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高校卒業後、大阪から上京し劇団を旗揚げした永田と、大学生の沙希。それぞれ夢を抱いてやってきた東京で出会った。公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、ままならない日々を送る永田にとって、自分の才能を一心に信じてくれる、沙希の笑顔だけが救いだった――。理想と現実の狭間でもがきながら、かけがえのない誰かを思う、不器用な恋の物語。芥川賞『火花』より先に着手した著者の小説的原点。
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「劇場」
2020年7月17日公開 出演:山崎賢人、松岡茉優、寛一郎
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Posted by ブクログ
大抵の人は永田を嫌うだろうし、実際作中でも永田は嫌われている。ただ、なぜ嫌うのかと言うと、大人が捨ててきた子供っぽさを、永田は大事に抱き抱えつつ、大人でも子供でもない空間に浮かんでいるからなんじゃなかろうか。 徹底的に自他をいじめ抜くからこそ、そのクリティカルさは生まれている。のにも関わらず、そい...続きを読むつは毎日自分の元に帰ってくる。何も言わなくなるのに、そばにいる。その愛嬌がどうしようもなく魅力的にうつるのかもしれない。
もともとyonigeというバンドが好きで、 その中でも沙希という曲が1番好きで。 この本から影響を受けて書いた曲だと知ったにも関わらず読んだことがなかったので、 今更ながら読んでみた。 終盤、気が付いたら涙が止まらなくなっていた。 最後の描写は実際の場面を見たかのように強く映像として残っていて、...続きを読む2人のこの時間に終わりが来ることを認めたくなくて、しばらく最後のページをずっと眺めていた。 永田のプライド、コンプレックス、それが人との関わりにおいて邪魔をしてしまうシーンは、 ここまでの表出さえしなくとも自分自身の中にもある感情、あった感情な気がして、読み進めるのを躊躇いそうになる瞬間もあった。 永田と沙希が歩み続けた日々が、二人にとって尊い瞬間であったことが救いに感じる。 それが逆に沙希を苦しめてしまったのかもしれないけれど。 私がこれからyonigeの沙希を聴いて 永田と沙希の日々を思い出すように、 彼らも、これからの日々で互いを思い出す時 切ないながらも今を色濃く生きる糧になりますように。
2人の間に起こった出来事は、決して劇的なものではない。むしろありふれた話で、だからこそ自分の経験とリンクして胸が締め付けられる思いだった。 『火花』が良すぎてなかなか読めていなかったのだけど(?)、もっと早く読んでおけばよかったと後悔。 「乱暴に言う自分の言葉で興奮しているようだった」 「涙を感...続きを読む動の物差しとして誰かに示すことを恥と思ういやらしさ」 「(沙希には)夢のある暮らしに対する期待があった。それを目の当たりにしてしまったことがつらかった」 「僕の場合、与えるということは「欲求」であって「優しさ」なんかではないのかもしれない。こんなことを考えている時点で下品だなと思う。」 「芸術というものは、何の成果も得ていない誰かが中途半端な存在を正当化するための隠れ蓑なのではなく、選ばれた者にだけ与えられる特権のようなものだという残酷な認識を植えつけられた。」 又吉さんの文章を読んでいると、自分の中にある卑屈な人間性やコンプレックスが刺激される。あのセリフやあの描写、普段見て見ぬふりしている自分の嫌なところを見せつけられてるみたいで自己嫌悪に陥る。
葛藤と純粋の物語。一人称内向きの心内をよく書き込んでいるので読む側もそこまでか?いやそう考えるよな〜とか心揺らされた。そんな風に思うのは男だけかな?
初又吉本 元々好きなタイプの喋りをする人だなとyoutubeとか見てて思ってたけど、彼の書く物語もちゃんと好きだった 一文一文が長いし、描写が緻密すぎて最初50ページくらいはいまいちだったけど、そっから気持ち持ってかれた 何度か物語としては盛り上がりではない一文に心痛めて泣いた 永田は普通に現実...続きを読むで会ったら一蹴してしまうゴミ男だけど、永田を産み出した又吉はとても優しいなと思った。
主人公が本当にろくでもない人間のような気がした。又吉の人間も同じようなテーマで自分に才能がないって気づきながらそれを見ようとせず生きてるみたいな?類似性が感じられたけど。 私はやっぱり又吉の言葉遣いが好きだなと思った。 普通の人が1行でいうことを3行くらいの複雑な表現をする、感じがもっと知りたい、と...続きを読むかそんな気持ちになる。言葉が豊かだなと思う。 恋愛って本当にこんな感じなんだろうか? もう一度読みたい。
単行本207ページって短め?って思ったけど、そうとは思えないくらい内容が濃い。 永田がクズ過ぎて、正直感情移入が難しくかなりイライラも、した、けど、 ラストスパートでこの本の印象が一気に変わった。 結局のところ、沙希も変だし永田はもっと変という印象。でも、最後の「2人の関係性がこれ以上どうしようもな...続きを読むかった感」がとても切なく、泣きそうになった。 純文学は多分初めてだった。難しくて、読み返したことも多々あったけど、又吉先生のその表現方法の巧みさに唸りました!
永田の悲観的で周りを認めたくなくムキになってしまい周りの人を傷つけては後悔する、良くないとわっていても彼女に寄りかかり理想を生きようとする、どこか理解できるような出来ないような。 最後の演劇の台本を2人で読んでいるシーンは演劇の中という設定だからこそ本当のことが言えるようでとても切なく感じた。
永田のどうしようもなさに嫌気がさすけど、そのどうしようもなさは、形は違えど自分の中にもあるから同族嫌悪的に嫌な気持ちになる気がする。人と支え合うことは大事だけど片方が一方的に寄りかかると壊れる。
4.0/5.0 語り手の主人公にとって、「演劇」と「彼女」の二つの存在が自分の柱になっていて、それぞれに対する欲求、喜び、不満等をそれぞれで補い合っているような構図が印象的だった。 恋愛小説とも言えると思うけど、軟派な印象になっていないのは著者の繊細な文章表現によるものだと感じた。 あと、性的な描...続きを読む写をわざとらしいくらい、一切排除してるのは意図的なんですかね?
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