かつて一大遊郭が栄えた、閉ざされた島。独自の文化が息づく島で、美貌の姉弟・白亜とスケキヨは互いのみを拠りどころに生きてきた。しかし、年頃になったふたりは離れ離れに売られてしまう。月日が流れ、島随一の遊女となった白亜は、スケキヨの気配を感じながらも再会を果たせずにいた。強く惹きあうがゆえに拒絶を恐れて近づけない姉弟。互いを求めるふたりの運命が島の雷魚伝説と交錯し…。
Posted by ブクログ 2023年05月30日
魚の目を覗いてはいけないよ。人間とは心の作りが違うのだから。デンキは無い。夢は見られない。あるのはただ、水の臭いと、遊女屋の灯火-。
『ひきなみ』に続いての千早茜san。本作で3作品となったので、ひさしぶりにカテゴリー追加となりました。
「この島の人間は皆、夢を見ない。」から始まる物語。生ぬるい...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月06日
「しろがねの葉」がすばらしく良かったので、千早さんの作品をもっと読みたいと思い、魚神を手に取った。
とてもふしぎなファンタジーのような、文学作品のような、独特の千早茜の世界にどっぷりとひたることができた。
言葉遣いが卓絶。描写がとてもていねいに描かれており、最近流行りのキャラ重視小説とはまったく違う...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月24日
全体的に物静かで綺麗なお話でした。千早茜さんの作品はセンスがいいというか、言葉選びとか雰囲気が垢抜けていてかつ色っぽくて好きです。
一気に読ませるような勢いはないのですが、徐々に不思議な世界観に引き込まれていきました。
映像作品になったらぜひ見てみたいです。
蜷川実花さんが監督されたさくらんがイメ...続きを読む