【感想・ネタバレ】赤い月の香りのレビュー

あらすじ

天才調香師は、人の「欲望」を「香り」に変える――。
直木賞受賞第一作。『透明な夜の香り』続編!

「君からはいつも強い怒りの匂いがした」
カフェでアルバイトをしていた朝倉満は、客として来店した小川朔に、自身が暮らす洋館で働かないかと勧誘される。朔は人並外れた嗅覚を持つ調香師で、その洋館では依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す仕事をしていたのだ。
朔のもとには、香りにまつわるさまざまな執着を持った依頼人が訪れる。その欲望に向き合ううちに、やがて朔が満を仕事に誘った本当の理由が分かり……。
香りを文学へと昇華した、第6回渡辺淳一文学賞受賞作『透明な夜の香り』に続く、ドラマティックな長編小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

朔さんの「正しい執着」に対するアンサーが「赦し」なのであれば、朔さんが一香を傍においておくためには、まず朔さんが母親のことを赦すことが必要なのだろうけれど、『透明な夜の香り』であった通り、朔さんは"忘れられない"ひとだからこそ母を赦せないために一香を遠ざけることでしか大切にできないのがもどかしくて、でも美しい。
あるいは赦さないことで、愛着と執着のちがいすら知らなかった自分が一香を傷つけないようにしているのか、、、どちらにせよ前作に対する朔さんのアンサーが聞けてよかった。

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2025年10月16日

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ネタバレ

p108思い出して欲しかった

p109あんたは一度も傷つけようとしていない。同じ目に遭わせてやろうとか、苦しめてやろうとか言ってない。ただ、思い出してほしいだけだろ。それの、何が悪い。あんたは強いよ。殴り返さない強さを誇るべきだ。


p96 気持ち悪いですね、すみません
  いえ、思ったことを謝らなくていいです。

p206 拒絶された怒りだったのか。悲しみや寂しさを感じないように真っ赤な怒りで染めて、そうやって俺は生きてきたのだ。
中略
腹の底にポッカリとした穴が空いて、力や熱が奪われていく気がした。ああ、これが虚しさなのか。

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めっ
ちゃ
よかったです。

絶対にハードカバーで綺麗な状態の本を本屋で購入したくて
何件もまわってやっと購入することが出来ました。

源さんってこんなに可愛いんですね!
朔さんも男相手だから?前作よりちょっと強くなってていい感じでした笑

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2025年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作の主人公・一香も登場し、今作の主人公・満は一香と小川朔は付き合っているのではないか?と野暮なことを発言したりと、ちょっと空気が読めない。
歯科医院で女性に対して香水を分けてあげようか?と連絡先交換すること自体も同い歳だからとその時点でタメ口を聞く感じも、あ、なんか変なスイッチ入ったな?と感じるも、やっぱり交わり、小川朔に黙って茉莉花に小川朔ブレンドの香水やボディソープやらを貸してあげる。

最後はなぜ小川朔は満を雇ったのか、急な発言で少しドキッとしたが、結局茉莉花と仲直りする形で〆られ、満をどうにも好きになれなかった。

ただ、これも小川朔には黙っているものの持田と友達になったり、以降も源さんが育てる野菜や薬草が消費しきれない量となるとまとめて回収してくれる付き合いが続くなど持田絡みのエピソードはほっこりした。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正しい執着とは"赦し"
この物語の終盤で記されてる1行に全てが詰まっているように捉えれた。

母を赦した満
満を赦した茉莉花、朔
"赦し"で全てが丸く収まることはないだろうけど、複雑な問題だなぁ。

唯一無二の香水わたしもほしい

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2025年07月30日

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