2024年09月26日

Posted by ブクログ

説明する必要もなく有名な本。
何がそこまで評価されているのかを知りたくて手に取った。

その本の1番素晴らしいところは冒頭の一文。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
この一文でこの小説の世界観を全て表していることに読み終えてから気がついた。
一度読んだ後、もう一度冒頭のこの一文を読んでみると面白い。

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2024年09月15日

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無為徒食な島村が新潟の温泉に出かけそこで芸者の駒子と出会う。駒子は島村のことが好きになるも、島村は駒子の許嫁を看病していた葉子に惹かれていた。駒子がすごく島村のことを愛しているが、島村はどこか冷静で雪国のように冷たか対応する。最後の天の川の描写は織姫と彦星の関係のように二人の関係も結ばれないことを示してるそう。後半の麻織物について島村が語っているのは織姫となんか関係あるのか

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2024年11月19日

Posted by ブクログ

この作品は全編主人公の一人称視点で展開されながらも、当の主人公の想念や哲学については余り書かれず、人格の主張が極力抑えられている。これにより、主人公は、雪国に住む2人の女性の性状を映す視点を読者に提供する装置としての役割を果たす。この視座に立つと、冒頭のあの印象的な場面、雪国行の汽車の中で、主人公が窓の反射越しに女を眺めるあの構造は、これから展開する、読者が主人公という鏡の反射通して女性達を見るという構造に合致する。又、窓の反射越しの女性と、窓の向こう側の灯火が重なるというのも印象的に描かれる訳だが、火というのは殊雪国故に生活に必要不可欠で、されども雪国故に気温や湿度によってより不安定なのであって、これが芸者として地方の山奥で働く女性の寄る辺なさ-絶対に結ばれない男にいつまでも囚われている-やその切なさというのを暗示しているようにも捉えられる。そう考えると、最後火災の場面を以て幕を閉じるというのが看過出来なくなって来るが、同じ芸者でありながら、そして同じように男を失っておきながら、一方がその火災に巻き込まれ、一方がその火災を見る側に回ったのは、やはり後者が未だ主人公との関係にしがみついていられている事と関連があるのではないか。まだテキストを一度卒読しただけで思い付きでここまで書いてみたが、今気づいた点だけでも様々に解釈出来そうではあって、大変興味深い。

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2025年11月20日

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オーディブルで聴いてしまって、ちょっとよくわからないまま聴き終えた。
理解が浅いのは、私の気が違うからかな

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2025年11月11日

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場面展開が特に難解で、わかりづらかった。
いつの間にか場所や時間が変わったり、別れたと思ってた人がまだいたりする。映画やドラマの「カット」のように見ればまあ面白いのかなという気もした。
最後についている「解説」を読んで、「島村」、「駒子」、「葉子」の象徴的役割がようやくわかったので、二回目以降に読むのなら面白く読めるかなと思った。初読はそんなに惹かれなかったが、二回目からいろいろ知った上で読み直すと化ける本なのかもしれない。

川端康成は初めて読んだと思うが、状況把握をするのが難しい作家だなと思った。次は『山の音』を大学の後期の授業で読む予定なので、そっちに賭けたい。

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

直接表現少なく婉曲表現のため想像と解釈が難しく感じました。情景描写、色の使い方がとても美しいことはわかりました。

〜〜〜

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。

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2025年08月04日

Posted by ブクログ

これが雪国か、、、
評価を付けるのが難しい。
設定からして受け付けない方もいると思う。

表現の美しさに反して、作中の行き止まり間が苦しかった。

個人的に駒子は島村を溺愛している訳ではなく、自分の身が落ち着かない苦しさや焦燥感から言葉を発している気がする。芸妓という立場もあると思うけど。

島村の地に足ついてない感じ、なんか見覚えあると思ったら村上春樹作品の主人公だった。

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2025年07月29日

Posted by ブクログ

川端康成作品初読で読みました。

作品自体に直接的な表現が少なく、いわゆる「行間を読む」タイプの作品で自分の中の解釈を持ちながら物語を補完して読み進めていく物語かなと。

直接的な表現が少ない関係で面白い、つまらないというのは人によってかなり分かれそう。(一つ一つを詳細に説明していないので話が理解できない人がいそう)

個人的には登場人物のセリフも多く、話の流れや人物の輪郭をイメージしやすい点や風景や場面の説明も鮮明に背景が見えてくるような美しい日本語で描かれている点が非常に読みやすく、これが国内外問わず評価されている作品なんだなと思いました。

しかし一度きりではこの美しさを享受しきれていない感もあり、より近代文学に触れ、豊かな感性をもって再読したい一冊です。

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

冒頭の一文しか知らなかったので読んでみました。
場面展開が急に起きている部分もあって、なかなか理解するのに難しい部分もあったけど、なにせ描写が綺麗だな、というのが本を読んだ感想です。
新潟を舞台にした雪景色や女性の姿形など、読んでて綺麗だな〜と感じる部分がそこかしこにありました。

この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている。の一文はうわ〜ってなったけど笑

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

注解を確認しながらやっと読み終えた。
川端康成独特の言い回しなどが多く、正直ストーリーはあまり理解できなかった。
ラストの展開など、いろいろな解釈ができるのはこの頃の作品ならではなのかなと思う。

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2025年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなかやはり時代、言葉遣いが違うのもあって意味がわからなかった、入り込めなかった部分があって悔しかった。当時の時代背景が分かっていたらもっと読みやすかったのかな。とはいえ自然背景や、細かい描写がとても分かりやすく、美しかった。曖昧な島村とくるくると感情が変わる情緒不安定な駒子。ラストの展開には驚いた。もう島村が雪国を訪れることは無いのだろうな。

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2024年12月05日

Posted by ブクログ

美しい風景描写に、直接踏み込まない人物描写が艶めかしい。駒子のいじらしさに悶える。(ただ自分が地方の観光地出身なので、地方に生きる者を安全圏から都市部の富裕層が消費してるようで、語り手は実際にいたらグーで殴りたい主人公ではある。)

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

中々展開が遅く途中何回か読むことを辞めかけた。
が、最後まで読んで駒子の苦しさ、良い子だよと言われた時や普段からの取り乱す理由が分かったら気がする。
島村は本当の意味での罪な男だ。直接断るのではなく期待を何度も持たせるなんて。

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2024年10月17日

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