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Posted by ブクログ
出来事そのものはあくまでもフィクションの範囲で自分の身の回りでは聞かないような話ばかり(だし、端からみれば結構トンチキな背景だろうし)でしたが、登場人物の考えていることがしっくりとなじむ、なじみすぎる。
アスリートでいうところのゾーン状態と同じように、自分の気持ちや考え方なんてごくごく限定的な条件で成り立っているもので、それは例えば自分の仕事や体調であったり、周囲の人にも同じように何かしらの変化があったときにそのことをどう認識するかであったり、とにかく自分も他人も移ろい行くなかで、莫大な数の変数(しかもそれぞれ独立してないし)によって刹那的に出力されているものなんじゃないか、その出力結果って簡単に更新されるものなんだから、そんなに大事にしなくてもいいんじゃないか、と思うときがあります。
それでも登場人物たちのように、周囲のことも自分のことも考慮して、出来るだけの幸福を願い判断し続けること、考え続けること、自分の気持ちに折り合いをつけられないところはすごく生き生きとしているように見えるし、その結果事態が好転しなかったとてだれがそれを責められるんだろうか、と思ってしまうし、彼ら彼女らの弱さには同調もできてしまう。
クリープハイプの尾崎さんが書く解説のなかの、「どんなに繋がっていても相手を疑ってしまう瞬間がある。繋がっていることすら信じられなくなってしまうとき、信頼が甘えに形を変えて裏切りや憎しみに取り囲まれるとき、どうしても楽をして孤独に逃げてしまう。」という一節。
すごく分かるけれど、結局また戻ってきちゃうんだろうな。
タイトルが目を引いたから、という理由だけで買って、初めてこの方の文章を読んだのですが凄まじくよかった。個人的に大当たり、これがあるから書店でのタイトル買いは止められないですねー。
Posted by ブクログ
小さな商店街の中で育った3人。文房具屋の娘のみひろに、酒屋の兄弟・圭祐と裕太。
みひろの母は男が出来て家を出ながらまた舞い戻ってきた経過を持ち、兄弟の父は浮気性で妻に隠れて他所に通った過去を持つ。
夫婦の契りを結びながら、ひとりの人に添い遂げることが出来ない人の性を、間近に見ながら育った3人の三角関係。
圭祐と同棲しながら裕太に思いを残すみひろの中で迸る明け透けで赤裸々な女の生理が生々しい。
みひろに思いを残しながら他の女性と交わる裕太もよくある男の生態なら、みひろの欲望を取り違えて不妊治療に励む圭祐も切ない。
ひとりの人に決めて結婚しながら他の異性に気が行くのはよくあることで、人間ってどうしようもない動物だとは思うけど、そうした男女の情欲を描いて、それぞれの狂おしい心持ちは自分に当て嵌まるようでもあり、どうしようもない妄想が弾ける中、彼らがどうなっていくんだろうと頁を捲った。
感情の奔流の物語であったが、終章の話の落ち着け方に好感。
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