あらすじ
銀(しろがね)の光を見つけた者だけが、この地で生きられる――。父母と生き別れ、稀代の山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、石見(いわみ)銀山の坑道で働き始める。山に穿(うが)たれた深い闇に恐れと憧れを抱きながらも、そこに女の居場所はない。熱く慕う喜兵衛や、競うように育った隼人を羨むウメだったが、勢いを増すシルバーラッシュは男たちの躰(からだ)を蝕(むしば)んでゆく……。生きることの苦悩と官能を描く、直木賞受賞作。(解説・北方謙三)
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一度読んでみようと思って数ヶ月、積本になってたが、読み終わって、はやく読んでおけばと思うほどの本でした。関ヶ原前後の石見銀山での話だか、情景描写が上手く、情景が直ぐ頭の中で描けるし、主人公の少女ウメの心の葛藤で物語に引き込まれます。
千早茜さんの作品は初めてですが、別の作品も読んでみようと思った。
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戦国時代末期の石見銀山で生きるウメの苦悩に満ちた生涯。
銀山で働く銀掘りの男たちの過酷な生き様。
400年以上も前の石見銀山の生活や山の風景が生き生きと描き出され、目の前に広がるように見える描写が本当に素晴らしいなと思いました。
生活のために、銀を掘り、命と引き換えに生きた人々、支えた家族。
運命に抗えない重苦しい哀しさが読んでいてつらかったです。
今は世界遺産となった石見銀山。
そこには数えきれないくらいの病と哀しみがあったことを知りました。
いつか石見銀山に行きたいです。
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実写化されるなら喜兵衛は鈴木亮平だなと思う。
石見銀山に行きたくなる。
石見銀山の歴史を学びたくなる。
今まで興味もなかった場所に思い焦がれるような本に出会えてよかった。
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夜目が効く、貧しい百姓の生まれの少女ウメの壮絶な人生を描く。
千早茜さんの作品を読むのは、「透明な夜の香り」に続き二作目。個人的に抱いている文章の印象は、ほの暗く淡々としているというものだが、話の展開が巧みで、つい先が気になってしまう。
今作はその静かな文章で描ききられた激動の人生、特に何に縋って生きていくのか、という熱いテーマが深く胸をうった。
「透明な夜の香り」があんまりささらなかったな〜という人にもぜひ読んでみて欲しい。おすすめである。
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銀山で生計を立てていく人々の死と隣り合わせの生活を『ウメ』という主人公の女性を通して描かれた人生の物語です。
幼い頃に、両親と逸れ、遭難の中に出会った銀山の大男が、この少女の命を救います。幼い少女は、両親と落ち合うという希望も失いながら厳しい環境の中、逞しくなっていきます。口に出さない人としての優しさや包容力、また、本来の助け合いについてどんな物か感じさせてくれます。
ウメの様に切り替える逞しさって、現実的に今の時代必要かもしれませんね。
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当時の銀山を取り巻く文化や人間模様は、なにか異世界に近い感覚でその世界に引き込まれしまう。その舞台で主人公に起こる数奇な運命は、決して綺麗な絵空事ではない圧倒的な現実感がある。襲いかかる過酷な現実に、立ち向かうというよりただただ持ち堪えている様な危うさが、彼女を含めた当時の人達全てに在って、それが繊細な文章で伝わってくる。命の尊さとかそんな事を考える余裕は今だからできる贅沢なんだと思わされる。
