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貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく悲しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である『銀河鉄道の夜』や、『よだかの星』『オツベルと象』『セロ弾きのゴーシュ』など、イーハトーヴォの切なく多彩な世界に、『北守将軍と三人兄弟の医者』『饑餓陣営』『ビジテリアン大祭』を加えた14編を収録。賢治童話の豊饒な味わいをあますところなく集めた一冊。
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Posted by ブクログ
宮沢賢治の文学に初めて触れた。 「銀河鉄道の夜」は以前読んだ気がしたが、内容を大体忘れていたので、半ば新鮮な気持ちで読めた。 賢治の文学はその筆致が独特だった。 いい意味で童心に立ち帰れるような幼さと、それに伴うやさしい感じがある。いいな、と思う作品は多かった。 なんか全体的に人間より動物とか物とか...続きを読むの方が喋ってて、主人公とかもそっち系が多かった。これは賢治の作風とか世界観なんだろうか。 以下、印象に残った作品 「よだかの星」 「ひのきとひなげし」 「銀河鉄道の夜」 「セロ弾きゴーシュ」 「ビジテリアン大祭」
いいやつ、意地悪なやつ。側から見ればそう印象づけられるようなキャラクターだけど、彼らは彼らの考えがあって、善悪で分けられるほど私たちは偉くない。小さい時に読み聞かせしてもらったような、あの感覚がまた味わえた。優しくてあたたかい文章は私が宮沢賢治に惹かれた理由の一つ。 独特なオノマトペは普段私たちが...続きを読む使うようなオノマトペよりも、よりはっきりと感覚を与えてくれる。この本には入ってないが、私は十力の金剛石の音が大好き。宮沢賢治の自由な表現を私も欲しい。 宮沢賢治の作品は大好きなのにそれを伝えられるだけの語彙が私にない
# 感想(銀河鉄道の夜) 国語の教科書で読んだことはあったけれど、大人になってからは読んだことがない。 内容も詳しく思い出せない。 そこで本屋さんで見かけて読んでみた。 不思議で、とても綺麗な印象を持つ。 複雑な境遇を持つジョバンニが、カムパネルラと一緒に銀河を走る汽車で旅をする。 その中で、様々...続きを読むな人や景色に出会う。 「星の王子さま」を読んだときのような感じ。 最後、カムパネルラが友だちを助けるために川へ入って溺れてしまう。 突然の悲しい別れに驚くけれど、その前のジョバンニとカムパネルラの「ほんとうのしあわせはいったいなんだろう?」というやりとりを思い出した。 カムパネルラにとっては、友だちのために命を投げ打つことが「ほんとうのしあわせ」だったんだろうか? その前、ジョバンニは「みんなの幸いのためなら自分の犠牲を厭わない」と言った。 自分はそれほどに周りの人たちについて思いを巡らせることはできない。 自分の周りにいる大切な人を大切にするだけで精一杯だ。 何が幸せかは人によって違うけれど、誰かの幸せを願うことは、とても美しい気持ちだと思う。 自分もそんな心を忘れずにいたい。 # 感想(セロ弾きのゴーシュ) 楽団の中で一番演奏が下手な、チェリストのゴーシュ。 間近に控えた演奏会への練習で団長に怒られ、家に帰って夜遅くまで練習する。 すると毎晩、動物たちがゴーシュの家を訪ねてくる。 その動物たちとの交流の中で、ゴーシュのチェロの腕前は上がっていき、演奏会で評価される。 荒々しい態度をとっていたゴーシュが、最後にかっこうに謝るセリフで終わる。 ゴーシュは動物たちとの交流で、音楽的技術以外に、人としても成長できた。 何かを成したいとき、自分一人で練習に打ち込むことも大切だけれど、他者の声を聞くことも、自分を成長させるには必要なことなんだと思う。 # 感想(よだかの星) よだかは、鷹という強者に脅されてもそれに屈せず、名前を変えることを拒んで、遠くへ飛び立つことを決めた。 自分にそれができるだろうか?と考えた。 「自分のプライドを曲げてまで生きるくらいなら、死んだ方がマシだ」という、よだかの強い意思を感じる。 それから皆に冷たくあしらわれながらも飛び続け、最後には星になる。 醜くても、弱くても、それでも自分の心は大切にしないといけない。 そんな心を持っていれば、いつか星になって輝くときがきっとくる。 そんかことを、この『よだかの星』からは感じた。
宮沢賢治の描く地球が好き。海底のヒトデの正体が堕落して天界を追放された星だとか、天才すぎる…。ストーリーでは、よだかの星、が、お気に入り。美しすぎる悲劇。表題作である銀河鉄道の夜は、なかなか読み進まない、、
