あらすじ
天才調香師は、人の「欲望」を「香り」に変える――。
直木賞受賞第一作。『透明な夜の香り』続編!
「君からはいつも強い怒りの匂いがした」
カフェでアルバイトをしていた朝倉満は、客として来店した小川朔に、自身が暮らす洋館で働かないかと勧誘される。朔は人並外れた嗅覚を持つ調香師で、その洋館では依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す仕事をしていたのだ。
朔のもとには、香りにまつわるさまざまな執着を持った依頼人が訪れる。その欲望に向き合ううちに、やがて朔が満を仕事に誘った本当の理由が分かり……。
香りを文学へと昇華した、第6回渡辺淳一文学賞受賞作『透明な夜の香り』に続く、ドラマティックな長編小説。
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天才調香師は、人の欲望を「香り」に変える――
特に、一香が度々、登場してくれたことが嬉しい!
実際に、私も、調香師・小川に、石鹸、シャンプー、化粧水とか。
全部提供してもらいたいなぁと思った。
本作は、すべての章のタイトルに「Moon」がついている。
タイトルのオシャレだなぁと感じた!
表紙の美しさにいつ見ても、惚れ惚れしてしまう♡
「香り」シリーズ最終作 『燻る骨の香り』が来月発売ですね!
次作は、調香師・小川の20代の頃を描いた前日譚ということで今から発売が楽しみ。
最終巻発売に先駆けて、「香り」シリーズ2作を読んでみませんか…?
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前作と変わらず香りや情景の表現が素敵で、すっと物語の世界に入り込める。
私は一香ちゃん推しなので、今作はメインではなくて残念だけど、朝倉くんという視点から洋館での出来事が進んでいくのはまた新鮮な感じでよかった。
そして今作は内容が少し重めで心がぎゅっとなる場面が多かった。
シリーズ最新作が近々出るようでとても楽しみ。
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続編なのを知らなくてこちらから読んだ。が、前作を読んでいなくてもすごく良かった。これも映像が浮かぶんだよな。映像が浮かぶ=面白い小説ってわけでもないと思うんだけど、浮かぶ映像が綺麗で澄んでる。自分の中の洋館の香りは、造られたウッディじゃなくて、本物の森林の香りに少しシトラス混ぜたような香り。それが香る気がする。すぐ隣に現実があるんだけど、異世界みたいで、本を開いて少し読むだけで涼しいところにちょっとお邪魔できるので好きです。
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前作を読んだ時点で本作は刊行されていたのだけれど、好きな世界観だったこともありこの世界の続きが手元にない状態だとどこか不安で開けずにいた。けれど、次作の燻る骨が刊行するとの情報を見て開くことに。
この世界に足を踏み入れると、心の奥の奥の方が清涼感に包まれる。清涼感というよりかは冷えているというのか。とにかく、不純物が取り除かれて、余計な熱のないまっさらな状態になるような気がする。
主人公が男性に変わったこともあり、この冷たさを味わうことはできないのかと思っていたところでのこれ!これだこれ!と心の内で叫んだ。
そしてやはり小川朔、愛している。変わらない透明感、儚さ、そして芯。軽率に好きになってしまう。惹かれてしまう。こんなにも魅力的な調香師がいても良いのか?また、前作の主人公である一香との関係性が名付けがたく、好んでいたので本作に度々描かれる二人には感謝。
次作が完結作とのことで、もう小川朔を観測できないのかと思うと辛くて辛くて堪らない。けれど期待して、新しい香りを心待ちにしたい
Posted by ブクログ
千早茜さんの作品は、ストーリー展開を追うためではなく、ただただ文章と表現を楽しむためにある気がする
何気に、小川朔の指示するレシピや料理、ハーブティーの描写がいちばん好きかも
前作を再読したくなった
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透明な夜の香りに続く物語。
"赤い月の香り"っというタイトルの伏線回収が基盤にあり
透明な夜の香りと同様様々な理由を持つ依頼者との出逢い。
ただ今回の依頼者はどこか朝倉満の過去と間接的に繋がる部分があり
特に持田くんと橘さんの依頼理由とその後の未来は印象深い。
何より小川朔と朝倉満の繋がりには驚かされた。
透明な夜の香りから赤い月の香りまで
2冊に渡っての長編小説を読み
これが千早茜ワールドなのかと...。
儚くて壊れてしまいそうなのに強くて、美しくて、温かい世界観。
前作の一花ちゃんとは対照的な朝倉満も守ってあげたくなるほど愛着が湧いた。
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『透明の香り』に続く香りシリーズ。
調香師の『小川朔』が、今回の主人公によって、
過去の顔を知る事になりました。
タイトルの『赤い…』は血を思い起こす”怒り”をイメージさせる話になっていて、前回の『透明の香り』の作品とは対照的な感情の演出でした。
主人公の時折動く感情に、終始ハラハラしながら読みました。
母親の残像の真実が、希望になって、今後は安心して読み進められる登場人物であって欲しいです。
2026年4月に続く『燻る骨の香り』の出版が楽しみです。
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透明な夜の香りに続き今回もすごく良かったです!