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人間の業を感じた。石見銀山の史実を元にしながらも女性や山や銀掘の関係を生き生きとそして冷静で深く向き合いながら書いている。
夜目がきくウメと山師の喜兵衛は蛇の寝ござを始めとして生い茂る草木を見分け天気の変わり目の空気を感じ生命の息吹たる山の地脈と対話しながら銀掘を使っている。それが貨幣経済に頭を支配されて銀を富としか見ない権力者が管理するようになったら。途端に間歩はぽっかりと冷たく暗い口を開け銀掘たちはその闇に飲まれて黒い血を吐き胸を病んでしまう。それでも営みを続ける者たち。銀を生み出すこと、女であること、命を生み出すこと、血が繋がらなくても伝え繋がっていく者たち。
後半は隼人が血を吐き苦しんでいる描写が冷え冷えとして淀んだ気持ちになってしまった。ウメと喜兵衛の関係と後年に知った殺人の真相、銀山や隼人との家族たちとは別枠で特別なものだったと思う。
Posted by ブクログ
ものすごく濃ゆいウメという石見銀山で生きる女性の一生の物語。
富、権力、愛を求める人間の業が息苦しいほどに色濃く描かれていた。
四季折々の山の景色、銀を掘る穴の闇、冷たさ、人の肌の温もり、匂い、音など、五感が圧倒された。
生きること理、いろんな辛いことがありながらも何故生きるのか?何故生きようとするのか?そう問いかけられ、それでも逞しく生きる姿に胸が締め付けられる思いがした。
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ウメの生き方がとても格好良く、沢山傷ついてきているのに堂々と生きていこうとする姿が美しくてとても好き。
また、銀を長い間掘っていると鉱毒に体を蝕まれてしまい長生きする人がほとんどいないことを全く知らなかったので驚いた。
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石見銀山に魅入られた少女の一生。
予想以上の質量のある長編でした。さすが直木賞。こういう小説を読めると嬉しくて震える。
同じ女性として、主人公ウメの内側から溢れ出る強烈な生命力や強さに圧倒される。憧れる。
男たちの短い一生の中で、女や子のために生きて、命を燃やし尽くすさまも心に残りました。
絶望から何度も立ち上がって、愛した男たちと真正面から向き合って、こんなふうに生きたい。
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人の欲望が渦巻く銀山の間歩。銀色に色づく葉
そこに生きた一人の女ーウメーの物語。
喜兵衛の手下として、おなごとして、鬼娘として、間歩を歩き回った幼少期。
自分の女としての運命に振り回される青年期。
嫁として子を育てながら生きる、母親の時代。
隼人の最後を看取り、そのあとを生きる最後の時代。
そこに生きた一人の女ーウメーの物語。
子供の頃の情熱のような燃え盛る炎から、母親としての慈しみの炎まですべて、銀山という真っ暗闇の間歩を舞台に描ききっている。
情景描写や歴史背景も隙だけど、一番魅力的なのはやっぱり登場人物!!
主人公うの性格も好き。夜目が利くっていう能力?も応援したくなる。強く生きてほしい!!途中でひどいシーンでは怒りが湧いてきた。
喜兵衛は、優しさに力強さも備えていて、いい人すぎる!ウメへ愛情もすごく深い!
隼人との恋と関係性も好き!戦友だけど、恋人、夫婦っていう関係が好き。一途すぎだし、童の時からかっこいいし、成長してからの「おまえのためなら生きていける」は深く刺さった。
ヨキの冷酷な性格も、境遇や運命に振り回されずに生きてるのが泣けてくる。
最後の方に出てくる龍もウメへの優しさなどが感じられて好き!
菊もまさかの正体、美男子に驚愕してしまった!
