給水塔から見た虹は

給水塔から見た虹は

2,090円 (税込)

10pt

あなたと私は違う。だから、一緒にいよう――。
『ふがいない僕は空を見た』『夜に星を放つ』の著者が、今を生きる人々に贈る感動作。

【各界からの反響続々!】
なんて誠実な小説なのだろう。今、この時代に、この本と出会えてよかった。――武田綾乃(作家)

白か黒かでしか断じない、この時代に絶対に有効な“あわい”の物語。――早見和真(作家)

何度も胸が潰されそうに痛かった。彼らの日々に、どうか幾重にも虹がかかりますように。――町田そのこ(作家)

その人の涙のわけを知らない。分からない。けど私たちは何かを思うことが出来るから見つめながら目を逸らさずに、あなたの話を聞きたい。――山本奈衣瑠(俳優)

【あらすじ】
中学二年生の桐乃は、団地での暮らしに憂いていた。
郊外にある古い団地群には、様々な国にルーツを持つ人が生活している。そのせいか桐乃のクラスは衝突が絶えず、ベトナム人のクラスメイト・ヒュウがいじめの標的になっていたのだ。
家に帰っても、母の里穂は団地に住む人々を国籍問わず日夜助けており、「娘の私より、他人を優先するんだ」という思いがどうしても消えない。この場所で生活することに対する桐乃の嫌悪感は、日々強まっていく。
そんな中、中学校で起きたとある出来事をきっかけに、桐乃はヒュウと話すようになる。ヒュウは、理由は違えども、桐乃と全く同じことを望んでいた。
「この団地から出て、遠くに行きたい」と。

はじめてできた友達、母とのすれ違い――。
桐乃・ヒュウ・里穂のそれぞれの視点から、社会に蔓延る様々な分断に翻弄される2人の“こども”が少しずつ“おとな”になるひと夏を描いた、ほろ苦くも大きな感動を呼ぶ、ある青春の逃避行。

【著者略歴】
窪 美澄(くぼ・みすみ)
1965年東京都生まれ。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また、同年に同作で山本周五郎賞を受賞。12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞、19年『トリニティ』で織田作之助賞、22年『夜に星を放つ』で直木賞を受賞。他の著書に『夏日狂想』『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『ルミネッセンス』『ぼくは青くて透明で』などがある。

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給水塔から見た虹は のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    強烈な孤独に抗うのは難しい。移民の子どもの孤独だけでなく、それに寄り添う日本人の孤独も描き、最底辺から上を見上げる子どもたちの物語が胸を痛くする。とても胸が痛い。

    0
    2025年11月01日

    Posted by ブクログ

    秋の夜長にじっくりと読むのにぴったりの一冊。
    物語の世界に引き込まれ、日本で暮らす外国の人々の現実にも深く考えさせられた。

    親子のすれ違い、学校や家庭での孤独、ベトナム難民としての家族の歴史、2世・3世の苦悩、技能実習生たちの葛藤。
    社会のさまざまな問題が描かれているのに、物語は美事に調和していた

    0
    2025年10月19日

    Posted by ブクログ

    昭和に建てられた巨大な団地群の一室に両親と住む桐乃・中学2年生
    同じ団地に母と二人で住む同級生のベトナム人・ヒュウ
    困っている外国人を放っておけず支援に奔走する桐乃の母・里穂

    三人の視点で描かれる ひと夏の成長物語



    この団地にはベトナムの他、中国、カンボジア、フィリピン、ブラジル…
    様々な国

    0
    2025年10月19日

    Posted by ブクログ

    すごくリアルで心が抉られた…
    窪先生はいつもきれいごとばかりじゃなくて、ちゃんとリアルを伝えてくれる。それはとても辛くて虚しくて儚くて…でも最後には少しだけど喜びがある。その喜びを自分のなかで消化し、現実世界を生きていく糧にして私は生きている。
    今回窪先生が見せてくれた世界は、自分には背負いきれず消

    0
    2025年12月08日

    Posted by ブクログ

    「僕の人生は僕だけのものだ。誰のものでもない。それがどんな人生でも僕はじぶんの人生を愛し,生きる」最後のページで、ヒュウが言った。強い決意だ。みんなが皆、いろんな人生。お互いに助け合い、支え合い生きていけたらいいのに。人種や性別,そんなあれこれに関わらず。桐乃、これからも頑張れ。

    0
    2025年12月05日

    Posted by ブクログ

    母親がボランティアに精力的すぎて子どもが疲弊するというのは、時々聞く話。私が小学校の頃も外国にルーツのある子はいたけれど、今の時代はまたフェースが違うのかな、という質感。

    0
    2025年11月15日

    Posted by ブクログ

    排外的な人を見ると、どうしようもなく嫌な気持ちになる。
    舞台は外国人が多く住む団地で、所謂移民問題を窪美澄さんが住民目線で描いている。
    移民2世や3世や技能実習生や不法滞在者の苦しみであったり、国籍やルーツによるイジメや偏見、さらには親子関係や友達関係も描かれている。
    読んでいて胸が痛くなった。

    0
    2025年11月09日

    Posted by ブクログ

    外国から日本に来て、在留期限が切れて不法滞在の対象になる。
    難民申請を出しても受理されず強制送還の対象になりつつ仮放免の状態。
    ただその子供は教育を受けるために学校へは通学できる。
    そんな状態のスリランカの母子を支えるボランティア(といってもスリランカのランチを食べて話を聞くだけだけど、、)に参加し

    0
    2025年11月02日

    Posted by ブクログ

    見てみぬふりをしてきた題材。日本にはいろんな事情を抱えて住んでいる人がいるんだよなぁ。善人ぶることはできないけど、いるという事実は受け止めたい。

    0
    2025年10月29日

    Posted by ブクログ

    古い団地に暮らす中学2年生の桐乃。
    桐乃のクラスメイトで同じ団地に住むベトナム人のヒュウ。
    桐乃の母親で、外国人のために活動する里穂。

    この3人で話は進む。
    最近なにかと話題の外国人問題。文化の違いや技能実習生や不法滞在の問題など、それぞれの視点から見ると、それぞれいろんな事情があるよねって。

    0
    2025年10月21日

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