【感想・ネタバレ】神様の暇つぶしのレビュー

あらすじ

親を亡くし一人になった20歳の夏、父よりも年上の写真家の男と出会った――。
男の最後の写真集を前にあのひとときが蘇る。妙に人懐っこいくせに、時折みせるひやりとした目つき。
臆病な私の心に踏み込んで揺さぶった。彼と出会う前の自分にはもう戻れない。
唯一無二の関係を生々しく鮮烈に描いた恋愛小説。

解説・石内都

※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭から引き込まれた。なんなら冒頭が1番好き。
あと、手に入ってから失うのと、手に入らないまま想い続けるのはどちらが辛いだろうか。
どちらも辛いが、今の私は手に入らないまま想い続ける方が辛いかなと思う。し、誰かのそんな存在になりたいとすら思う。
今更ながら登場人物が少なくて読みやすい。全さんに奥さんがいたのは驚いたが…。でも、自分が変わってしまうくらい愛した人が、自分をどう見ていたか残してくれるのは少し羨ましい。2人の時間を公開されるのは恥ずかしいけど。
総じてよかった!読んだ後にすこし寂しさが残る。

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2026年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生々しく濃密で、じっとりと重い余韻が残る本。
30歳も歳の離れた男性、しかも全さんみたいな容姿の男性を好きになることは絶対にないから藤子に共感はできない。できないのに、いつのまにか惹かれてやまない様子だったり触れたいって思う瞬間だったり、酔っ払ってクダ巻いてしまったり、捨てられたときの虚無感や絶望感は痛いくらいに刺さってしまって心えぐられた。
全さんのそこはかとない色気や根底にある人間としての温かみ、写真家としての才能。たしかにこういう男性って実際存在しそうだし好きになったら破滅だな…などと思った。
食と性ってよく同一で語られるけど、よりこの作品でそれを感じた。出てくる食べ物が美味しそうで、お酒が飲みたくなる。笑
桃を丸ごと齧り付いて食べる描写が扇情的で特に印象深い。
個人的には里見が登場人物の中で一番好きだったから死んでしまったのショックだった…彼を深掘りした話とか読んでみたい(腐)
全体的な感想としては、初めての作家さんだけどかなり好みの文体だった。他の本もぜひ読みたい!

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2026年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ページを捲る手が止まらなかった一冊でした。
全さんの、写真家らしい一流の感性に惹き込まれる一方で、最後の別れがあまりにも悲しくて、でもそれが全さんらしくも感じました。

恋をすると周りが見えなくなる感じや、愛する人が突然いなくなった時に忙しさで気持ちを紛らわせようとする感じもすごくリアルで、思わず「これって本当にあった話なのかな」と思ってしまうほどでした。

2人の距離感もとてもよくて、読んでいるうちに私まで全さんに沼ってしまいました。
最後の別れも、全さんなりの優しさだったのかなと思うと苦しくなります。

全さんが残してくれた写真にも愛が詰まっていて、その記憶はきっと一生消えないんだろうなと思いました。
終始、感情の起伏が激しい作品で、読み終わったあともしばらく余韻が残りました。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

知人に勧められて読んでみた。
食べ物の描写が多く、余命宣告を受けている全さんは食べない、若い藤子はたくさん食べるという生と死のコントラストが印象的だった。

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2026年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんか全さんが藤子を振り回しているように見えるけれど、実際には藤子の人生のほんの一部にしかなれなかったのが全さんで、そのことを本人も悔やんでいて作品にしたのだと思う。だからこそタイトルは「神様の暇つぶし」で、結局は藤子にとっての“暇つぶし”程度の存在にしかなれなかった。

里見死なないで欲しかったナー。。

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2026年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生々しくて、表現がリアルで、想像しながら読んでしまった…
全さんみたいに、優しくて、大人で、さりげなく寄り添ってくれるけど自分のものにはならない。
そういう人沢山いると思うしズブズブハマってしまう女の子も沢山いると思う。
恋愛にのめり込んで大学に行かなくなったり友達との連絡が疎遠になったり、そういう人実際にいたな…

そして最後にいなくなってしまったのは全さんなりの愛だったんだなって思うと切なくなった。

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2026年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全の様な自分勝手で美しくも無い男が、なぜこんな魅力的に感じるのだろう。
ぐずぐずで瑞々しく、熟れた桃のような恋愛小説。食の描写が何とも官能的だった。
旅の帰りの新幹線、全はどんな気持ちで藤子を見つめていたんだろう。どんな想いで写真を選んだのだろう。あの夜、どんな表情で父の仏壇の前扉を閉めたのだろう。
「私たちの時間はあのひとの作品になった。」という一節が、藤子の恋とその終わりを示していて印象的だった。
個人的に里美がとても愛おしくなった。凛と美しくそこに居る姿がありありと目に浮かび、真っ直ぐに人を憎む所が可愛らしかった。とても哀しい。

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2026年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

後半に進むにつれて勢いが増した本だった
第三者から見ればどうしようもない全さんなのに
主人公からしたらこの人だけが全てになってしまっていて、盲目的な恋愛の恐ろしさ 醜さを感じた。
タスク的に初体験をしようと焦って未然に終わった 多田くんと対照的にかかれた他の男子より浮いた存在の里見が印象的だった
の献血する理由も、より一層彼を綺麗なだけの存在としておくのではなく、彼の中にある執念 誇り 怒りを感じさせてくれた
藤子の初体験のシーンの描写がとても扇情的で印象に残った、その描写で後の絶望が際立ったと思う

女子校で王子的扱いをされてきて、自分が女の子としての言動をするのに抵抗があった藤子が 全さんに恋をして初めて男を知っていく、心の底から幸せを感じ、またそれを失っておかしくなっていく様を細かく描いた本だった

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

題名の『神様の暇つぶし』の「神様」というのが全さんのことだと思っていたが、全さんにとっては藤子が「神様」のように神聖で特別な存在だった。

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2026年03月31日

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