今回少し小川朔のことが出ていたと思います。もし続きがあるなら少しずつ朔のことを読んでいきたいなと思いました。そして一香が出てきてて嬉しい!洋館での仕事を去ったあともみんなとの関係が続いていて良かったです。香りは記憶に残る、香れば記憶が戻るなら私も朔に作って欲しいです、
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初めの五行で撃ち抜いてくるのが千早茜さん。
今回も、冒頭からぐっと引き込まれて、その日のうちに読み切りました。
次の続編があればぜひ一香と朔のお話をもっと…とは思いつつ、二作目ということもあって世界観にも入り込みやすく、また明かされた過去も、朔のキャラクターを深く知ることにつながり、サスペンスじゃないけど謎解きのような気持ちで読み進めた。
そして、最後の五行で、また撃ち抜かれた…。朔の、千早さんの言葉が頭の中を駆け巡って、記憶の引き出しをばんばか開けていく。その片付けをしながら、記憶が再整理される。これだから読書はやめられない…!
Posted by ブクログ
前作を読んで面白かったので。文章や表現が綺麗で好み。前作の主人公(一香)が所々登場し、他者視点から描写されたのも良かった。
満がどんな過去を持っているのか?赤い月とは?前作に比べて不穏な緊迫感も感じつつ読み進めた。どちらかといえば前作のほうが心地よい余韻は残ったが、今作も好きな終わりかただった。
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天才的な嗅覚を持つ調香師と、そのアシスタント、顧客が織りなす物語
読み終えた後、圧倒的な清々しさを覚えた
この調香師が登場する作品を読んだことがあり、衝撃的だったことを覚えている
前回はある女性アシスタントが主役だったが、今回は調香師と同じ施設で育った男性が主役となる
2人とも、母親に捨てられた経験を持ちながら、異なるタイプの人間に成長する
アシスタントは全力で母親を憎み、常に冷静な調香師はそんな彼を羨ましく感じる
本書ではいろんな傷を持った人が登場する
ただ、調香師を含めた人の繋がりの中で、少しずつ救われていく
完全にハッピーエンドというわけではないのだが、なぜかみんな救われたように感じた
この作品は久々に感じた傑作の一つだ
Posted by ブクログ
前作の『透明な夜の香り』を読んで、"香り"という新しいジャンルがすごく興味深かったから作者のことを調べていたら続編であるこの本に辿り着いた
もうすでに続編が読みたいくらい魅了されている
早く出ないかな
実際に香りが漂ってくる訳ではないのに、香りが想像できてしまうのが不思議で、作者の語彙力と伝える力に驚くばかり
朔さんの掴めない感じがまた良くて。
気高い一匹の白猫のような人だなと改めて思った
私も香りに敏感な方ではあると思うけど、一体朔さんから見る世界はどんなものなのだろうと考えてしまう
生きづらい世界ではないといいな
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透明な夜の香りを読んでいて、続編を読まずにはいられなかった。朔の言動の一つひとつが、ひっそりと人を救っていく。決して見えやすくはない優しさに包まれているなぁと感じた。
この柔らかな文章がとても好き。
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香りはすごい 第一作目よりも好き。
香りの輪郭が明確になり、私もあらゆる日用品を自作したくなった。
それにしても、香りの記憶がもたらす影響よ…と思わずにはいられない。
日常は香りで満ちているのに、おそらく私たちはそれに無頓着すぎるのかもしれない。
せめて人工の香りと自然の香りの違いを感知できる能力を培いたい。
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新作てあり、透明な夜の香り、の次回作。 重いけれど、魅了されるストーリー。ちょっと大人な、アダルトチルドレンたちの物語。過去と向き合うことのしんどさと、向き合うことで得られる新たな視点と気づきと開花。人は皆、深さは違えど忘れたい過去や向き合えない事実、何かしら秘密を抱えて日々生活している。闇、人それぞれの闇。これを香りと繋げて極上の言葉と空気で物語にする。なんとも深い。そして、書かれている以上に深いところまで筆者は達して文字に置き換えているんだと思うと、深く恐ろしい気さえする。
