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好きに食べて、好きに生きる――。茶をこよなく愛する記録魔の作家千早茜。季節を問わずかき氷を食べまくるストリッパーの元書店員新井見枝香。気が合う以上に「胃が合う」ふたりが集えば、とびきりの美味追求がはじまる。銀座のパフェ、芦原温泉のにごり酒、京都の生湯葉かけご飯、神保町の上海蟹。果てなきおいしさと人生の岐路を描く往復エッセイ。文庫版で番外編50ページ分を新たに収録。(鼎談・トミヤマユキコ)
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Posted by ブクログ
良いところだけ、弱みだけ、を見せ合うのではなく友情にできるだけエンターテイメント性を求める2人の関係が素敵。 同じ物事について書いてあるけど文体も視点も違う。その中でも胃はとんでもなく合うお2人。 するする読めるのに読み終わってしまうのが勿体無くて毎日ちょっとずつ読んだ。しばらく経ってからまた読み返...続きを読むしても、日常を少し楽しんでみようと思えるような気がする、そんな本でした。
食べることが好きな2人のエッセイ。かと思いきや後半は徐々にお互いの人生が進んでいく。食も合わなくなっていき、不穏さが見える。胃が繋がっている、と千早さんは言う。ふたりの文体も違うし、読んでいて楽しい。
言葉を紡ぐ人とそれを売る人の食べ物を通した交流がこんなにも心に響くなんて。読んでいると憧れと羨ましさがないまぜになった気持ちが湧き上がる。そう思っていたから単行本を買っていたのに積読していたんだなぁと思い出した。2人のようにはなれないけれど、食いしん坊な面がある私も食べ物への向きが同じタイプの人が周...続きを読むりにいたら良いなぁと思った。 言葉の使い方や文章の描かれかたが好みすぎて。
出てくる食べ物がどれもこれも美味しそうでお腹が空いたし、食事にもっと集中して食を大切にしようと思った。 私は好きな作家のひとりに千早茜を挙げるが、好きな所のひとつに「食べ物の描写が異様に上手い」というのがある。どの作品でも読むとお腹が空いたり、作中に出てきたものを自分も食べたくなる。きっと美味しい...続きを読むものをたくさんご存知なのだろうと思っていたが、食に対する意識が私と全然違った。目の前にあるものを五感でまるっと体験し、それらをメモすることで経験値として蓄積している。彼女の文章には普段の積み重ねが遺憾無く発揮されているのだろう。 そんな『ちはやん』の胃の合う相棒『新井どん』こと新井見枝香という人のことを私はこの本で初めて知ったのだが、なかなかその辺にはいないユニークな方だと思う。文章も結構アクロバティックというか、「見事な着地」と思わず拍手したくなるような意外な発想は面白くて思わず笑ってしまう所が多々あった。 食に対して似た意識を持つ二人が一緒に食べながら全然違うことを考えているのが判明したり、二人の関係性が楽しい。こんな関係性の友人が私もほしいと少し羨ましくもある。挿絵はおふたりそれぞれのハイライト部分を一つの絵にうまく落とし込んでいてまた笑ってしまう。 これを読んでどうしても気になって初めて湯圓を食べたのは良い思い出。次は家で中国茶を楽しもうと思っている。
ものすごく良かった!!!食べものにまつわるエッセイを、また読み返すだろうなって思えたのは初めてかもしれない。美味しいものを美味しいねって言い合える人に贈りたくなる本。
同じ出来事や食べたものを、2人の視点から描いた往復エッセイ。 思った以上に深く濃い内容のエッセイで、とても読み応えがあった。 出てくる食べ物が美味しそうなのは言わずもがな、それを味わうというか、もはや食らうかのような2人の描写が野生的で本能的で、気持ちいいくらいだった。 食にここまで真摯に向き合う...続きを読む姿勢にも感服。 また、食べものの話だけでない、2人の人との付き合い方や人生観みたいなものもたくさん書かれていて、とてもおもしろかった。 唯一無二の2人の関係がカッコイイ!
⬛︎良い意味で裏切られた珠玉のエッセイ 2人の名前も知らずに、表紙とタイトルに惹かれて購入。予想外のエッセイにとても良い意味で裏切られました。ご飯屋さんをめぐるほっこり食エッセイかと思いきや、ちがうちがう。 ウマは合うけど真反対な性格の2人が綴る価値観や人生観が面白くて、するすると引き込まれていき...続きを読むました。 私は千早さん寄りの…変化は求めず、コツコツと一つのことに向き合う性格ですが、新井さんは本当に真反対で、欲望のままにやりたいことをして生きる姿がとても眩しく見えました。 あまりの新井さんの自由さに「なんなんだこの人は!?」「千早さんはなぜついていけるんだ!?」なんて最初は思いました。しかし読むほどに、彼女は本能に正直で裏表がなくて、心の奥底の大事なところでは人を慮り尊重する仕草を感じて…そういう価値観を千早さんは理解しているからなのかな、と感じました。 また、印象に残ったのは新井さんの嫉妬と悔しさの違いといった価値観です。 嫉妬と悔しさをイコールで考え、それらの感情を 悪とし「嫉妬しない」を意識していた自分は、金槌で頭を殴られた感覚になりました。そうか、刺激か。プラスに昇華できる悔しい気持ちは、もって然るべきなんだ…と。 軸は食事エッセイなので、行ってみたいなあと思うお店もたくさんありました! 老舗の北島亭、新井どんが死ぬ前に飲みたいスープがあるコム・ア・ラ・メゾン、中国茶藝館の甘露など… 2人の素敵な関係性を見ていると、自分も誰かとご飯に行きたくなる…そんな気持ちにさせてくれるエッセイでした
真反対の性格のふたりが同じ(食べ)ものをどう見て、どう捉えるかが面白い。友達でも所詮他人なふとたりの交換日記、ずーっと見ていたい
タイトルに惹かれて手に取って気づいたら買ってたけど、大人になるにつれ食を美味しいねって無言で食べられる相手って貴重なのかもしれないって改めて気づいた。明日は何食べようかな
新井さんも千早さんも知ってるけど、こんな文章を書くお二人なんだなーと、知って新鮮。 千早さんのエッセイも読んだことあるけど、それとはまた違った文章に感じて、面白かった。 こんなにたくさん食べれるなんて、なんで羨ましい。金銭的にもそーだけど、そもそもここまで胃に容量がない笑 羨ましすぎる。そして太らな...続きを読むいだなんて! 単なる食についてのエッセイだけじゃなくて、人生の話にもなっており、そこもまた良かった。 すこーしずつ関係性が、変化しているのになぜかとても良い温度でまた読みたいと思った。
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