あらすじ
親を亡くし一人になった20歳の夏、父よりも年上の写真家の男と出会った――。
男の最後の写真集を前にあのひとときが蘇る。妙に人懐っこいくせに、時折みせるひやりとした目つき。
臆病な私の心に踏み込んで揺さぶった。彼と出会う前の自分にはもう戻れない。
唯一無二の関係を生々しく鮮烈に描いた恋愛小説。
解説・石内都
※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
父親を亡くした20歳の藤子の前に、突然現れた父親より年上の男、全(ぜん)。
あの人を知らなかった日々にはもう戻れない
あ〜めっちゃ好きだった〜
20歳と50代後半の男女の恋愛小説。
なんだか江國さんの小説っぽい雰囲気だった。
生々しくて、おもだるいのに、美しい。
全体的に静かなのに 鮮明で激しい 、、なんとも言えない独特な雰囲気に 惹き付けられた。
結末は予想がついてたけど、ぽかんと穴があいた様な喪失感が大きかった。
時は流れても藤子はこの夏の出来事をずっと忘れられずに生きて行くのだろうな。
個人的には里見くんが大好きだったんだけどな。
私もこういう人間でありたいな。
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決して綺麗ではない関係で、途中、生々しい表現に気持ち悪いと思ってしまうことも何度かあって、でもこれこそ文中の「自分たちの恋愛だけが正しくて、あとは汚くて、気持ちが悪い」を見事に言い得た感情だなと思ったりしました。自分の中の黒くて汚い感情が出てくるような、それでもって共感したくなるような言葉もいくつかあり、個人的には好きです。
てか、綺麗な関係ってそもそも何なん自分って書き終えて思いました。
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死期が近づいたら味覚が変わるとか、世界が違って見えるとか、言うけどさ、それって死にたくないくらい大切なものがある奴だけなんだろうな
たったひとつの嘘もなかった。
そこには神様がいた。
全さんが見つけた神様が、重く、烈しく、醜いまま、息づいていた。
光と影を呑み込んで生きる、ひとりの女のすべてがそこにあった。
ただあの写真が語るんです。フジコという命の塊みたいな女に、どんなに廣瀬全が魅入られ、嫉妬し、執着したか。残りの少ない命だったからこそ、先生はあなたに惹かれたんです。
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たまたまふらっと入った本屋で目に入って購入。
年上に恋を何回もしたことがあって、だから藤子に共感できる部分がたくさんあって。
本を読んで心がこんなにも揺さぶられるのは初めてです。
出会えてよかった一冊。
Posted by ブクログ
もう素晴らしくて、最初から最後までここまで集中してのりめ込んだ感覚を久々に味わった。それくらい素敵でした!
文章が描写が綺麗で、デトックスされていくようでした。ただ、少々生々しいシーンもあり、苦手な方はいるかもなと思いました。
大人な恋のお話で、キュンとしたりハラハラしたり色々な感情が味わうことができました。
Posted by ブクログ
過去の、もう剥けないくらいに完治した傷跡を、引っ掻きたい衝動にかられる本だった。それくらいには、なにが良くてなにが悪くての、なにがの部分を、忘れてしまった。でも無性に恋しくなった。もういないひととの思い出が。あのとき、目の前のひとに夢中で、朝も昼も夜かもわからなくなる感覚を、酷く懐かしんだ。
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「実際に同じ状況を経験したわけではなくても、この感情を私は知っている。」
小説を読んでいると、そう感じることがあります。それが小説を読む楽しさの一つだと思っておりますが、こちらはまさにそういう本でした。
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最初はなかなか話が見えなくて、読み進めることができなかった。
でも、だんだん二人の関係性が色濃くなって、次はどうなるんだろう、気になる、と手が止まらなくなった。
読んでいると、私の頭の中には夏の入道雲がチラついた。一見変わった恋愛小説だが、「夏」を味わえる本だと思う。
後半はその呆気なさに、主人公に自分を重ねて涙ぐんだ。
人との関わりとはどういうことか、生きているとはどういうことか、生きる一瞬一瞬はどれだけ大切か、味わえる1冊。
Posted by ブクログ
藤子が全に惹かれた理由は、おそらくひとり親だったことも関係してるのかもしれないと読み進めながら感じました。ファザコンというとチープになってしまいますが、それのようなもの。私自身、なかなか共感はしにくかったですが最後のまとめ方はきれいだなと思いました。タイトルの神様は全を指しているものだと思っていましたが、最後に回収があります。なんというか、形容しがたい内容でした。
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死の匂いに鈍感だった。という一文に心を揺れ動かされた。高校時代1年ずつ家族が亡くなったが、それでも私は死というものは身近にないと思っていた。若かったのだろう。高校三年生になってから友人が亡くなったときに言語化できなかった感情に出会ったような気がした。
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人の感情とかはもちろん、体や匂い食べ物何でも色んなものの質感が生々しくて好き。ずしっと重いのに読んだ後の気持ちは重いだけじゃない。不思議な本。
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帯に「心をザワつかせ、ヒリヒリさせる」とあることからどんな感情にさせられるのかと思いながら読んでいたが物語は常に暗がりの中を進んでいくような感覚があるものの、最後は清々しい気持ちになれた。