今後の作品が非常に楽しみな同年代の作家である。
Posted by ブクログ
前回に引き続きとても魅力的な物語でした。
朝倉くんとの話かと思いきや、一香さんも出てきて小川さんとの関係性も分かって...胸が少し痛くなる場面もありましたが、やさしく寄り添うとはまた違った物語のかたちがあるのではないかと感じました。
読み終わったあとはなんだかふわふわしている気分になれる本でした。
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前作の主人公であったが一香と朔の今後の関係が気になっていたので、今作の主人公が新登場の人物というのが少し残念だと思いながら読み始めた。しかし、前作の面白さを裏切らず、お馴染みの人達の会話も小気味よくて懐かしい場所に帰ってきた感覚だった。
新たな雇われ人の満は何か女性へのトラウマのようなものを抱えているようだったが、過去の記憶も前作の一香同様、朔の香水で蘇った。ふさぎこんでしまった満を持田くんが引っ張り出してくれたのも嬉しかったが、茉莉花へ素直に自らの気持ちを伝えらるようになっていたのも安心した。
また、一香と朔は雇われ人と雇い主の関係では無くなったが、一香が館まで足を運んだり、新城を通して連絡したりしているようだった。私は読みながら新城が感じていたよう二人の関係をもどかしく思ってしまった。しかし、二人とも納得してこのかたちを望んでいるのだと満の言葉に納得した。外野が二人のかたちに対して、とやかく言うものではないのだろう。
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小川朔は人の匂い、いや、香りを感じ取れる。
例えばそれは怒りの感情だったり、虫歯だったり、嘘の感情だったり、その他もろもろ。
一種の心理学的な何かなのかも、と思ったけど、見つけるのが難しい初期の虫歯ですら感じ取れてしまうのだから、これは本物なんだろう。
私は匂いに割と過敏な方で、例えば好きな人がいても、その人の匂いが受け付けなければ一緒に過ごすことはできない。香水などもあまり得意じゃなくて、香りの強い場所や人の近くに行くと思わず顔を背けてしまう。それこそ私は、ある程度仲良くなった人の香りを感じ取れるらしい。柔軟剤や洗剤の匂いはもちろん、その人の香りを感じることができる。それが出来るようになれば、私この人と割と一緒に過ごしてるんだなとか、仲がおそらくいいんだろうなと思う。
厳密に言うと、朝と夜の香りは違う。あと、疲れている時は香りがぐっと変わって、強まる。
職場でもそれを感じ取れる人たちがいるので、その香りがした時はあまり近寄らないようにしている。おそらく余裕がないんだと思うから、そっとしている。
……書きたいことはたくさんあるんだけど、長くなるから残りは別の媒体で投稿しようかな。
私からもおそらく香りはするのだろう。
無臭がいいけど、香りは隠せないよね……
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前作の透明な夜の香りでは“香り”そのものが物語の中心にある印象だったが、本作ではそれ以上に“人”に焦点が当てられているように感じた。特に朔の過去が少しずつ明らかになっていくことで、これまで掴みどころのなかった人物像に輪郭が生まれていく。ミステリアスなままだった朔の背景を知ることができ、とても興味深かった。
香りが人の記憶や感情を呼び起こすというテーマはそのままに、登場人物それぞれの内面により深く踏み込んだ物語だったと思う。前作とはまた違う角度から世界が広がっていくのが面白かった。
Posted by ブクログ
透明な夜の香りを読んで続編も気になって読みました。小川朔の雰囲気がやっぱり好きだぁと思い直しました。個人的に満も良いけど、若宮さんと朔さんの関係が好きなので透明な夜の香りを上回ることは出来ず星4つで!
