クローゼット(新潮文庫)

クローゼット(新潮文庫)

649円 (税込)

3pt

十八世紀のコルセットやレース、バレンシアガのコートにディオールのドレスまで、約一万点が眠る服飾美術館。ここの洋服補修士の纏子は、幼い頃の事件で男性恐怖症を抱えている。一方、デパート店員の芳も、男だけど女性服が好きというだけで傷ついた過去があった。デパートでの展示を機に出会った纏子と芳。でも二人を繫ぐ糸は遠い記憶の中にもあって……。洋服と、心の傷みに寄り添う物語。(対談・筒井直子、解説・谷崎由依)

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クローゼット(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月21日

    千早茜さんの作品は『しろがねの葉』『西洋菓子店プティ・フール』、あとアンソロジーの一編を読んで以来、それだけで好きな作家さんになっていたが、これを読んでより好きになった。
    変に恋愛描写を挟まず、トラウマの記憶にフォーカスしすぎず、ただ服と人とを描いているのが心地よい。文体も繊細かつやや静謐で写実的な...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月27日

    服が好きっていう先入観は当然あるけど、その中でも個人的に焦点が当たらない世界を描き出してくれて、世界が広がりました。
    服好きは必読だと思いました。他作もですが、時間、の描写が多いように思えます。服の歴史、人の感覚、時の経過、成長、などが詰め込まれていて素晴らしい作品でした。

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    Posted by ブクログ 2023年08月05日

    服飾美術館の存在や服の補修士という職業があることを知った。
    男だから、女だから。。その言葉にいつの間にか囚われていることに気付く。
    傷を乗り越えようとするラストが印象的。

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    Posted by ブクログ 2024年03月30日

    服に対する固定観念 男は女はこれっていうのは時代とともに変遷していく

    克服よりも、痛みを持ち続けながら前に進んでいく

    洋服に興味がなくても、読みやすいし、面白いが、洋服が好きな人はもっとワクワク楽しく読めるのかも。

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    Posted by ブクログ 2023年12月08日

    クローゼットの中で幼い頃過ごしていた、まきこは男性恐怖症を抱えていたが、天職とも言える洋服補修士の仕事を通じて、芳出会う。私はまきこを必死で守ろうとする晶が痛々しく感じた。

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    Posted by ブクログ 2023年12月07日

    100年以上前の洋服たちが1万点以上保存されている服飾美術館。
    その場所に魅了された人達の、心の傷み。
    芳、纏子、晶の3人が、少しずつ寄り添いながら前に進む姿に心を打たれました。
    ファッションには疎いけど、こんな美術館があったら行ってみたいなぁ。

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    Posted by ブクログ 2023年11月24日

    作品のなかで扱われるような豪奢な被服が結構好きなので、コルセットやバッスル、ドレスの描写がワクワクしました。

    服に対しての考え方を始め、社会の変化や歴史まで繋がって色々と考えさせられる事もあるけれどこの小説は全く説教ぽくなく、素直に考えられました。自分や、今の社会の当たり前もやがて歴史となっていく...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月12日

    日本に服飾の美術館があることを初めて知ったし、そこを舞台に描かれる人々の生き様、仕事ぶりは興味深かった。
    千早さんの五感を捉える繊細で的確な描写が想像力を掻き立て、静かに美しい世界観が脳裏に広がるのが楽しかった。
    ジェンダーフリーが叫ばれる昨今、まだまだ性による差別、偏見が深く根付いている社会にそっ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年10月28日

    初読みの作家さん。ずっと気になっていたけれどやっと手を出すことだ出来てよかった~!タイトルの通り洋服に関わる人々が服だけでなく心の傷みとも向き合っていくお話だった。読みやすく、かといってつまらなくない。言葉選びも繊細で五感で読んでいるかのような感覚だった。レースの手触り、金木犀の香りやドレスの鮮やか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年10月04日

    久しぶりに、心にじわっと沁みる本を読んだ。
    千早茜さんの作品、他のものも読んでみたい。
    晶がどうしても、高畑充希ちゃんで想像してしまう。

    以下、好きな箇所。
    「わたしはまだ生きます。大好きな仕事もあります。でも、まわりに気を遣われているうちは人生に勝っていない。過去にとらわれている。わたし、ちゃん...続きを読む

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