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名だたる著名人が絶賛しているWEB連載発、大人のラブストーリー!
Facebookで元彼女に友達申請を送ってしまったところから始まる私小説。
著者の燃え殻さんは私とは世代が違うものの、90年代の東京の雰囲気、空気、カルチャーなど自分があの時代・あの場所にいたかのように錯覚するほど、描写が自然で巧く、一瞬で引き込まれました。彼女、アルバイト、友人など、各エピソードはそれぞれ短編小説としてまとまっていて、どのエピソードにも燃え殻さんからにじみ出てくるようなやさしさと切なさが溢れていて、胸が締め付けられます。「あの頃には戻れない、けれど生きている今は悪くない。」そんな感動がきっと味わえると思います。
また、作品中に出てくる「電気グルーヴ」「フリッパーズ・ギター」「小沢健二」など、世代的に違うものもあるけれど、読後に無性に聞きたくなったことは言うまでもありません。
Posted by ブクログ
数年ぶりの再読。初めて読んだのは20代前半だった。
読み返したくなったのは、10年近く住んだ東京を離れることになったのが要因。
本作の主人公・”ボク”はテレビ業界の美術スタッフで、自分も職種は異なるが同じ業界にいた経験がある。いま思い返しても心臓が痛くなるような経験をたくさんしたし、間違いなく社会の底辺、というか外側にいた。窓も何もない編集所の部屋で、何にもならないような夜を何回も過ごした。本作で描かれた数々のシーンに何度もトラウマが呼び起こされたし、とにかく、本作は僕にとっての「東京の暮らし」と重なる部分が多い。この街で、忘れられないくらい好きになった人ができたことも含めて。
物語を通して、時間でいうとおそらく1日くらいしか経っていなくて、ほぼ回想で語られる。しかも時系列はごちゃまぜ。それでも読みづらいということはなく、むしろそれが良い効果を出している。構成力に長けていると感じた。
サブカル色全開で、数々の固有名詞が出てくる。正直僕は世代ではないので全部が刺さったわけではないけど、それらを用いて作り上げたい世界観とか雰囲気はわかる。ちなみに僕はうる星やつらのビューティフル・ドリーマーは5回は観てます。
大人になれなかった”ボク”のもとを離れていった彼女。不意に押してしまった友達リクエストの送信ボタンをきっかけに、ずっと心の奥底に残っていた彼女との思い出が溢れ出てくる。”ボク”と彼女の別れは劇的なものではなく、それまで続いてきた日常だった。だから終われなかったんだと思う。
僕自身、忘れられない人との最後の瞬間はいつも通りの日常だった。彼女のアパートから歩いてすぐのイタリアンで夕飯を食べて、並んで歩いて駅まで向かい、改札の外から手を振っている彼女の姿が最後になった。
1,2年くらいはちゃんと引きずっていたけど、だんだんと思い出すことは減っていった。それでもふとした時に思い出したりすることはいつまでもあって、明確な終わりを提示されないと終わりにできない自分はまだ子供だなと感じる。今はどこにいるかもわからないけど、僕が東京にいる限りはきっとまだ同じ街のどこかに彼女がいる、それが唯一僕に残された彼女との繋がりのように思っていた。
大学進学を機に上京して、そのまま就職。なんとなくこの街に一生いるのだと思っていたけど、色々あってこの街を離れる決断をした。辛い経験とか、楽しい思い出とか、忘れたくないこと忘れられないこと、そういった全てを置いて東京を去る今、もう一度この本を読んでみたくなったのでした。
“ボク”と同じように、この決断が自分の過去の清算になればいいなと思う。
Posted by ブクログ
ラジオ番組やTwitterからおしゃれ文筆家界隈の人だと思っていた燃え殻さんの処女作をやっと読みました。燃え殻さんは私より少し歳上だけど、燃え殻さんが今の私と同じ40代の頃書いた作品で40代から若かった時代を振り返っていたから、共感するところも多かったです。私のはこんな甘酸っぱい思い出ではないけど
自分より好きになった人なんて言えることがうらやましい。20年前の私だったら結婚していた相手のことをそう言った可能性もあるけど、離婚して6年が経過した今、ユニクロで買ったネルシャツの肘がビリビリに破れたものを着ているおじさんを見て、未だ絶望を重ねている。
これから恋人を作りたいけど、自分は自分の足で立ちながら相手のことも大切にしたいと思うだろうから、自分より好きとか考えない気がする。
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小説・文芸
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