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Posted by ブクログ
あぁ〜、やっぱり小池真理子さんは、良いわ!すごい事件が起きるとか、犯人探しとかなくても、もう、グイグイと読まされてしまう。小池真理子さんは、美しい文を書くけれど、それは決して女らしいとか綺麗とかいうことだけではなく、丁寧さと、深みのある力強さと、リアリティがあるので、恋愛ものでも、ミステリーでも、ホラーでも、良い意味で、品の良い味わいがあるのです!
私自身は「何もかも捨てて見知らぬ地へ行く」ということをする勇気もないし、幸い、逃げなきゃならない事情に陥ったこともないけれど…。それしか選択はないと思えるほど…だけど、死ぬことは絶対考えない、という主人公の泉の心情に、終始いろいろと感じながら読んでいました。
女性画家の八重子も、“世界お人好し選手権があったらグランプリ”になるくらい”の(笑)おかまのサクラも、言葉は乱暴だけど、心根の優しさがあり、とっても良い味出してたなぁ。
黙々と、ただただ生きていった泉に寄り添い、ラストは…良かった。泣けました。
印象的だったところ少し。(人生ってワード多くなっちゃった)
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失うものなど、もう何もなかった。だからこそ生きのびることができる、というのは、人生の途方もない皮肉だった。
自分が負わされた傷。図らずも自分が悪魔になって相手に刻みこんでしまった傷。それらを隠蔽し、風化させ、忘れてしまったような顔をしながら、飄々と生きていく以外、方法がないのが人生なのだ。
あたしはね、理由が何であろうが、女に暴力をふるう男は全員、死ねばいいと思ってんだよ。同じクズでもいろんなのがいるけど、そういう男は最低のクズだ。
子を作れば、何かと悩みのたねになるし、作らなかったら作らなかったで、後悔のたねになる。人生は難しいさね。
まじめに答えられると腹が立つから、笑ってりゃいいのよ。あんたも馬鹿ね。
変わり身を早くしなくちゃ、生きていけないじゃないの。人生これすべてサバイバルよ。
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Posted by ブクログ
「ドラマ的展開」が面白く、どんどん読み進めてしまう系統の物語だった。人間ドラマ+微サスペンスという風情。
有名な映画監督を夫に持つ新谷泉は、度重なる夫からの暴力に耐えかねて、ある日夫が不在のうちに家を出た。
そして流れ着いた寂れた地方都市で、老齢の女性画家の家での住み込み家政婦の仕事に偶然ありつき、身を潜めて暮らし始める。
夫に探し当てられるのではないかと怯えながら暮らす中、主である画家の付き添いで行った街のゲイバーで、かつて関わりのあったある男と再会してしまう。
後ろ暗い雰囲気が全開で、泉の怯えが文体からも伝わってくる。
そんな中「ある男」の塚本と再会したことが、泉の人生をがらりと変える。
彼とは良くない因縁があり会いたくない相手だったが、とある犯罪の濡れ衣を着せられて逃亡した末にこの街に流れ着いたという泉と遠からずな事情を抱えていたことが、2人を引き寄せ合うエネルギーとなる。
泉はある意味とてもラッキーで、逃亡先で出逢った画家の八重子やゲイバー店主のサクラなど、まっすぐに「良い人」ではないものの情が深い人たちに恵まれて、人生が好転していった。
人生の流れを左右するのはやはり出逢いなのだと思わされる。
個人的には、もっとゴタゴタ一悶着も二悶着もありそうな気がしたけれど、わりとストレートにあっさりした流れだったように思った。
やじうま的感覚で、ゴタゴタを少し期待してしまったのかも。笑
厚みのある本だけどあっという間に読み切った。
住み込み先の庭に成る無花果がところどころ効果的に現れて、物語にそこはかとないエロティックさを添えていた。
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