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天才調香師は、人の「欲望」を「香り」に変える――。
直木賞受賞第一作。『透明な夜の香り』続編!
「君からはいつも強い怒りの匂いがした」
カフェでアルバイトをしていた朝倉満は、客として来店した小川朔に、自身が暮らす洋館で働かないかと勧誘される。朔は人並外れた嗅覚を持つ調香師で、その洋館では依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す仕事をしていたのだ。
朔のもとには、香りにまつわるさまざまな執着を持った依頼人が訪れる。その欲望に向き合ううちに、やがて朔が満を仕事に誘った本当の理由が分かり……。
香りを文学へと昇華した、第6回渡辺淳一文学賞受賞作『透明な夜の香り』に続く、ドラマティックな長編小説。
Posted by ブクログ 2024年03月09日
一作目の雰囲気がすごく好きだったので、二作目への不安を抱えつつ読んだものの、すぐにひきこまれた。
主人公が感情的な面がある分、幻想的になりすぎない良さもあると感じた。
変わらず美しい文章で、庭園の季節の移り変わりや、立ち上るような香りを楽しむことができた。
一香ちゃんもその後の姿を見せてくれて嬉しか...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月11日
物静かで不思議な世界観が居心地よくて、前作を読み終えてすぐに書店へ向かって手に入れ、大事に大事に味わわせていただいた。
全体的に美しくじめっとした唯一無二な物語でやはり好きだった。途中生々しい場面があり少し嫌だとは感じたが、人間らしさという面では必然なのだろう。
前作ともしっかり繋がっており、前登場...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月06日
この小説を読むと、静謐で透き通るような香りや、森の木々、ハーブ、花、そしてハーブティーや数々の料理のいい香りだけを感じたくなるから、不思議。
香りに敏感で、彼以外が感じることができないようなわずかな匂いで、すべてを察することができる小川朔。今回も依頼主に秘密の香りを作っていた。彼が雇った朝倉満が、...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月03日
透明な夜の香りの続編という事で
すっかり千早茜さんの作品のファンになってしまった私は、とても楽しみにしておりました。
どんな時のどんな匂いも再現することができる
調香師である朔さん。
相手のわずかな匂いで何もかもわかってしまう
幼い頃の辛い記憶を封印し、孤独の中に生きる
満も朔さんに出会ったことで...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月19日
香りも感情も目には見えないけれど、千早茜の文章を通すと、確かに実感としてそれらを感じ取れるように思える。作品を通して様々な花やハーブを利用した生活を覗いているだけで、香りの無いところに香りが立ち、読んでいるこちらの昔の記憶すら引っ張られてくる気さえするのだ。
森の奥の洋館で客にオーダーメイドの香り...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月07日
前作の「透明な夜の香り」から続く物語。
若宮一香が小川朔の元を去ったあと、次に雇われたのは、朝倉満という青年だった。
朔の相棒、新城は「コーヒー入れてもらうなら女の子がいい」と言って反対するが、朔は有無を言わさず満を雇うことを決めた。
満は多くの疑問を持ちながらも、何かに導かれるようにして洋館に通...続きを読む
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