読み終えた今、主人公と共に読者である私自身も全さんと過ごした日々が大切な想い出となったような、そんな気持ちだ。
Posted by ブクログ
生々しい恋愛物語でした
触れたい、っていう思いは片思いで抱く感情の中でもかなり厄介だと感じた。そして、それが一時叶ってしまえば、もうほぼ執着のような粘っこい感情に司られる。今まで恋愛から遠かった20歳の女の子の、そういう感情の動きが繊細に描かれていて、苦しくもあり、私も幸せなあの夏にいたような気持ちになった。
ー私は変わったんじゃない。
変えられたのだと思いたいのだ。傷つけられたのだと。今はもう傷しか残っていないから、何度も何度も自分でかさぶたをはがし、痛みと見えない血が流れるのを感じて、あのひとのつけた傷を確認していたいのだ。ー
辛い、寂しい思いをずっと持ち続けてしまう現象がこう言語化されていて、腑に落ちた。私がいつか長く引きずってしまうような悲しみを経験することがあれば、この本に戻ってきたい。
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全さんと主人公の人間としての描写がとてもリアルだった。歳の差と世間の目からすると全くもって受け入れ難い関係性である事は間違いないし、決して羨ましがられるような二人である訳でもない。ただ、少なくとも主人公が全さんのどこに惹かれたか、そして本能的にどうしようもなく堕ちてしまったということは分かった。それが幸せかどうかは分からないが、出会う前の自分にはもう戻れない、そう思える人とこれまで出会ったと確信を持つ人間はこの世界で全体の何パーセントなんだろうとも思う。
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内容や展開は他の方が書かれている通りなので割愛。
率直な感想。
貪欲なまでの生への執着と渇望が感じられた。
「食べること」「人を求めること」「自我の主張」全てが描かれている。そこに、社会や他人と生きることで培われた屈辱や恥辱、意地やプライドなどが混ざっている。それも1つの「生」であることがより生々しく感じられる。
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千早茜さんの本は初めて。「食べる」という行為を通じて人と人の距離が縮まる様子が何度も登場するのが印象的だった。人間の欲望、生と死を生々しく描いていて、読み終えた時にずしんとした重みが残った小説。
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始まりらへんが、少し読みにくくて
過去と現在が私的には
分かりにくかったけれども、読み進めていくと
段々と気になってページをめくってたな。
私も高校生の時に、割と歳の離れた人と、、
みたいなのを経験してたから、よりなんか
移入してみてしまった。
自分が割と歳をとると、犯罪やん?!
とか色んな当たり前?みたいなのが
分かるけれど、その当時の自分は
わからなくって。
でも、周りからどう見えてるんだろうとかは
気にしたりして。
最後の終わり方はなんか、少し苦しいなぁって
なったけれども、でも、
自分が良ければなんでも良いよね、って。
Posted by ブクログ
人がよく死ぬ。
しかし主人公は、死の匂いに気づくことができず、その人と過ごせたはずの大切な時間を逃してしまっているように思えた。
一度関係を持ったら、死ぬまで忘れられないような男を好きになる主人公が出てくる小説では、たいてい男の方が先に死ぬ。
そしてその頃には、彼のまわりには家庭ができていて、主人公だけが取り残され、孤独になる。
Posted by ブクログ
父親より歳上の人との恋とはどんなものなのかと気になり読み始めると、帯にも書いてあったが苦くて重いなと思った。
様々な描写も生々しかった。
「みんな自分の恋愛がきれいなんだよ」の一節がその通りかもしれないと思った。
里見の関わり方もいいなと。
優しいのかそうでないのかどちらともとれるやり取りがよかった。
他の作品も読んでみたいと。
Posted by ブクログ
全にとっての神様は藤子であり、藤子にとっても全は神様だったのだと思う。
自分の恋愛は綺麗にみえて、他人の恋愛は汚くみえる。
何度も感じてきたことで、里見に言われてハッとした。
記憶を消してまた読みたいと思った本。
Posted by ブクログ
恋愛の形って人それぞれだなと考えさせられました。
里見くんが言ってた、皆自分の恋愛は綺麗に見えるけど他人の恋愛は汚く見える。と言う言葉が心に残りました
体温と同様、心にも温度があるっていう表現が素敵だなと思いました
Posted by ブクログ
若干の読みにくさはあるものの、面白かった。
面白かったという感想でよいのだろうか。
恋で人は変わるだろうか。
変わるのだと思う。その時が来ても変わりたくはないなと今は思ってしまう。
Posted by ブクログ
「みんな自分の恋愛がきれいなんだよ。
自分たちの恋愛だけが正しくて、
あとは汚くて、気持ちが悪い。」
その通りだと思います。
終始、気持ち悪かった。
でも自分が絡んだらって考えると、
きっと勝手に綺麗に染めるんだろうと思う。
溺れさせられたっていつかは色褪せます。
Posted by ブクログ
全さんへどんどん沼っていく藤子の描写が面白かった。だんだん気持ちが大きく、ずぶずぶになっていく藤子。しかし、途中から官能小説っぽくなってきてうーん、、という感じだった。自分が望んでた展開じゃなかったからか、そこからあまり読む気にならなっかった。
初めて千早さんの小説を読んだが、人物や食べ物の描写が丁寧で好みだった。別の作品も読みたい。
この小説には、aikoの「ずっと」が当てはまると思った。
あなたに出会えたことが私の終わり
そんな歌詞が似合うと感じる。