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銀(しろがね)の光を見つけた者だけが、この地で生きられる――。父母と生き別れ、稀代の山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、石見(いわみ)銀山の坑道で働き始める。山に穿(うが)たれた深い闇に恐れと憧れを抱きながらも、そこに女の居場所はない。熱く慕う喜兵衛や、競うように育った隼人を羨むウメだったが、勢いを増すシルバーラッシュは男たちの躰(からだ)を蝕(むしば)んでゆく……。生きることの苦悩と官能を描く、直木賞受賞作。(解説・北方謙三)
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Posted by ブクログ
石見銀山に魅入られた少女の一生。 予想以上の質量のある長編でした。さすが直木賞。こういう小説を読めると嬉しくて震える。 同じ女性として、主人公ウメの内側から溢れ出る強烈な生命力や強さに圧倒される。憧れる。 男たちの短い一生の中で、女や子のために生きて、命を燃やし尽くすさまも心に残りました。 絶望か...続きを読むら何度も立ち上がって、愛した男たちと真正面から向き合って、こんなふうに生きたい。
後半の引き込まれ感がすごい。私も日に日に病気に侵されていく人と生活しているかのよう。辛い咳が、隣から聞こえてくるような、、、それでも生活のために間歩に入る。 ウメの波瀾万丈すぎる人生。それでも生きていく。
両親と共に夜逃げしたウメは道中で両親と生き別れとなる。さまよいつつ一歩一歩き川を遡り間歩にたどり着いた先で山師喜兵衛と出会う。女児のウメを育てることに冷やかな反応も多い中、喜兵衛はつかず離れずでも大きな愛情をもってウメを育てていく。いつしか銀堀になりたかったウメだが、そこに立ちはだかる性の問題。家族...続きを読むを生かすために必死で銀堀する夫と家で子供を守りじっと夫の帰りを待つ妻。やがて夫は銀堀の病に侵され次々と死を迎える。妻は子供を養うために次の夫と結婚していく。このような銀山の生活の中にウメも入っていくこととなる。性別によりどうしてもかなわない事への悲しみ・怒りなどを自分の中でもがき、受け入れながら必死で生活していく姿が美しい感情表現で描写されている。生きる意味とは、生きながら得ることとは…戦国時代の石見銀山を舞台にした小説。
時代小説を初めて読んだ。今まで読む機会なく敬遠していたが、千早さんの作品ということで挑戦してみた! 最初は慣れない言葉や文体に慣れなくて読み進むのに時間がかかったが、千早さんの圧倒的な文章力に惹き込まれた。 銀掘りたちとそれを支える女たちの一生。力強さと儚さ。 この作品はフィクションだが、実際に...続きを読む昔の石見銀山ではこのような日常があったのだろう。 病に倒れていく男たち、それを最後まで見届ける女、辛い。でも掘り続ける。ここで生きていくという覚悟に魅せられた。 登場人物たちが魅力的だったな。 「死にたいと望むことは生きたいと同義なんかもしれん」 「銀がなくなっても、光るなにかを人は探すと思います。それで毒を蓄えても、輝きがなくては人は生きていけない。無為なことなどないんです。ウメさんの歩んできた道に光るものはありませんでしたか。 足掻きましょう、無為に思えても。どこにも逃げられはしないんです」
静岡県の土肥金山に行ったことがある。呑気に砂金採りや坑道に潜るなどの体験をした。 この小説は石見銀山の話。そうか、実際の鉱山というのはこれほど苛烈で闇で熱く苦しいものであったかと、啓かれた感じ。資料や観光地などで見聞きしてはいたが、ここで描かれる生活と金と権力と病、男たちは次々と死んで女は何人もの...続きを読む夫に嫁ぎ、男子は育つとまた坑道に送り込まれる、というリアルは全然わかっていなかった。
なんだろ、ジブリ映画を一本みた後のような読後感。爽やかな部分と、人間の欲望の部分がメリハリよく描かれていて、複雑な気持ちになる作品でした。 私は石見銀山に行ったこともないですし、勿論戦国時代に生きたわけでもないです。ましてや男なので、女性の体や気持ちの変化など体験したこともなく、わからないことだら...続きを読むけなのですが、なんだか自分がタイムスリップして、ウメ(主人公)になったような感覚を覚えるほどリアルに世界が描かれていたと思います。きっと著者は石見銀山や当時の人々の生活について、細かく調査されたのだろうと察します。 間歩(まぶ)や手子(てご)など、聞き慣れない言葉が多々でてくるのですが、自然とそういった言葉を覚えることができ、読み終わって1週間たった今も耳に残っています。そこまで、読み手をのめりこませるとは、さすがと思います。 心情描写、風景描写、構成、どれをとっても一級品で、最近★5をつけすぎな気もするのですが、★5で間違いない作品です。
千早茜さんの作品は幾つか読んできたが、今回の作品は群を抜いて良かった。 時代背景は、なんと関ヶ原の戦いの頃の日本。 島根県は石見銀山を舞台とした人間の生き様を描いた作品。 シルバーラッシュに生きる望みを託した両親に連れられ、住み慣れた村を出たウメは、一人きりで銀山の山師である喜兵衛に拾われる。 ...続きを読む夜目の利く童だったウメは、喜兵衛に慈しみ育てられ、やがて間歩で銀を採ることを志すのだが・・・ 銀山はまさに生命そのものだ。 間歩の闇の中で掘り出される銀は、そこに生きる道を求めた人々の生きる道標であり、欲望と夢と意地の境地だった。そして、その闇は人間の体を確実に蝕んでいく。 医療や科学が未発達だった時代・・・ 人は銀山に何をみて何を感じ何を思ったのか。 そこに命をかけた人々の苦悩と羨望と官能を描ききった作者の筆力の凄まじさに、読後しばし放心状態になった。壮大な物語を読ませてもらった。 まず、登場人物一人一人が魅力的だった。 個性が明確で生き生きとしていて、躍動感を感じる程だった。一方で、時には恐ろしいほどの静寂を感じる闇が広がり、孤独感や喪失感が襲ってくる。 この一見アンバランスな感情が、物語の展開と見事に調和していて、一気に引き込まれた。 ウメの感情に気持ちをのせて読み進める内に、何度か自然と涙が溢れた。 大切な人を失うことの喪失感や無力感。 子を産めるという機能が備わっているが故の苦悩。 気持ちが揺さぶられて嗚咽になりそうだった。 どうやら「闇」がキーワードになる本作。 間歩の闇と人の内にある胎内の闇。 その裏には「人が生きる意味」という昔も今も変わらないテーマが深く根付いているように感じた。 出会えたことに感謝したい作品。 色々な方に読んで欲しいと思う。
とても読み応えのある物語でした。 面白かったと書くのはなんだか違う気がして、まだこの胸の昂りを上手く言葉にできないです。 圧巻でした。
千早さんは、誰も入る隙のない2人で完結された空間を描くのがお上手だと思っていて、今回もそんな静謐な雰囲気の漂う作品。 変えられない運命を嘆きながらも、やはり間歩から離れずに、男たちを最期まで支えたウメは、銀堀にはなれずとも確かに喜兵衛の手子だったと思う。 胸が引き裂かれそうな闇の中でも、"...続きを読むおなご"として、母として、ひたむきに強く生き抜いたウメは とても美しく輝いて見えました。
私が普段読まないタイプの本で、読みにくいと感じながらも徐々に引き込まれていき、読む手が止まらず映画を観ているようだった。 泣けた。
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