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Posted by ブクログ
(2023年4月14日、読み終わったのはバス停のベンチ)
壱晴が、余命幾ばくもない哲先生のもとを訪れるようになった場面から、看取った場面、桜子の家に行く場面、そしてその家での出来事、ずっと涙が止まらなかった。切実さが、必死さが、眩しくて切なくて。人の命はいつか消えるからこそ眩しい。
人の感情を貝のむき身だと例えた桜子、恋愛は傷つかずに済むものではないという解説、窪美澄らしく人間のダークサイドを書いているという解説、どれもこれも深く刺さってもう抜けそうにない。私も〇〇さん(※片思いしていた、バイト先の先輩だった方です)に、むき出しの自分を晒せるだろうか。逆に晒してもらえるだろうか。桜子の焦りも痛いほどにわかった。境遇は違うけどでも考えは痛いほどにわかる。私もそう。だけど桜子のように真っ直ぐとぶつかることが、やはり私には出来そうにない。傷つくのが怖い。平気なふりをして生きていけない。この小説に共感して泣けたことは少し誇ってもいいのかもしれない。むき身が晒されていたから、ピリリと痛かったのかもしれない。
Posted by ブクログ
先月からパートナーと一緒に暮らし始めた。
一ヶ月が経ち、お互いに体調を崩した。気候の変化や仕事の忙しさ、慣れない新生活。考えられる要因はいくつもある。
けれど、ここ数年を一人で生きてきた者同士が一緒になるということは、それだけではないはずだ。相手の人生や、これまで抱えてきた背景を共に背負うこと。その「重み」が、疲れとなって身体に現れたのかもしれない。
この本を読みながら、ふとそんなことを思った。
主人公のように身体に異変が出るほど辛い過去の出来事はないけれど、誰かと生きていくことは、大なり小なり、今まで持っていなかった荷物を背負うことでもある。
「この人の分なら、背負ってもいい」と思える相手に出会えることは、きっと幸せなことなのだろう。
正直、そこまで深く考えてはいなかったけれど。この本が、そんな大切なことを教えてくれたような気がする。
Posted by ブクログ
「やめるときも、 すこやかなるときも」
タイトルに惹かれました。この言葉、良く結婚式で耳にしますよね。タイトルが全部ひらがなというのも優しさやあたたかみ、幸せそうな物語の匂いがして手に取りました。
窪美澄さん、初めて読んだけど良かった!特に女性のというより桜子の描写、妄想が、いじらしかったり、勇ましかったり、ユーモアもあって。「私のなかの暴走列車はとっくに走り出してしまっていた」「大きな獲物を前にしたハイエナみたいに奮い立つような気持ち」とか、ちょっと面白いと思いませんか?
主人公は2人で、壱晴はある事がトラウマで12月の1週間だけ声が出なくなる(記念日反応というらしい)。桜子は家族に問題があるのと、恋の仕方がわからない女性。この二人の出会いから心を通わせていくまでを描いた物語なんだけど、このある事がかなり衝撃的。壱晴の秘密は何なんだろう?その秘密を知ったとき桜子との関係は?先が気になり暴走列車のように読みつづけてしまった。話の流れで途中から何となく予想はできたけど、目の当たりにしたら、絶対に無理!これは重い、重すぎる。とてもではないけれど立ち直れそうにない。
壱晴の職業は家具職人で、椅子はその人を支えるものだから相手の事を良く知らないと良い椅子は作れない、家具は寄り添うものと壱晴は言っている。相手をよく知り、支え合い、どんな時も寄り添うということを、タイトルに込めたなのかなと思った。
壱晴は桜子からジャスミンの香りを感じていたのだけど、ジャスミンの花言葉は「幸福」「愛らしさ」「あなたについて行く」なにか意味深な感じがするのは気のせいだろうか?だって、「香りがした」ではなく「香りを感じていた」だよ。
全くのこじつけかもしれないが、主人公の名前、「壱晴」と「桜子」、ひらがなにすると「はる」と「さくら」。そう、春と桜!春といえば桜、桜といえば春。この二つは必要不可欠でペアなのだ。さらに、二人の新たなスタートを感じさせられる。
付き合い初めの初々しさとか、壱晴の事で桜子の気持ちが風船のように膨らんだり萎んだりと、喜びや切なさがじんじんと伝わってきて恥ずかしながら自分の若い頃を思い出し、恋とか恋愛っていいなぁ、若さっていいなぁ、と羨ましく思ってしまった。
次は、窪美澄さんの得意なダークサイドの作品を読んでみたいと思った
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