劇場(新潮文庫)

劇場(新潮文庫)

539円 (税込)

2pt

高校卒業後、大阪から上京し劇団を旗揚げした永田と、大学生の沙希。それぞれ夢を抱いてやってきた東京で出会った。公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、ままならない日々を送る永田にとって、自分の才能を一心に信じてくれる、沙希の笑顔だけが救いだった――。理想と現実の狭間でもがきながら、かけがえのない誰かを思う、不器用な恋の物語。芥川賞『火花』より先に着手した著者の小説的原点。

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劇場(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年05月03日

    永田ほど人間らしい人物を見たことがない。ドス黒い腹の中を全て描写してくるから最悪だし、面白くて仕方ない。
    日常を描き、次第に心の闇を浮き彫りにし、最後に泣かせにくる作品のあざとさについて批判的だった永田が、質の高さの暴力に晒されて認めざるを得ない状況に陥るが、この小説自体がそれを再現しているのが凄い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月24日

    主人公はとことん醜い。
    が、心が表面にのみある浅薄な人物ではなく
    自分を正当化しようと足掻く愚かさがあるがそこに人間らしさがあると思った。ただそんな姿を見させられると自分の愚かさも考えさせられる。
    誰もが隠そうとする醜い部分があるのだと思う。

    他の方も言っていたが話の構成が始めと最後で一つの公演を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月25日

    環境とか状況はまったく違うんだけど、気持ち的な部分で「逆」劇場状態に自分がなってて、うわぁ…なんかちょっと沙希ちゃんのこの感じ分かるなぁ…。って思いました笑
    そのせいで沙希ちゃんシーン>劇団シーンで読んでたな笑

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    Posted by ブクログ 2023年12月18日

    「神様、うしろ座ってますか?」
    不安や焦りを喋ってふざけることで見えないようにしてる永田の描写が切ない。短い話だけど、長い年月を過ごした2人と一緒に歳を重ねる気持ちで読んで、終盤はかなり入り込んだ

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    Posted by ブクログ 2023年11月15日

    一生忘れない小説の一つ
    主人公の永田は好きだけど嫌い、見た後もやもやしたようなスッキリしたような複雑な気持ち

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    Posted by ブクログ 2023年08月06日

    又吉が最後に書いていたとりとめのない文章ですみません
    だけどそれが人生なんじゃないのかと思った

    誰かにとって特別な作品になるような温度

    沙希ちゃんと最後に演劇するシーンがすき
    非常にみずみずしい文章の作家さん

    また読み返したい
    20230709

    0

    Posted by ブクログ 2023年02月26日

    なぜ人はほっておいてくれないんだろう。本人がそれで幸せなら、それでいいはずなのに。
    常識とか世間体とか、そんな型に嵌めようとする人たちが醜悪に見えてしまうほどのひとつの純愛なのだと思った。

    0

    Posted by ブクログ 2023年01月16日

     「人間の醜さ」というものを露骨に表現している作品だった。永田はあまりにも醜すぎた。でも、それが本来の人間のようにも感じた。周りの人間は「嫉妬」隠すのが上手なだけ。心の中にはそれを常に隠し持っている。
     人間には、さまざまな欲望や夢がある。でも、それが叶うのはほんの一握りの人間でしかない。
     好きな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月24日

    主人公の性格の描写がすごく伝わってきてよかった
    嫌な奴なのに一丁目に素敵な人を独占したくなる主人公のキャラが刺さる

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    Posted by ブクログ 2024年04月07日



    ひょんなことから友達と本の貸し借りをすることになって、最近読んだ中でいちばん印象に残ってるって言ってて貸してもらった本。

    本は薄いのに、何故か普段のペースでは読めなくて、いつもより少しゆっくり読み進めた。

    永田の身勝手で不器用で嫉妬深いところ、そういうところになんだか人間らしさが滲み出てたな...続きを読む

    0

劇場(新潮文庫) の詳細情報

  • 映画化

    「劇場」

    2020年7月17日公開
    出演:山崎賢人、松岡茉優、寛一郎

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