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実体がないような男との、演技めいた快楽。結婚を控え“変化”を恐れる私に、男が遺したもの(「ほむら」)。傷だらけの女友達が僕の家に住みついた。僕は他の男とは違う。彼女とは絶対に体の関係は持たない(「うろこ」)。死んだ男を近くに感じる。彼はどれほどの孤独に蝕(むしば)まれていたのだろう。そして、わたしは(「ねいろ」)。昏(くら)い影の欠片が温かな光を放つ、島清恋愛文学賞受賞の恋愛連作短編集。
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Posted by ブクログ
恋愛の幸せなところじゃなくて、もっと暗くて難しくて嫌なところをこれでもかっていうくらい突きつけられる。表面上はなんてことない幸せを装ってる人も、みんなこういう気持ちを抱えているのかな。 人間は難しいし、特に恋愛がやっぱり難しすぎる。
ゆらゆら揺れ動く夜の空気みたいな、耽美的な恋愛小説。島清恋愛文学賞受賞作。 古今東西、多くの作家が「恋愛」という普遍的な情熱をテーマにした文学作品を残してきた。熱に浮かされるような感覚、利口に生きられない歓び、嫉妬するのに敢えて装う平静、相手と共有できる非日常の世界、愛する者に振り向いてもらえな...続きを読むい地獄の苦しみ、世界を呪いたくなる惨苦、やがて訪れる静けさ、深い虚無感。 しかし現代の恋愛小説において、そのようなロマンティシズムは見受けられない。「恋愛」は本来もっているはずの性質を失い始めている。現代人の空虚は奥が深い。誰もが孤独を恐れつつ、人に傷つかない孤独な安全地帯に潜り込む。「かたち」あるものを求め、「かたち」が無ければ人間関係は成立しないと思い込む。そして「かたち」の中で他の誰とも想いを共有しにくくなったままに、慎ましく、淡々と、けれど元気を装い必死に生きる。 だからこそ本作で、「日々、同じかたちを保つため」結婚しようとしていた女が、密かに関わった別の男の中で、「かたちからゆるゆると滲みだしてしまう」姿にはっとする。愛してもいない、後腐れのない関係の男からの愛を、心底求めている自分に気付き涙する姿に、胸を打たれる。「だって、たとえ明日、世界が終わるとしても魚も人もきっと恋をするもの。惹かれた相手と一秒でも長く一緒にいたいと願うはずだよ。それは何かを遺したいからじゃなくて、生き物として当たり前の想いだから。」という言葉に救われる。 生きていれば、恋をする。恋をすれば当然苦しい。ならばいっそ苦しみ抜けば良い。生きているというのはそういうことだから。現代の冷たい世の中を俯瞰しつつ、その中で浮き彫りになった生きものとしての生の感情を、味わえる。
2013年に島清恋愛文学賞を受賞した作品です。 この賞は芥川賞や直木賞に比べると、あまりメジャーではないですが恋愛小説から選ばれる賞で、有名な方々が受賞されてます。 六つの短編集ですが、連作形式なので前作に登場した人物が次の話の担い手になってます。 好きな人になかなか本心をさらけ出せない、自身をみせ...続きを読むてしまうと嫌われてしまうかも、という気持ちはわかるなぁと思いながら、色んな形の恋愛を表現できる千早さんの文章は素敵だなと思いました。
半分くらいから一気に読んだ。この人の書く文章好きだなー! 読み終えたらなんだか温かい気持ちになった。水草くんのおかげだな。 積んでる他の作品もすぐ読みたい。
倫理観や社会性が欠如してる感じは千早先生っぽかった。 主人公の内面がメインで描かれるので、己の欲との向き合い方がダイレクトに表現される分、欲への向き合い方は(自分の欲が何かを自覚してるかどうかも含めて)人それぞれだなーと感じた。 千早先生の作品は淡々と日々が進んでいく印象があるが、この作品は割と感情...続きを読むの波が激しい作品だった気がする。 私は登場人物の中なら水草くんが好き。
実体のない愛を形に遺そうと互いに傷付け合った__ ひとつ話を読み終える度、息継ぎをするかのように空気を吸い込みたくなる。人を愛することで、孤独や失望の渦に飲まれる息苦しさがあった。 連鎖短編集なので、登場人物たちが交錯していくのも面白かった!
なんだろう、言葉にできないなにかが心に残ってる。 生きることってなんとなくつらい、でも少し希望を感じられるというか。それでも人生は続いていくんだな、と。
恋愛連作短編集ではあるけれども、どのお話も孤独の匂いが濃く、登場人物それぞれが、自分という個の在り方について真剣に向き合っているのが伝わってくる。 恋愛を含めた、生き方そのものの話。
人と交流して、自分の存在価値を見出す。その行為がツラい。納得出来ない行動が多々あるが、人に依存する過程でやむなし、と思えてしまった。こういうループに入ると辛すぎる。
恋愛とは、他人には説明のつかないもの。 だけど誰かに伝えなくても、確実に自分の中に鮮やかな炎として残る。 この物語は連作短編という形式でなければ、八方塞がりで息苦しくなってしまいそうです。 孤独の渦に巻きこまれ、登場人物それぞれが寂しさだけをを漂わせているように見えるけれど、実はとても美しい物語な...続きを読むのだと思います。 終盤、少しの光が射してきてほっとします。 誰かを好きになることは、こんなにも尊いことなのだと気づかせてくれるような、今までに読んだことのない恋愛の世界に浸れるような、連作短編集でした。
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千早茜
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