強い女のおくにさんも好き!しかも、笛吹いている美男子が旦那さんっていう衝撃の事実。美男美女カップル萌。
すべて銀山に飲み込まれている雰囲気が好き。真っ暗闇に浮かぶ闇。
夜、しろがねの葉の元で読みたい一冊。
Posted by ブクログ
著者の作品を読むのは2作目。直木賞ということは知らず表紙の美しさと時代に興味があって手に取った。前回は現代の調香師、今回は歴史物。リアルなもののけ姫というか、人が本当に生きている、そして死んでいく、という感じが感じられて一気に読んでしまった。喜兵衛を始めとした主人公を通り過ぎていく登場人物たちの描写も、映画になったらとつい考えてしまう。薦める相手は選んでしまうけれど面白かった。
Posted by ブクログ
一言で言うと読んで良かった。
千早茜さんの作品が好きで
直木賞受賞作品は読んでおかねば
と思ったが、歴史ものは苦手…
難しい漢字、知らない単語も
多く調べながら読み進めた。
この時代の食べる、生き続ける事の厳しさ
現代では考えられない命の削り方を
ウメの一生を通して知る事が出来た。
愛する人が死ぬと分かっていながら
間歩へ送る事の辛さは計り知れない。
そして千早さんの描く男性はいつも魅力的。
喜兵衛も隼人も龍も真っ直ぐで優しく
そして強い。
現代の女性にも必要な強さを
ウメは持っている。
Posted by ブクログ
戦国末期から江戸時代、石見銀山に生きる人々の生き様に没入。主人公ウメの眼差しを通して、その時代の個性豊かな人々の内面をリアルに感じることができた。ウメの夫隼人が銀掘の末路がたとえ死であっても、いや死であるからか、その生業が憧憬となり己の矜持となり、命を燦然と輝かせて死んでいくところが印象的だった。
Posted by ブクログ
性を売り悲しく果てていく女性、性暴力を受ける女性、優れた能力を持っていながら職を制限される女性、女性に立ちはだかる困難は今の時代も変わっていないなと思う。
今作の主人公がこんなにも強く描かれているのは、それだけ女性には障壁や困難が多いことの現れではないだろうか。
多くの困難に遭いながら銀山という男性社会の中で女性性に抗いつつ、心を寄せる男性や子を思う姿それも限りなく女性である。
本に性別があるのなら、この作品は究極の「女」本だと思う。
Posted by ブクログ
⭐️4.5
時代を感じる文章が苦手な私でも読めた稀な本だった。(千早さんの綴られる文と内容が素晴らしいからとしか言いようがない)
人の一生が素晴らしく愛おしく思える物語。
現代までの命の繋がりを感じた。
心に残る一冊。
Posted by ブクログ
ずっと展開が読めず、主人公の生き様を描いており、つまらないと感じていたが、後半になってからとたんに面白くなった。
男女の生き様が描かれている。
後半はかなり苦しい。人生はこんなにも辛いことの連続かと思ってしまう。そこをいかに乗り越えていけるのか、自分ごととして考えさせられた。
Posted by ブクログ
終始、執念を感じた。様々な執念。
山に多くの間歩(坑道)を掘って、銀を掘ろうとする男たち。
新たな鉱脈を探そうと躍起になる男たち。
一方、物語の主人公のウメの執念も凄まじいもので。
ウメは女の子らしく生きることに疑念を抱き、男たちと一緒になって間歩のなかで銀堀をした。
しかしそんなウメも初潮を迎え、間歩が穢れるといわれ、間歩から追い出されてしまった。
ウメは必死に食い下がったが、不運な出来事も重なって村に下りることになった。
また、この物語にあった執念はもうひとつ。
愛という執念だった。
ウメを傷つけた者を殺す男(あえてぼかします)から始まり、ウメに婚約を求める者、何より愛する男を守りたいというウメの執念は読み応えがあった。
男は女がいないと生きられない、女も男がいないと生きられない。と小説では語られている。
そんな依存から執念が生まれたんだろうか。
(現代に置き換えると、なかなか古い価値観ではある気がするけど…多様性の話はもちろんだけど、普通にいろんな娯楽が溢れてしまってて、異性に依存することが当たり前じゃなくなってしまっている)
愛が執念を生むのか、執念が愛を生むのか
どっちなんだろうね。
そして執念は決して良い方に向かうとは限らない。
殺人もあれば、DVもあるし、自殺だって一種のそれだと思う。
物語にあった『死にたいというのは生きたいと同義かもしれん』との言葉。これは自分自身も前から思っていたことで、こんな形で小説の中に落とし込まれていて、嬉しくなった。