銀河鉄道の夜は景色の描写やジョバンニの心理変化の描き方が秀逸で一気に引き込まれました。 同時に私の心の中にいたジョバンニに気づくことができました。 宮沢作品は音読すると、なんだか昔小学生の頃にに夏休みの宿題で出された日記を読んでいるみたいな気分になり、なるほどこれが児童文学(?)となんとなく感じまし...続きを読むた。 よだかの星が小学生の時に読んだラストの印象と全然違って発見でした(*^^*)
書かれた時代からして、当然読みにくさはあります。こういった作品を読みなれていないのもあり、時には意味を調べながらで、ページ数の割に読み終わるまで時間がかかりました。このように少し時間をかけて丁寧に読んでいけば、一読目でもある程度読み解けると作品かと思います。 そしてもちろん、2度目、3度目と読み重ね...続きを読むる度に新しい発見があったり、その度に違った感想に至るところは、流石に名作といわれるだけはあるなと思います。 更に驚いたのは、一瞬でその世界に入り込めるというところです。例えば誰かに適当に開いてもらったページからでも、一瞬で物語に入り込むことができます。決して読みやすい文章とか単純で分かりやすいストーリーではないのに、スっと引き込まれてしまいます。
表題作の銀河鉄道の夜は間違いなく星5です。最初は少し読みにくく感じたけど読んでいくといつのまにか自分も銀河鉄道の世界観の中に入り込んでました。幻想的で美しくも哀しくもある少し仄暗い雰囲気のある物語です。 戦前に書かれたものですが今読んでも他にない魅力が溢れています。 他の短編は私にはまだよく分かりき...続きを読むれない部分が多いお話も多い。 ジブリの宮崎駿監督は宮沢賢治の大ファンで宮沢賢治の本は分からなくても何度も読み返して理解していくものだと言っていました。 当の宮沢賢治は「よくわからないところは私自身にもまたよくわからないのです。」と書いています笑 なんか全部含めて宮沢賢治、好きです。カプカプ
第3次稿の『銀河鉄道の夜』を初めて読みました。 今まで第4次稿しか読んだ事がなかったのですが、どちらも好きだと思ったし、両方知る事でより銀河鉄道の世界が深まる気がしました。 また、グスコーブドリの伝記もそうです。 初稿と推定される『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』も初めて読みましたが、グスコー...続きを読むブドリの分からなかった部分の答えが見つかったような気持ちでした。 賢治さんの世界、すごいなぁ。
とても面白かった。 表題作をはじめ悲しい話が多かったが、ストーリーや着眼点が面白くて楽しみながら読めた。 「銀河鉄道の夜」がこんなに悲しい物語だったとは… 「ビジテリアン大祭」「オツベルと象」がお気に入り。 この本をじっくり読み解くことが、人間的な成長に繋がるような気がした。 ━━━━━━━━━...続きを読む━━━━━━━━━━ 貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく悲しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である表題作や、「よだかの星」「オツベルと象」「セロ弾きのゴーシュ」など、イーハトーヴォの切なく多彩な世界に、「北守将軍と三人兄弟の医者」「饑餓陣営」「ビジテリアン大祭」を加えた14編を収録。賢治童話の豊饒な味わいをあますところなく披露する。
何故か夏に読みたくなる名作。 とにかく文章が綺麗。自分が本を好きになったきっかけで思い出深い作品です。
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新編 銀河鉄道の夜
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