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先月の最後に読んだ『透明な夜の香り』の続編をさっそく読みました。主人公の朝倉くんが男性なこともあって、新城や源さんとのやりとりもテンポいい感じで、会話の雰囲気が違って面白かった!でも話の静謐なところや、みんなが抱えている奥のひんやりしたところはそのままで……読みながらまた不思議な気持ちになった。こういう感覚の没入感があるんだな。前作の主人公・一香も出てきて嬉しかったし、朔さんとの関係性もやっぱり良い~~~……。個人的には、依頼者だった持田くんが朝倉くんとその後も仲良くしているところも好きでした。
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『透明な夜の香り』の続編。
前半は、いらない感じがした。絵のないマンガを読んでいるような比喩や表現が多かった。
後半は、主人公、満にフォーカスされていって、面白く読めた。
前作同様、傷ついた人を少しずつ癒していく、その世界観作りが、千早 茜さんならではで、素敵です。
Posted by ブクログ
世界観に没入してしまった。
皆が推す理由がよく分かる。
私の語彙力ではこの世界観を感想で表現できないのがもどかしい。
秘密と欲。香りと色。執着と愛着。青と赤。
2人にしか分からない一香と朔の関係性が好き。
本から漂ってくる薄暗い仄かな香りに誘われ、一気読み間違いなし。
Posted by ブクログ
こんなに最終章に満足できる物語はそう多くない。
かなり時間をかけてゆっくり読んだこともあって、世界感から出たり入ったりしたのに最後の章は一気読みだった。
前作の「透明な夜の香り」もそうだったけど、ずっとこの世界を見ていたいと思うような作品。
ひとりの夜を満喫できる日にまた読みたい。
Posted by ブクログ
透明な夜の香りの続編。
前回同様に描写が丁寧で場面や景色が想像しやすくて読み心地が良かった。
菜園や香りに興味があるので持ってこい。
今回の登場人物は過去に拭えない苦しみを背負っているけど最後には伏線が回収されるので救いがあると思わせてくれました。
Posted by ブクログ
前作を読んでいなかったからか、ちゃんと言葉にしようとすると、するっと逃げていく感じの読後感。
登場人物が掴みきれない感覚のまま、それでも美しい文章に惹かれて一気読みでした。
朔と一香の関係が気になるので、透明な夜の香りも読んでみようっと。
Posted by ブクログ
透明な夜の香りがとても良かったのでこちらも読んでみたのだけど、個人的には前作の方が好き。
一香さんが出てくるたびに一香さん!!と叫びたい衝動に駆られた。二人、いい関係だな。私はこの二人の名前のつけられない関係性に惹かれているのだと思う。
今回は主人公が男性だったのでいまいち入り込めなかったのが残念。
Posted by ブクログ
前作の読後に残った香りの余韻が忘れられず本書に。
そう、もうこの本の香りが記憶されてしまった訳です。
次回作はあるのでしょうか。
一香の登場には旧友に会った感覚に(笑)
朔よ、正直になりなさい(笑)
源さんも良かったね。
私にとってもう一つの魅力は洋館と庭。
浄化というか整いそうというか。
Posted by ブクログ
【綺麗な文章を読みたいときに開く本】
ーー感想ーー
透明な夜の香りの続編。前作と同様に文章の美しさが際立つ作品だった。(読むテンポが自分にはちょうど良く、おそらく一文ごとの文章量が影響しているのではないかと推測している)
前作の主人公・一香の朔への関わりが、最も心を打たれた。自分が立ち入れない距離感を理解する。その割り切りができることの崇高さを目の当たりにした。もしさらに続編が発刊されるのであれば、ぜひ朔と一香の距離を描いて欲しいと思った。
洋館の庭師、源さんの過去の深掘り描写があるのも、ドラマの奥行きを感じられて良かった。満月のジャスミン畑での最終幕、朔と満の記憶を蘇らせる場面も描写が美しい。
続編を待ちたい。
ーーあらすじーー
カフェでアルバイトをしている朝倉満の視点から物語は始まる。彼は激昂すると怒りに支配されてしまい自分を抑えられない性格をしており、カフェ仲間とうまく折り合いをつけることができず、ストレスを抱えていた。そのカフェに新城とともに訪れていた朔は、彼を自分の洋館で雇うことを決断する。
朔は女優リリーの依頼を受けた。付人は暴力団の兄。リリーは遠くない未来に離れていく兄の背中の香りを朔に依頼した。ただし、どのような香りを作ったかは依頼者以外には守秘義務がある。その朔のポリシーに満は初めて触れる。
夫に浮気調査されているレズビアンの女性、昔クラスメイトにいじめられていた同じ年齢の青年、母親にネグレクトを受けていた影響で嗅覚を失った女性。
そして買い出しの途中、ベーカリーで一香に出会う。朔とのちょうどいい距離感を保っている一香。洋館の一部になりたかった過去の自分と決別し、今を生きていく姿に、満は自分の行いを反省する。
歯科助手の茉莉花という女性と恋仲に落ちた満。その関係を保ち続けられたのは朔が作った香りだと信じている満は、洋館に保管している香水瓶から何度も盗んで茉莉花に与えていたのだった。香水が原因でその彼女にアレルギー反応が出ていると朔から指摘を受けると、満は謝罪と猛省をする。
満月の夜、朔と満はジャスミンの花を収穫する。朔の香水をトリガーに、母親に虐待をされていた幼少期の記憶を徐々に取り戻していく。母親を包丁で刺した記憶、そして奥底にあった息子への愛情。それに気がついた満は、数十年越しに母親に会う覚悟を決めたのだった。