話は変わるが、この物語の舞台は石見銀山。
今年のゴールデンウィークにその辺りをうろついてて、残念ながら石見銀山はスルーしてしまったんだけど、この物語読むと、聖地巡礼したくなった
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島根県石見銀山を舞台とした。ウメの成長物語。貧しい村を抜け出し山師・喜兵衛に拾われる。しかし女という、差別や性の対象と見られる。しかし男達は銀山への弊害で若くして死して行く。そんな中、ウメもその渦に飲み込まれるが‥男は間歩と同じく女の肚の中(手のひらの上)の様。喜兵衛、隼人、龍の傍にはウメが!そんな大河ドラマを是非一読
Posted by ブクログ
もう何冊目読んだかわからない千早さんの作品。
今回は時代物だったので、苦手な私は最初は少し読み進めるのに時間がかかりましたが、ウメが喜兵衛に出会ってからは、その世界観に入り込めどんどん読み進められました。
癖の強い登場人物ばかりですが、その人の色々な面を知ると魅力的になり、なのに一人また一人と亡くなってしまうのが悲しかった。
銀の山が無ければ、こんなことにならなかったけれど、銀の山があったからこそ、彼らは出逢えた…
今まで読んだ千早さん作品とは全く違う作品でしたが、この作品で直木賞を受賞したことに納得しました。
Posted by ブクログ
小学生の時に読んだ、『モチモチの木』を思い出した。
どこか懐かしい感じがする。
最初の方は一気に読み進め、
最後の方はストーリー展開が早すぎて
少々疲れてしまいました。
Posted by ブクログ
千早茜さんの直木賞受賞作とのことで手に取りました。
夜目が利くウメが、人生の暗い部分も目を凝らして現実を受け入れながら、人生の喜びと絶望の中でひたむきに生きる姿に胸を打たれました。
Posted by ブクログ
山の描写がいい。
本当に山んなか走り回ってる気になる。
走り回ったりなんかはできないのに。
ウメになりきる。
本当気持ちよくって、なのに、こうもどかしい。
ウメの気持ちが痛いほどよくわかる。
そんなことが一番で、あとはー
面白いんだけんどもな。
↑ウメになる
あらすじでは、
生きることの苦悩と官能を描く直木賞。
と、なってるでな。
ま、そだわな。
ウメの一生が走馬灯のように駆け巡る一冊でごんす。
なんだかな。
なんだろ、ウメ。無駄にモテる。笑
あとはーなんだろ。んーなんだろー
解説が北方謙三で大興奮!
すごいよなぁープロが解説したらこんな紹介になんだなぁーって、思って読んだが、言ってることかっこよかったけど、ちょっとわからんかったでな。
↑ウメ
ウメに乗り移られる本。
#しろがねの葉
#千早茜
#2冊目だった!
#⭐️3
Posted by ブクログ
石見銀山を舞台に孤児となった少女の一生を描いてる。食べていけない農村より豊かであるけど男たちは病に倒れていく。支える女たち。登場人物のキャラクターも際立っていて、その時代に想いを馳せる。
Posted by ブクログ
この作者さんの既刊をボチボチと読んでいく、の6冊目。
今回は直木賞を受賞されたこの本で。
夜逃げの途中で家族とはぐれ、山師の喜兵衛に拾われた少女ウメ。夜目が利くのを頼りに、女だてらに銀掘になろうと間歩(坑道)の中で働き出す…という出だし。
喜兵衛とウメ、加えて喜兵衛に従うヨキの銀山での日常が描かれる前半では、銀を掘る仕事やそこで働く銀堀たちの姿が描かれ、山の深さや間歩の暗さ、風の爽やかさや土の湿り気、水の冷たさなどの描写も染み渡る。
男ばかりの間歩の中での、女であるが故の窮屈さが、ウメが女を感じさせるようになるとともに増長して、物語の後半では、好きに生きたいように生きられないウメの半生が積み重ねられる。
男は命を削って銀を掘り、女は子供を産んで銀堀に育てる、という銀山での宿命というべき生き方がなんとも…で、時代の変化の中で生き様を閉ざされた喜兵衛や死ぬと分かっていて間歩に向かう隼人をはじめとする男たちの姿が遣る瀬無い。
一方、銀山での宿命や女であることのしがらみに直面し続けたウメではあったが、多くの死を見送りながらも彼女なりに抗いながら生きた姿が哀しくも逞しく、異国に出自を持つヨキや龍、男でありながら女として生きる菊など“異端”とされる者たちの存在感が印象深い。
とまとめてはみたが、物語に込められたであろう重厚且つ深遠なテーマを十分咀嚼したとは言えない読後感ではある。