神様の暇つぶし

神様の暇つぶし

740円 (税込)

3pt

親を亡くし一人になった20歳の夏、父よりも年上の写真家の男と出会った――。
男の最後の写真集を前にあのひとときが蘇る。妙に人懐っこいくせに、時折みせるひやりとした目つき。
臆病な私の心に踏み込んで揺さぶった。彼と出会う前の自分にはもう戻れない。
唯一無二の関係を生々しく鮮烈に描いた恋愛小説。

解説・石内都

※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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神様の暇つぶし のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月24日

    読み終わってすぐに『どうして装丁が"りんご"なのだろう』と不思議に思った。
    物語の鍵になるのは、同じ果物でもりんごではなく桃なのに、何故?と。

    神様とりんごといえば連想されるのは禁断の果実。
    食べることを禁じられていたのに、口にしてしまったアダムとイブ。その結果、ふたりは知恵を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月07日

    千早茜さんの作品の中で初めて読んだ作品。
    純愛ではあるのだろうが、歪な愛の形。好きとはなんなのだろう、と考えさせられた。そもそも動物に好きという感情はあるのだろうか、本能で、惹かれ合う、本来は人間もそうではないのだろうか。
    一夏を共に過ごして、季節が過ぎるのと同じように去っていった全さん。冷静に考え...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月09日

    経験したことが無いのに知っている、という感情に終始浸っていた
    私が感じたこの感情は何に対する感情なのか、恋なのか親しい人を喪うものか、考えた時にこれは生きる、という事に対する感情のではないかと思った。

    一文一文が美しく廃退的な雰囲気と明るく前向きな雰囲気が混ざり合い独特のコントラストに満ちていた。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月30日

    生々しく五感にヒリヒリ訴えかけてきた。
    美醜や魅力は姿型に無関係なんだと改めて思った。
    性的に惹きつけられるのってなんなんだろう。
    好き嫌いの好みの問題でもなく理性では抗えないもの。
    命、魂で感じるもの。
    全さんの圧倒的な魂の写真が見えるようだった。

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    Posted by ブクログ 2023年11月24日

    父が死んでひとりぼっちになり、停滞していた藤子の時間を動かしてくれたのは、近所の写真館の息子で30歳ぐらい年上のカメラマンの全さんとの出会いでした、なんて。しかも年上の余裕と、危なっかしさをあわせもっていたら恋に落ちてしまいますよね。残された藤子の方が辛いかもしれないけど、全さんが最後に「死期が近づ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月11日

    【2023年141冊目】
    読み始めてすぐに、「あー、これは好きなタイプの作品ですね」って思ったんですけど、案の定非常に良かった。ところどころで死を匂わせてくるのもずるかったですね。勝手に先を想像して、勝手に泣いてました。

    年の差で「えー」って思うかもしれませんが、年の差に囚われるのはもったいないな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月08日

    千早さんの言葉の連なりを、ひとつひとつを噛み締めるように読んだ。
    会ったことのないのに[知っている]と感じる人、毎日同じ空間にいるのに[知っている]とは思えない人。
    もう出会う前の自分には戻れないと感じる人。

    泣きたくなったら食べればいい。
    泣きながらでも飲み込めば、食べた分だけ確実に生きる力にな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月25日

    千早茜さんの作品に初めて触れたきっかけとなった一冊。湿度の高い空気感でストーリーが進んでいく感じがとてもリアル。歪んだ愛の迎える結末に涙した。里見のアナザーストーリーが欲しい。里見のことをもっと知りたくなる。

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    Posted by ブクログ 2024年03月03日

    普通の恋愛小説、、ではなく歪な恋愛小説。
    それは恋なのか愛なのかそれとも執着なのか依存なのか、あるいは呪いなのか。
    人の愛を、人の心を、求めてしまう感情はきっと誰にでもあって。承認欲求も性的欲求も全て自分以外の人間からしか満たして貰えない。なんて醜い生き物だろう。なんて傲慢な生き物を神様は作ったのだ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月04日

    よくある恋愛の展開、と言えなくもないけれど、それを凌駕するのは著者の繊細な言葉遣いや表現力。それがあまりに美しくて、恋愛を小説で楽しむ喜びを再認識させてもらう。これは文字でなければならない。

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