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美しく、儚く、切なく、哀しく、馬鹿馬鹿しく、愛おしい。
鬼才と奇才。文学界の異才コンビが詠む、センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集。
『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』に続くシリーズ第三弾。四〇四句の自由律俳句と五〇篇の散文を収録。
琴線に触れまくる言葉たち。
しみじみってもんじゃない。
これは自由派の記録の最終章である。
誰もいない時計店で動いている針
写真にうつらない月を仰ぐ
もう引き返せないということもない
ブランコに濡らされた手を拭く
用途の無い棚を眺めている
そうだふりかけがある
*自由律俳句とは、五七五の形式を破り自由な韻律で詠む俳句のこと。
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Posted by ブクログ
迂回したら満月
沢山の自由律俳句の中で一番好きだったこの一句。いつもと違う道に訪れる素敵な出会い。二人が見ている風景、歩んで来た人生の一部分を切り取って、少しだけ見せて貰った様な感覚。コミカルに、でも情緒的に。読んでいる間に流れる時間がとても温かかった。
個人的に綾部さんがNYへ行く決意を、又吉さんに表明するエピソードがとても好きでした。二人の遣り取りが自動的に脳内再生されて、その様子が凄く微笑ましくて。「ええんちゃう」なんとなくなんの関心も無さそうに聞こえるこの一言が、又吉さんのあの声音が乗っかると、それだけで重みが出るような気がした。口数はまるで少ないけど、相方への愛が真っ直ぐに伝わる様な。そんな感覚。ピース、やっぱり好きだな。
Posted by ブクログ
せきしろさんと又吉さんの共著。
自由律俳句の合間に2ページの短い随筆が、そしてどこかで見たことありそうな普遍的な写真が挟まる。
随筆は日常にある些細ながらも人生のうち3回くらいしか起こらなそうな出来事を拾い上げているのがとてもいい。
わたしは小さいが「あるな」という事象をきちんと言語化できる人への憧れがある。
せきしろさんの「町の変わったおじさんを認知しているつもりが自分もおじさんから認知されていた」という話、何気ないんだけど何気なく考え方を変えられそうだ…。
第三者視点の観察者だと思ってたのにいきなり一対一の関係に持ち込まれる恥ずかしさ、あるよね。
最後にあとがきの類がないのが良かった。我に返らないというか。ポエティックな本においてのあとがきって「ま、こんなんもやってますけどね…」といった釈明のようなものになりがちなイメージがあるので、そこから降りずに「ハイ!では!」という終わり方、潔い。
又吉「カツ丼食える程度の憂鬱」「黒いところは海だよ」「一貫だった」
せきしろ「茶髪の夫婦が大笑いしている」「魚のここは大人が食べるところ」
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