神様の暇つぶし

神様の暇つぶし

740円 (税込)

3pt

親を亡くし一人になった20歳の夏、父よりも年上の写真家の男と出会った――。
男の最後の写真集を前にあのひとときが蘇る。妙に人懐っこいくせに、時折みせるひやりとした目つき。
臆病な私の心に踏み込んで揺さぶった。彼と出会う前の自分にはもう戻れない。
唯一無二の関係を生々しく鮮烈に描いた恋愛小説。

解説・石内都

※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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神様の暇つぶし のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    たぶん、千早さんの小説をちゃんと読むのは初めて。

    読み始めた瞬間から、文章に呑まれる感覚。文章というか、文章が漂わせる空気に。

    夏の烈しい彩度、青空と入道雲の、目を刺すほどのコントラスト。けれども視線は上を向かず、灼熱のアスファルトに張り付いた、黒々とした影に落ちる。途方もない絶望と痛み。
    そん

    0
    2025年11月26日

    Posted by ブクログ

    愛って、いったい何なんだろう。
    この物語を読んで、改めてそう思った。

    登場人物たちは決して理想的じゃない。
    むしろ、自分の欲に忠実で、そのためには他人に無慈悲になれる人たち。
    何を考えているのかわからない、恨まれても嫌われても平然としている。
    そんな人ほど、なぜか心が惹かれてしまう。沼のように。忘

    0
    2025年10月16日

    Posted by ブクログ

    匂いや感触、体の感覚、味の描写が微細。
    自分の体で再生できるようだった。
    それは良い香りや気持ち良いものだけでなく、
    生々しさや痛々しさも。自分の体で再生できるほどリアルなはずなのに、ありふれた表現や長々しい説明的なものではない。

    食事や食べ物の描写だけでその人物の体の変化さえも表現されているよう

    0
    2025年10月04日

    Posted by ブクログ

    溺れるような恋をすると、すべてが特別なことのように思えて、狂おしすぎて苦しくなるんだよなぁ。過去を思い出して読んでる間は、ずっとヒリヒリしてしまった(たぶんそういう人が多いはず)。
    全さんのような年上男性に惹かれるのはすごくわかる。気持ち悪いとか、グルーミングじゃない?って言われても止められない。

    0
    2025年12月07日

    Posted by ブクログ

    両者の命と命が烈しくぶつかりあう刹那に、奇跡的に見える生々しくてぎらついた景色!
    私の知っているどの恋愛とも全く似ていない苛烈さ、恋愛小説と銘打たれたものを読んでこんなに胸がひりついたことはない。
    痛々しいほどの烈しさ、藤子の命が強く輝く様が神々しく美しい。どんなに人生を諦めていたとしても彼女を前に

    0
    2025年12月07日

    Posted by ブクログ

    全さんの圧倒的な存在感と
    藤子の純粋で自虐的だけど抑えきれない感情の
    どちらも違う角度の生々しさがあって、
    交わることの無い世界で生きてきた2人が交わったとき、
    人間の卑しさや美しさが溢れ出てきた気がした。
    全さんと藤子のひと夏は、短くて切なくてどのシーンも絶対に必要で忘れたくない景色ばかりで永遠に

    0
    2025年11月28日

    Posted by ブクログ

    恋愛なんて似合わないと一歩引いてる女子大生・藤子が30歳年上の写真家の男性・全と出会うお話。

    肉感が強い文章が作中の夏という季節感と相まって湿度高く生々しい。
    描写がビビッドすぎて苦しく感じる部分もあった。
    もっと暑い時期に読みたかったような気もするけど、そしたらより生々しさは増したかもしれない。

    0
    2025年11月27日

    Posted by ブクログ

    年齢差のある恋愛のお話。
    台詞や仕草、質感、食べるシーンなど人の魅力の描き方がすごく素敵だなと。全さんみたいな人は、近くにいたらきっと私も惹かれてしまうんだろうなと思った。

    大枠のストーリー自体に目新しさはないものの、惹き込まれる話だった。誰かに惹かれることで、自分の人生の主軸が乗っ取られ狂ってい

    0
    2025年11月23日

    Posted by ブクログ

    匂い、音、触覚の描写

    初めは単調。後半になるにつれて、前半部分はとつながっていく。白銀の…と同様

    20歳の女性の初恋はともかく、50代以上の中年〜初老男性の悲哀を描いている どうして40代女性の著者が感じられるのだろう

    0
    2025年11月15日

    Posted by ブクログ

    夏に読むと、もっと良かったかもしれないなとどうにもならない事を思った。

    みずみずしい桃の描写が印象的で、水分を含んだ果実の輝きとグロテスクなほどの生々しさがひと夏の恋を象徴しているようだった。
    描かれているのは紛れもなく藤子の恋で、でも私の知っているどの恋とも違っていて、私は本当の恋をもしかして知

    0
    2025年11月14日

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